御堂筋税理士法人創業者ブログ

  昨日、ある小さなもの造り会社の経営会議に出ていた。そこでは、いくつもの主に数字を使った資料で、業績を挙げるための議論をしている。

 この会社は、私が大阪市が行なっている大阪産業創造館主催の経営者塾『なにわあきんど塾』に来ておられた経営者が、M&A、というか破綻企業を引き受けて経営しておられる会社で、3年ほど前に、業績を挙げる手伝いをしてほしいと依頼された会社である。

 私は、会議に出ながら、あれこれと資料をお願いして、技術者でもある工場長がすなおに従ってくれたおかげで、ずいぶんと必要な資料が整ってきた。

 それに応じて、気の利いたアドバイスができてきたこともあって、皆さんの努力で顧客構造を変え、利益がでるようになってきた。

 さて、そんな資料の中で、今年になって追加した情報がある。それは『年間売上高予測の月別推移』という、多少意味を理解するのに骨の折れる情報である。

 この会社は、金属を加工するのが仕事で、それは顧客からの依頼により、リピートされたり、初物だとかなりのリードタイムをもって相談を受けながら仕事を進めたりするのである。

 したがって、けっこう年間の売上高の予測ができる業種である。こういう業種の場合には、いわゆる先行管理(フィードフォワード=FF)が効く。

 この会社の工場長(実質は経営責任者)が、『年間売上高予測表』を作って、毎月説明をされだしたので、わたしは「このフォーマット、メールでください」と言っていただき、先行管理できるように加工した。次の写真がそのイメージ、というか設計思想である。

(わたしが使っているチャート)

 この表は、横軸(x軸方向)に各月の売上高予測値を、縦軸(y軸方向)にそれを予測した各月度を軸指標として設定したものである。

 これを見ると、各月度における今年度の売上高予測値と、各月度において予測した各月度ごとの売上高予測値がわかる。すると売上高予測値がいかに目標に近づきつつあるかとか、あるいは目論んだ月別の売上高予測が実際にはどのように着地した、またはずれ込んだかがわかる。

 これは、私個人としては、私がある日考えついたもので、実際に使ってみるとものすごく参考になりか行動に対するエネルギーが湧いてくる、いわゆるパワフルな資料であることを発見して、使い勝手がよく重宝しているものである。

 先日、この資料についてちゃんと説明しとかなあかんなあと思って、ちょっと時間をいただいたが、わたし的にできるだけ丁寧さを心掛け、説明をさせてもらった。あまり意味合いについてピンときていらっしゃらないように拝察する社長も理解が進んだように思っている。

 さて、会議が終わって、会議メンバーと雑談をしているときに、何人ものかたから、その資料がとってもわかりやすく、有効であるとのお褒めの言葉を頂戴した。なぜかというと、この資料を見ると、近未来に対して、顧客にどのようなアクションを取っていかなければならないかが、はっきりとしてくるからである。作者としては、感激の至りである。

 というわけで、この資料、情報は、わたしが創った数値資料としては、ほかのいくつかのものと並んで、一級の価値があると感じている。

 ところで、今、あのシリコンバレーの高業績企業、インテル社の伝説の名経営者、アンドリュー・S・グローブ氏の著書、“High Output Management”を読ませていただいている(この本は、先日読んだすばらしい本“Measure What Matters”で紹介されていた)。

(「High Output Management)

 そして、その中で、わたしが愛用している表が、グローブが“ずらしチャート”として紹介、解説しているものとまったく同じものであることを見つけたのである。

(本の中で解説されているページ)

 わたしは、ものすごく感激した。そしてこの伝説的なすこぶる洞察力の深く高い経営者のご自身による解説に読み入ったしだいである。

 彼はこう書いている。「先行指標(Leading Indicater)は、(ビジネスという)ブラックボックスの内部をのぞくひとつの方法で、将来はどんなふうになりそうかを事前に示してくれる。しかも、是正措置を取る時間的余裕を生んでくれるので、問題の発生を防ぐことが可能になる。…先行インディケーターが教えてくれることに従って行動を起こす覚悟がなければ、それらのモニターから入手できることは不安と心配ばかりになる。したがって、あるインディケーターを選択する以上は、それが警戒信号を発したときには必ず行動を起こすというように、信用できるものでなければならない。」

 「傾向インディケーターも大切である。このインディケーターはアウトプットを時間ごとに測定したものを示すもの、あるいは標準または期待水準に対して測定したものを示すものである。インディケーターで示された諸傾向を見れば、ほぼ自動的に過去の事実からの延長線上で推定するようになるので、将来のことを見つめざるをえない。こうした推定もブラックボックスにおける窓になる。また、基準に照らして測定すれば、結果が“なぜ”そのようになっているのか、基準が示すとおりになぜならないのかをよくよく考えざるをえなくなる。」

 「将来を予想するもうひとつの健全な方法は、アウトプットを次の数ヶ月にわたって予測する、ずらしチャートを使用することである。このチャートは、毎月情報内容が更新されるので、いくつかの以前の予測と比較した当時・現在の予測情報の最新のものが、毎月わかるようになっている。ある予測が次のものとどう変わっているかがすぐにわかるようになっているので、単純傾向チャートを使用するより、将来の傾向の予測が立てやすい。」

 超一流の経営者が、自らの経験と洞察から、どんなふうに情報を加工して経営判断材料としているかといった極めて具体的な経営手法について書いているのはとても稀有であり、グローブの熱意をつよく感じるところである。まだ、読んでいる途中だが、とてもエキサイティングな本だと感じている。

 わたしの経営コンサルティングの手法は、

戦略目標設定(Strategic Objective setting)     

↓                                   

数字による経営の見える化(Mathmatical Visualizing of Management)  

↓                                   

創造的会議の実施(Argumental Creative Meeting)           

↓                                   

幹部の育成(Talent Training)                     

 縮めて、“SMART経営”という、いたって独創性のないプログラムだが、そのプロセスと中身にとって、数値のチャートでなにをどのように経営メンバーに認知させるかは、高業績化の効果性にとって、とてもとても重要なのである。納得、共感していただけるだろうか?

 それにしても、アンディ・グローブのような、すばらしい尊敬すべき経営者の愛用しているマネジメント手法と、不肖、小職のような者の考えが一致していることが、どれくらいわたしの経営アドバイスに力を与えてくれるか!感奮ものである。

経営コンサルティングと会計事務所の融合                 

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所                  

小笠原 でした。

 

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