ご参考までに-イノベーションと生産性のアップ
2017.05.12
ブログ
昨日の雑誌記事のご紹介の
お話の続きです。
よろしければご笑覧ください。
3.イノベーションの意義と課題
➀イノベーションの意義
イノベーションは
マーケティングと揃えで
考えていいと思います。
イノベーションとは、
今あるもの、していることが
やがて陳腐化するという考えのもとに、
未来を見据えて
それに代わるものを考え、
開発していくことをいいます。
それは、
主には製品ということになりますが、
範囲は会社がしている
すべての活動にわたります。
特にAIの進歩がもたらす衝撃が
取りざたされている今、
経理だって総務だって
大いなるイノベーションの
フロンティアになります。
➁イノベーションの進め方
イノベーションの進め方についても、
「イノベーション委員会」というものを
組織して進めていきます。
マーケティングと合わせて、
「M&I会議」としてもけっこうです。
これも月1回(もちろん2回でもよい)開きます。
検討すべきは、
イノベーションのテーマの
進み具合についてです。
会社で考えるべきテーマ全案件を
書き出します。
そして、
その効果、開発プロセス、課題を
追いかけていくのです。
次のような表でまとめて資料とします。
【イノベーション・プロセス管理表】
――――――――――――――――――――
テーマ|担当|狙い|効果|課題|プロセス|進捗
――――――――――――――――――――
➂イノベーションのポイント
イノベーションは特別な活動です。
それは
すぐれて未来のためのものだからです。
いわば子供を育てるようなものです。
そこで心しておくべき
重要な考え方がいくつかあります。
ⅰ.イノベーションは
経済的なインパクトの問題である
(ハイテク、ローテクではない!)
ⅱ.イノベーションは
トップが主体的に関わり、
ピカ一の人間が担当する
ⅲ.イノベーションは
成果目標を明確にして、
それを忘れない
ⅳ.イノベーションは
特別会計部門で管理し、
性急に負担と利益を求めない
ⅴ.イノベーションは
成果を出す期間を定め、
存否の判断を明確に下す
4.バリューチェーンの工夫と
生産性の追求
➀バリューチェーンで
戦略課題を具体化
バリューチェーンとは、
わが社がものを産みだし、
お客様のところへお届けし、
付加価値を生み出す、
仕事の流れをいいます。
ニッチNo1戦略は、
ニッチな分野でNo1になることであり、
そのためには
お客さんにNo1で選ばれる
ユニークな製品およびサービスを
提供していかなければなりません。
ですから
バリューチェーンについて考え、
そのブラッシュアップを
進めるということは、
戦略で考えたことを
実現していく流れと体制、
そして課題を考え、
推進していくことです。
バリューチェーンは、
次のような表を使って、
全体の見える化をしながら
みんなで考えていきます。
【バリューチェーン分析表】
―――――――――――――――――
開発|マーケ|生産|営業|業務|全社
―――――――――――――――――
…顧客の期待
…生産性目標
…業務の目標
…業務の現状
…課題
…生産性指標
…成果指標
…活動指標
―――――――――――――――――
バリューチェーンを考えることの
優れている点は、
このように各部門の関連性のなかで、
全体最適をめざして
戦略的なサービス実現のあり方を検討し、
課題を定めることができる点です。
②バリューチェーンを考えることで
生産性向上を企図する
併せて、生産性の向上について、
目標を定めることができることが
とても重要です。
なぜなら生産性を高めることも、
長期的にとても重要な課題だからです。
生産性を示す1人当り粗利益は、
経営でもっとも重要な指標です。
それは、国の経済で例えると、
1人当りGDPに該当し、
経済的な豊かさと
その向上度を測る
ものさしとなるからです。
ドラッカーさんは、
生産性は、経営の力を測る
端的なものさしだと
述べていらっしゃいます。
なぜなら、
経営で使う資源=人やお金は
どの企業でも大して変わらないのに、
その成果である粗利益の大きさは
千差万別であり、
それこそが経営力を
物語っているというわけです。
生産性のめざすところは、
➀同業他社を10%以上
超えるようになること、
②持続的に生産性が高まること
(年率2%とか)、
の二つです。
MOT(技術経営)で
名の知られた東大の藤本教授も、
生産性は経営の全要素で
測るべき複雑な組み合わせである
と述べておられるように、
生産性の向上を考えるときには、
私たちは経営のあらゆる要素を
関係づけて考える必要があります。
だからこそ経営力なのですが。
生産性をあげる目のつけ所として、
➀アウトプット
=粗利益をふやす
②インプット
=固定費・資本・労働をへらす
③インプットの
アウトプットへの変換効率を高める
の3つがあります。
つたない思考レベルですが、
次にわたしの思いつく
生産性向上の切り口を
示しておきますので
参考にしてください。
【生産性向上の切り口】
粗利益を増やす方法
↓
ファン化、顧客・商品の組み合わせ、
単価・数量のアップ…
仕事の効果性と
効率を高める方法
↓
仕事の取捨選択と優先順位、
成果の上がらない仕事の早期排除
役割分担、
業務のプロセス改善
時間管理、
数字の見える化とリアルタイム管理、
PDCA、
段取り(計画・準備)
コミュニケーション
報連相・反省による改善
達人になる、
人をつかう、
整理・整頓、
機械化・IT活用…
5.まとめ
今回は、
戦略を具体的な取り組み課題に
落し込んでいくための
思考促進ツールと考え方を
お話ししました。
いかがでしたでしょうか。
戦略を決まれば、組織を決める。
次回は組織と人材について
お話をしていきましょう。
ぜひ楽しみにしてください。
会計事務所と
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御堂筋税理士法人&
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小笠原 でした。