御堂筋税理士法人創業者ブログ

先週、2社の製造業の会社におじゃました。

いずれも、すばらしい

経営の見える化資料に出会ったので

ぜひともご紹介したい。

 

どちらも、ロット生産の会社である。

ロット生産とは、

まとまった数量の製品を

幾種類も次々と作る生産のしかたである。

 

まず、会社全体のパフォーマンスの

見せ方である。

どちらの会社にも共通なのは、

単なる損益計算書ではないことだ。

 

だいたい資料というものは

紙の上に表わす。

だから二次元で情報をまとめることになる。

 

さて、これらの会社の場合の

縦軸であるが

 

どちらも、情報の見せ方として

前半(上半分)は

まず、仕入量から書く。

次に生産を示し、その効率なども示す。

そして、生産量を表わす。

 

つまり、

input→process→output

というプロセスを示す。

 

その下に在庫を示す。

 

後半(下半分)は

損益計算書を示す。

 

つまり、全体としては

仕入→生産→在庫→売上→PL

という構造になっている。

生産活動と販売成果を

在庫を結節点として示しているのである。

 

これは、製造業では、

生産能力と状況が

思考の原点(あるいは制約)

になっていて、

それを前提として

損益が結果として招来している

という思想を表わしている。

 

横軸であるが、

いずれも月別推移となっていて、

今月以降の予測、

さらには決算の予測を出している。

 

これは、

意思決定のための情報では

未来予測という

フィード・フォワードが不可欠だ

という思想を表わしている。

 

つまり次のようなイメージだ。

 

      月別推移→予測→決算予測

――――――――――――――――

INPUT

PROCESS

OUTPUT

在庫

売上

変動費

固定費

利益

―-――――――――――――――

 

ところで、この資料をデザインしたのは

どちらも、大企業で

生産や原価管理を経験された方である。

さすがという他ない。

中小企業はみならうべきだ。

 

(一つ目の会社)

 

(二つ目の会社)

 

さて、これを全体像としてみて

そのあと、さまざまな資料で

生産や販売など諸活動を点検する。

 

まず一つ目の会社であるが、

ここの若手、生産管理マンが

すばらしい分析資料を提示しだした。

 

それはロットごとの

原料投入、生産量、歩留まり、

加工時間、段取時間、停止時間

(停止はさらに計画と不測に二分)

を標準と実際で示し、

さらに、良好・正常・不良を評価し

かつ、その原因を書いている。

 

いままで、このような細かな資料はなく

これを見ると、

どの製品が、生産性が低く、

それはなぜかがわかり、

どうすればよいか、さらに、

一般的にどういう法則があるのか

まで考察を加えている。

 

おかげで、会議で

今までにない具体性で

課題を特定することが

できるようになりつつある。

 

彼は、失礼ながら

高校を中退しているが、

ゲーマー感覚で数字に取り組んでいる。

人には好きなことをさせるのが

一番である好例である。

 

二つ目の会社では

生産のプロセスを

細かにしている。

 

原料→1工程→2工程→3工程→製品

各工程の投入量と生産量

そして、各工程での歩留まりである。

このデータも、数年分たまり

いつも月別推移で

傾向をわかりやすく

示してくれるので助かる。

 

この会社では、

原料→製品での歩留まりを

最重要管理指標として

その向上に努めてきた。

そしてまずまず安定した

パフォーマンスを示すようになった。

 

そして今、

彼がメスを入れようとしているのが

製品→販売量の歩留まりである。

生産量より販売量が

定常的に少ないのである。

これはおかしい!

この企業では多くの在庫があり

残念ながら詳らかではない。

業務品質が低いのだ。

 

これにより、仕入→販売の

一気通貫の歩留まりがわかる。

より、すぐれた考え方である。

 

目の子勘定で

5,000万円の利益が眠っていそうだ。

来期の重要テーマとなる。

 

さて、肝心のパフォーマンスだが

一つ目の会社は

巨額の赤字から、黒字転換を果たした。

二つ目の会社は

実質赤字から、利益率3%まで浮上した。

 

どちらも決してエリート集団ではない。

やはり、経営プロセスを

数字で見える化しつつある成果だ。

 

そう、ヤンキースではなく、

アスレチックスなのだ。

データ野球で勝利したのである。

 

資料、データ、情報、

コミュニケーションといえば

さて、最近、『通信の数学的理論』

(クロード・シャノン著)

という本を読んだ。

 

(『通信の数学的理論』 歴史的名著)

 

シャノンは

情報と通信の理論を創りあげた。

人類の歴史に刻まれるであろう

すばらしい研究者である。

 

余談だが、

シャノンの業績は、

物理学におけるニュートンに

匹敵するのだそうだ。

 

ちなみに、ニュートンのすごさは

物理現象を、算数で示したことである。

シャノンは、

コミュニケーションを、算数で示した。

 

ニュートンは、エネルギーをキーワードに、

シャノンは、エントロピーをキーワードに。

 

今日のネット社会は

彼の創造的業績に

殆どを負っているという。

 

さて、彼によれば、

通信とはコミュニケーションである。

情報を離れた人に伝達するのである。

 

しかも、電話のように

音声→電気信号→音声

といった形式の変換をしながら。

 

結局、そのために

情報をデジタル化して送るのである。

わたしはちんぷんかんぷんだが。

 

その場合、2進法というものを使う。

その情報の原単位が「ビット」である。

 

つまり、その情報は、

例えば、白か黒かとなる。

 

それを使うと8つの情報は、

log2・8=3

となるから、3回の操作で

識別可能になるらしい。

 

つまり、情報の価値とは

究極のところ『ちがい』なのである。

 

そして、それは

数字でみせなければならない

(というか極めて効果的な)

のである。

 

そして、ある状態での

ものごとの記述がぐちゃぐちゃなのを

ある情報で示すと

とてもすっきりくっきりする。

これが、情報操作のテクである。

 

つまりどう見せたら

ちがい=へんなところ・いいところ

がわかるかである。

そこが、腕のみせどころなのである。

 

ちがいがわかれば

人は、それを解決できる。

原因がわかれば、解決できるからだ。

 

高業績企業では、それができている。

できていない企業は、

例外なく低業績である。

 

ところで、経営の改善は

主に会議という集団思考の場で

進めることができる。

 

だから、会議の質をよくすることは

とてもだいじなことなのである。

 

効果的で、その結果成果がある

したがって、高業績を達成する

会議の条件は3つある。

よく、お聴きねがいたい。

 

イチ 資料の解像度が高い

ニイ フラットで自由な発言による討議

サン 結論へ導くファシリテーション技術

 

そして、頭に叩き込んでほしいことは

資料の解像度が

ニイとサンの前提となるということだ。

 

わたしは、会議に出ることが多い。

そのなかで、会議の様子を

観察させていただいて、

物思いにふける、かなりの理由が

数字の見せ方の工夫なのである。

 

世の経営者、幹部諸氏、

これらは、小生の

『時を告げる鐘』のつもりなのだが?

まあ、割れ鐘かもしれないが、

わが意を得たり、

あるいは「ハッ!」と

思っていただけたら

大変にうれしい。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。


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