『影響力のマネジメント』のご紹介―その3 パワーの使い方
2017.08.08
経営者へのメッセージ
『影響力のマネジメント』
のご紹介の3回目です。
第1回 パワーとは何か?
第2回 パワーの源泉
ときて
今日は、パワーの使い方です。
パワーを使うには、
世界の理解の仕方(フレーミング)と
戦略を創るための情報
(対人影響要素)が必要であり、
それを適切に使って
自分に有利な状況を創っていく
というお話です。
1.世界の理解のしかた(フレーミング)
-物事をどう見るかが、
物事がどう見えるかを決める。
これは粋な言葉である。
わたしも大事にしていること
結論
→人間の認知のしかたを理解し、
それを活用あるいは
ブレイクさせる方法を身につける。
①コントラスト原理
見えるものがどのように
フレーミングされるかは、
その前に起こったことと
それを提示するのに
使った言葉に影響される。
最初にめちゃ高い
品物を提示されると
次にちょっと高い
品物を勧められても
あまり高く感じない
ということです。
②コミットメント・プロセス
過去の行為やできごとは、
準拠枠になり、
別のコースを取ろうとするときの
心理的な自由を制約する
(自己知覚)、
そして一貫性を保ちたい
子どもなど見ていると
特にそうですね。
それを変えるテクニックは
→物事を実行するための
ベストな道は、
小さくとも何らかの
効果的な行為から
始めるべきだということ
小さな便宜を与えることから
返報性(お返し)の
サイクルが始まる、
あるいは相手に
求めているものを伝える。
→過去の束縛から
相手を切り離す。
過去の責任を問わない、
まずはちょっと話し合う合意
③希少性の演出
問題の問われ方によって
課題の枠は位置づけられる
2.対人影響力(チャルディーニ)
結論
→機械でない人間の
考え方・感じ方を理解し、
それを活用して
味方になってもらう術を
身につける。
①社会的証明と情報による
社会的影響
他人の見解・情報活用
→省力化、相手と同じ見解を持てる
②好かれること、機嫌を取ること
知っている人、好きな人の
リクエストにはYesという傾向
→類似性、身体魅力、
賛辞とお世辞、接触と協力、
よい知らせをもたらすなど
プラスの要素
③感情による影響力
感情表示の技術
感情制御、
相手の感情への影響効果の意識、
ペーシングと相手中心言動
3.タイミングがだいじである
結論
→政治的な戦略・戦術の
最重要要素の一つはタイミング
ポイント
ⅰ機先を制する
ⅱ遅延させる
ⅲ待たせる
ⅳ期限を区切る
ⅴ提示の順序―アジェンダでよく考える
ⅵ熟し時
4.情報・分析の確実性が
パワー源泉になる理由
結論
→どんどん使え、
効果的であり
責任を追及される可能性は少ない。
①合理的に見えることが必要だ
効果的なのは
外部専門家を使って
ほしい数字を出させること
②数字と分析の限界
とんちんかんな解釈もある
③データの選択的利用
自分にとって
都合のよいものを探して作る
④分析がもっと慎重にされ、
学習されない理由
ⅰ決定と結果との関係は測りがたい
ー多元的だから
ⅱ因果関係の確定に
長期間かかるから
ⅲ集団的意思決定で
責任の所在があいまいだから
ⅳほじくり返したくない
5.パワーの統合・強化のために
組織構造を変える
結論
→公式組織の構造の重要性を認識し、
パワー行使における
組織設計の役割を認識する。
(それなりの会社だったら
きちんと組織図を使って
組織設計をしよう)
組織の設計・再設計を
活用する能力は
重要なツールである。
構造は
合理的決定プロセスの結果とするが、
実際には
政治パワーを行使するために
いじられる
作戦
ⅰユニットの弱体化、廃止など
→パワーセンターの強力化
ⅱ自分のドメインを拡大する
6.象徴のマネジメント
行為、言語、儀式、舞台
結論
→これらの設定は、
パワーと影響力の行使に大切で、
慎重に検討し、
戦略的に利用すべき
人の心を動かすのは感情である
→心からの強い感情を引きだす。
シンボルは経営行動の本質、
左脳派のマネジャーは
これらを軽んじぬように
①合理性と感情の使い方のバランス
②政治的に言語を扱う
―シンボルとラベル貼りで
メンバーの活動を
意義あるものにする
③儀式
昔のローマは凱旋式を
大事にした。
④舞台設定
いかがでしたか?
次回は最終回、
パワーの力学を理解し
適切に対処する方法です。
お楽しみに
会計事務所と
経営コンサルティングの融合
御堂筋税理士法人&
組織デザイン研究所
小笠原 でした。