御堂筋税理士法人創業者ブログ

 わたしの顧客に積極的にM&Aで業容を広げるという戦略を取っている会社がある。しだいに買収会社が増えてくると、経営の質を揃え、高めていくことが課題となってくる。

 先日、ふとハッと気づいて、社長にショートメールを入れた。「社長、M&Aした会社の経営者向けに経営指針を作りましょうよ!」

 社長からは、「よろしくお願いします」と返事が返ってきた。 

 そこで、さっそくそのフレームワークを考えた。項目立ては次のとおりである。まだまだあるかもしれない。

1 経営管理、2 販売管理(マーケティング・営業)、3 業務管理、4 在庫管理、5 物流管理、6 生産管理、7 購買管理、8 情報管理、9 人事・総務管理、10 経理・財務管理

 この膨大な項目群を、わたしがすべて作ることはできない。そこで1の経営管理だけを作って、会議に提出し、批判的検討をしていただくとともに、メンバーの方々に作成をお願いしようと思った。そこで作ってみたものが次のようなものである。多少、衒学趣味で青臭いが、わたしの思いである。

〇〇グループ 子会社経営指針

目的 本経営指針は、〇〇グループ各社の、経営のあり方、考え方を統一し、もって経営の質を整え、高め、高い業績を挙げることを目的とする。

1 経営管理

1-1 経営理念・方針・計画

 別途『はじめての経営計画100問100答』・PPTテキスト『経営計画の策定と実行管理のしかた』参照のこと

1-1-1 経営理念の作成

・〇〇グループの経営理念を共有し、自社の経営理念を踏襲または策定する。

・ 販売、与信、顧客対応、社員の行動・心がまえ、環境整備など必要とする指針を作成する。

1-1-2 経営計画

・ 長期経営計画として、おおむね10年程度の経営目標、数値計画と基本戦略を策定する。

・ 戦略計画として3ヶ年の中期経営計画を立て、戦略と戦略目標を定める。

・ 実行計画として年度経営計画を立てる。

・ 年度経営計画における重点課題については目標管理により、月次サイクルでPDCAを廻していく。

1-1-3 予算

・ 年度予算により、損益および資金の計画を立てる。

・ 年度予算は、販売予算は顧客別、営業担当別の目標により積上げ、季節指数により月ごとにウエイトづけして割りつける。

1-1-4 読書指定図書

・ 『はじめての経営計画100問100答』(小笠原士郎/明日香出版社)

・ 『一倉定の社長学』(① 経営戦略編、② 経営計画・資金計画編)(日本経営合理化協会)

1-2 組織と編制

1-2-1 組織規定の整備

・ 組織規定、業務分掌規定、決裁権限規定ほか、必要な組織に関する規定を整える。

・ 従業員の身分に関する規定を作る。

1-2-2 組織図の作成

・ 組織図を作り、組織や構成人員に変化があった場合には、怠らず改訂する。

・ 組織の編制にあたっては、命令一元化や管理限界など管理の原則を適用する。

1-3 コミュニケーション・システム

1-3-1経営計画におけるコミュニケーション・システムの作成

・ 経営計画において会議など定例的なコミュニケーション・システムを定める。

・ 主なコミュニケーションの機会

名 称 頻度 時期 内 容
経営計画推進会議 月1回 月次決算締め後ただちに 経営計画の進捗管理
幹部の定例ミーティング 週1回   担当業務などの進捗管理
部門の会議 月1、2回   業績達成、業務生産性追究
朝礼 毎日 朝一番 理念浸透、仕事共有
社員個人面談 月1回 月初 社員の目標管理のコーチング

1-3-2 経営計画推進会議の内容と進め方

別途PPTテキスト『効果的な会議の進め方』参照

1-4 マネジメントの実践…別途PPTテキスト『マネジメント』参照のこと

1-4-1 マネジメントの要諦

・ 優れた経営者が経営したときだけ、組織は高業績でありうる。

・ 経営者のめざすところは、『学びつづける組織』(Learning Organization)を創ることである。学びつづける組織とは、社員たちが自由闊達に意見を述べ合う組織である。優れた戦略、課題解決は、試行錯誤からのみ生まれる。そしてそれらは、多くのアイデアから生まれ、アイデアは自由闊達に意見を述べることができる風土から生まれる。そして、そうした風土は経営者・リーダーが社員の話を傾聴する心がまえから生まれる。(『聞け、話すな』(P・ドラッカー))

・ それゆえ経営者は、こころを磨かなければならない(価値観を高める修養)。

・ マネジメントでは、短期の業績の追求と、長期の課題の取組をバランスさせなければならない。

・ 業績を挙げるためには、社員に存分に活躍してもらう。経営者はそれを応援するのが仕事である。

1-4-2 マネジメントの仕事

・ マネジメントの仕事は、①経営計画、②組織作り ③指揮(人のマネジメント) ④統制(業績のマネジメント)、⑤人材育成、である。

・ 経営者は、時間の管理を行ない、自らの時間が何に使われているかをつねにふり返り、レバレッジ効果の高い仕事にシフトするように心がける。(レバレッジ効果の高い仕事とは、情報の収集、情報の提供、社員とのコミュニケーション、資料等の分析などによる洞察などである)

1-4-3マネジメント教育…別途各種PPTテキスト参照

・ マネジメント教育では、マネジメント、コーチング、ファシリテーション、OJT法、価値観、時間管理、会計思考、論理思考、問題解決(意思決定)を学ばせる。

・ マネジャーの教育では、経営者が自らレクチャーする機会を設ける。

1-5-4 マネジメントの組織への浸透

・ 経営者は、直属の部下(幹部・マネジャー)と毎月個人面談(One on One)し、コーチングする。

それ以外に、上記のマネジメント教育、経営計画推進会議などの会議体、ロールモデルとなる、動機づけと評価などを通じて、マネジメントのあり方を組織に浸透させる。

1-5-5 読書指定図書

・ 『マネジメント』(上・中・下)(P・ドラッカー/ダイヤモンド社)

・ 『経営者の条件』(P・ドラッカー/ダイヤモンド社)

・ 『修身教授録』(森信三/致知出版社)

1-5 経営情報―経営の数字による見える化

1-5-1 月次決算

・ 月次決算は、〇〇グループの経理処理基準に従い、早期の経営検討ができるように、正確化、早期化を図る。

1-5-2 コックピット経営

・ 売上の先行管理を行ない、毎月、決算予測値を出す。これを『もうけのカーナビ』という。

・ 経営活動におけるKPI(主要業績指標)を明らかにし、それを『経営のコックピット』というかたちでの経営指標にまとめ、経営を数字で見える化する。

・ もうけのカーナビ・経営のコックピット・目標管理シートを基に、経営計画推進会議により経営を推進していく。

 以上のようなものである。いかがだろうか?おおむね尊敬するドラッカーさんの受け売りだが、多少は、わたしの経験による信念や洞察も入っている。

 少しは、経営者や経営幹部の皆様方の参考になればうれしい。

会計事務所と経営コンサルティングの融合

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所(mdsjグループ)

小笠原 でした。

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