『わたしのお父さん』という歌
2018.07.13
ブログ
『わたしのお父さん』
という歌がある。
私の大々好きな歌のひとつだ。
一所懸命に歌詞を覚えて
気分のいいときに口ずさんでいる。
この曲をはじめて耳にしたのは
今から30年ほど前
大林宣彦監督の映画
『異人たちとの夏』
の挿入歌で聴いた時だった。
https://www.youtube.com/watch?v=Tp5UH4Lfknw&t=15s
(映画『異人たちとの夏』のワンシーン)
この映画、
少年のときに不慮の事故で死んだ
父と母が20数年のときを経て
懐かしくも眼前に現れ
つかの間、失った日々を取り戻すのだが・・・
という話であった。
大林監督お得意の
不思議な映画の雰囲気に
なんとも不思議にマッチしていて、
切なさ1000%のメロディであった。
そのときは知らなかったが
この歌は、実は、
プッチーニという人のオペラ
喜劇『ジャンニ・スキッキ』の中の一曲だった。
主人公ジャンニ・スキッキの娘、
ラウレッタが
おやじに『パパおねがい!』
とおねだりするアリアである。
ジャンニ・スキッキは
フィレンツェの代書屋
娘ラウレッタのボーイフレンドの
親父が死に、
遺産が修道院に寄付されないように
遺言の書き換えを計る、
どたばたの喜劇である。
まあ松竹新喜劇を
オペラにしたようなものだ。
(オペラ『ジャンニスキッキ』のポスター)
便利なもので
マリア・カラスの歌いっぷりが
You Tube で聴ける。
⇒ https://www.youtube.com/watch?v=s6bSrGbak1g
さすが、きちんとした歌詞表現で
堂々たる歌いっぷりだ。
歌詞と意味は次のとおりである。
O mio babbino caro
ねえ 私の大切なお父さま
Mi piace, è bello, bello
わたしの好きな彼 とてもステキなの
Vo’ andare in Porta Rossa
A comperar l’anello!
だからポルタ・ロッサへ
指輪を買いに行きたいの!
Sì, sì, ci voglio andare!
ええ そう そこへ行きたいの
E se l’amassi indarno,
もしもこの愛が儚いものなら
Andrei sul Ponte Vecchio,
Ma per buttarmi in Arno!
ポンテ・ヴェッキオに行って
代わりにアルノ河へとびこんじゃうから!
Mi struggo e mi tormento!
わたし 切なくて 苦しくて
O Dio, vorrei morir!
ああ 神さま いっそ死にたいくらい!
Babbo, pietà, pietà!
Babbo, pietà, pietà
お父さま お願い、お願い!
偉人たちの夏の
幻想的で切ない話の内容とは
およそマッチしない意味内容なのだが
思い切った曲の使いようである。
さすがクラッシックに造詣の深い
大林監督ならではの
音楽の割り付けだった。
プッチーニといえば
いかにも甘美で切ない
メロディ創りの達人である。
このジャンニ・スキッキ
私は、一度も見ていない。
どこかでやってないか
ときおりGoogleしている。
そこで今年の12月に
上演されるらしいことを見つけた。
なんとしてでも見に行きたいものだ。
会計事務所と
経営コンサルティングの融合
御堂筋税理士法人&
組織デザイン研究所
小笠原 でした。