これからの研究テーマは生産性を上げる方法である。
2016.07.06
高業績企業づくり
昨日、
わが社のコックピット会議があった。
会計事務所業界の雑誌社の
主催による見学会も兼ねていて
14名の会計事務所の先生方が
ご覧になる中の開催となった。
さて、会議の中で
私の目標管理を
メンバーと共有する時間があった。
その中で、
最近思っていること、
今年前半の活動のまとめ
後半したいことを
手短かにお話しした。
目標管理は
確かに大事なことに
フォーカスできるし、
その推進には大いに役立つ。
毎月のPDCAの中で
考えさせられることが多い。
私にとって不可欠の戦略遂行ツールである。
テーマは
①本業での組織への貢献
②価値の創造と価値観の浸透
③人材の育成である
さて、その中で②の価値の創造である。
これは具体的には
特にイノベーションを指す。
私の場合、新たな
企業高付加価値化のノウハウを
考えだし、サービス化することだ。
後半(というかここ1,2年)の課題は
『生産性を上げる』というテーマだ。
これがむずかしい。
あれこれアマゾンで
参考図書を探しても
まあ、気の利いた本が絶無。
そこでふと思い立ち
ドラッカーに立ち戻った。
マネジメント(上)
第9章 『目標の設定とその実行』
145ページである。
経営資源を手に入れることは
第一歩にすぎない。
それらの経営資源を
生産的なものにすることが課題である。
したがって
あらゆる企業が、人材、資金、
物的資源という
3つの経営資源について
生産性の目標を設定することが
必要である。
同時に、
生産性全体について目標を
設定する必要がある。
⇒まず目標設定だ。
それは人・もの・金の3つである。
そして全要素生産性である。
思いついた、その具体的な方法は
あとでお話しする。
企業の各部門の
マネジメントの働きを比較し、
企業ごとのマネジメントの
働きを比較するうえで、
最良の尺度が生産性である。
入手する経営資源は
ほぼ同じだからである。
⇒生産性は経営陣の
能力をはかる最良の尺度だ
ということ。
だから生産性を常に
ものさしとして第一に
意識せねばならない。
いかなる分野においても、
企業間に差をもたらすものは
マネジメントの質の違いである。
マネジメントの質という
決定的に重要な要因を
測定する最良の尺度が
生産性、すなわち
経営資源の活用の程度と
その成果である。
⇒つまり生産性とは
投入と成果の関係であり
人・もの・カネを
つかってより高い付加価値を
生み出す経営のやり方が
それを関係づける。
生産性の向上こそ
マネジメントにとって
重要な仕事である。
また最も困難な仕事の一つである。
なぜならば、
生産性とは各種の要因の
バランスだからである。
しかもそれらの要因のうち、
定義しやすいものや
測定しやすいものは少ない。
⇒そのとおりだと実感する。
あまりにも考える要素が
多いわけだ。
生産性についても、
一つの完全な尺度を
見つけようとしてはならない。
いくつもの尺度を使うべきである。
そすうることによって、
いろいろなことが見えてくる。
例えば、時間当たり生産量も、
それだけでは意味をなさない。
労働力の生産性さえ示していない。
生産額、利益、さらには
人件費1ドル当たりの
生産量、生産額、利益を
明らかにして、
初めて意味をもつ。
⇒そりゃそうだ、
生産性とは
人の時間と努力、機械・道具、
材料・資金といった投入するものと
アウトプットされるもの、
生産量、金額、粗利益、利益の
関係だから、
単に、アウトプットだけを示しても
あまり意味をなさない。
これだけをつぎ込んで
これだけの成果があった!
でなければならない。
いわば、燃費である。
生産性については
複数の尺度が必要とされる。
労働力は三つの生産要素の
一つにすぎない。
労働力の生産性の向上が
他の資源の生産性の
低下にもたらされたのであれば、
全体の生産性は
低下しているかもしれない。
⇒再度、だから
複数の尺度が必要だと
念押しされる。
複数ある生産性の尺度のうち、
われわれは、
すでに事業全体の生産性を
測る尺度を一つもっている。
付加価値である。
付加価値とは、
製品とサービスから
得られた収入と、
生産のための材料とサービスに
支払った支出との差である。
言い換えれば、
事業ごとの収入と費用との差である。
付加価値は、
コストの配賦が経済的に意味ある形で
行われるときには
生産性の分析に使うことができる。
⇒ちっさな会社の場合には
ピンとこないだろうが、
部門がいくつもあるような
会社だと、
本社やいろいろな経費が
どの部門の事業に使われたかが
きちんとひもつけられたら
それは分析の意味がある
という話である。
生産性とは
難しいコンセプトである。
だが、それは
事業にとって中心的なコンセプトである。
生産性の目標がなければ、
事業は方向性を失う。
――――――――――――――――
とまあ、こんな話である。
しかし、ずーっと考えてきて
頭の中にあったもやもやが
かなり、とれて、
すっきりしてきた感があった。
そこで、考えた。
生産性の基本公式は
次のようなものではないか。
売上高-変動費
―――――――
固定費
当たり前すぎると
読者諸賢はおっしゃるかもしれないが。
どこが私の頭の革新かというと
従来は生産性を
付加価値
――――
人数
ととらえていたのである。
これでは、
変動費という、ものが切り捨てられる。
また、カネも切り捨てられる。
だから、シンプルな代わりに
人・もの・カネの貢献が見えない、
分析できないのである。
売上高は、成果、アウトプットである。
変動人とは、ものである。
売上高-変動費は付加価値である。
固定費とは、人とカネである。
付加価値-固定費は利益である。
そして、
①変動費→売上高 の変換効率
②固定費→付加価値 の変換効率
が、この式の中にある。
さてこれをどう見て
何を考えるか、
生産性の向上という課題に対して
どういうアプローチをとるかだ。
私の仮説をお話しする。
①生産性の目標を設定する
人・もの・カネ→総合
資源の有効活用の目標値だ。
それは、
売上の量・金額
売上/変動費の変動費生産性
粗利益の金額
粗利益/固定費の固定費生産性
粗利益/人件費の人件費生産性
粗利益/時間の労働生産性
粗利益/総資産の資金生産性
粗利益/設備投資の投資生産性
粗利益/機械の機械生産性
粗利益/売掛金の資金生産性
(これは顧客ごとの生産性分析)
などなどである。
②生産性の向上は
経営の全要素について考える。
売上の増大について
粗利益率のアップについて
変動費の低減について
固定費の効率的利用、
つまり仕事のしかたについてだ
③仕事のしかたは
中身と進め方に分ける。
中身は仕事の科学だ。
人と仕事の分析と
仕事革新、プロセス革新である。
進め方は
仕事の流儀である。
マネジメントの方法である。
なんだか、煙にまかれた
ような話だが
これを骨子に
生産性を高める具体策を
ストーリー化してみようと思う。
経営コンサルティングと会計事務所の融合
組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人
税理士コンサルタント 小笠原 でした。