御堂筋税理士法人創業者ブログ

クリステンセンといえば

イノベーションの分野における

最高の思想家の一人である。

実業・行政・学問の

さまざまな分野で

多彩な経歴を誇り

世界の思考家トップ50で

3年連続No1に選出された

俊英であるが、

その人柄の誠実さにも

好感の持てる方である。

その彼が、

ハーバード・ビジネス・スクールで

行なった最終講義を

まとめたものが

『イノベーション・オブ・ライフ』

という本である。

本ははじめから

私たちのこころを

わしづかみにするが

特に、心に響いたのは

戦略プロセスの根幹をなすのは

資源配分のしかたである!

というくだりである。

例によって訳文から

抜粋してご紹介しよう。

「戦略プロセスの根幹をなすのは、

何といっても資源配分だ。

(つまり何に時間と金を

使っているかということである)

資源配分プロセスでは、

どの意図的、創発的計画

(計画したもの、

試行錯誤で進めていくもの)

に資金が与えられて

実行に移されるか、

どの計画が資源を絶たれるかが決まる。

企業内の戦略に関わるどんなことも

資源配分段階に到達するまでは、

単なる意向でしかない。

企業の掲げる

すべての理念、計画、機会が、

またすべての脅威や問題が、

優先的な扱いを求め、

企業が実行に移す

実際の戦略になろうとして

お互いに競い合っているのだ。」

次にアップルのジョブズの例が

挙げられる。

「ジョブズは1997年に

CEOに復帰すると、

迷走の根本原因だった

資源配分問題の解決に

ただちに取りかかった。

社員がそれぞれ勝手な

優先事項に取り組むことを許さず、

アップルをそのルーツに引き戻した。

世界最高の製品をつくり、

暮らしにおける技術のあり方を

根本的に変え、

すばらしいユーザー体験を

提供することだ。

これに合わないことは

すべて中止された。

従わない社員は

罵倒され、侮辱され、あるいは解雇された。

やがて社員は、自分の資源を

アップルの優先事項に合わせて

配分しなければ、

まずいことになると気づき始めた。

アップルがやると言ったことを

実現できるようになった理由、

世界で最も成功している企業の

一角に返り咲いた

何よりも大きな理由は、

ジョブズの優先事項を、

社員全員が深く理解するように

なったことである。」

「企業の戦略を理解するには、

その企業がやると

言っていることではなく、

実際にやっていることに目を向けろ」

(インテルのアンディ・グローブ)

「小切手帳の控えを見れば、

わたしたちの価値観がおのずとわかる」

(グロリア・スタイネム)

「わたしたちが

自分の戦略に対して行う投資

-それが積もり積もって

人生になる-は

こう考えるとわかりやすい…」

以下、私たちの生き方を

企業の戦略ともなぞらえて

実にわかりやすく

若き英才たちに

人生のあり方を示唆してくれるのだ。

しかし、私たちにとっての

大きな果実は

それだけにとどまらない。

その果実とは

実に、経営計画の策定において

資源配分の問題を検討する重要性と

実行管理において

資源配分状況を

しっかりとフォローし管理することの

重要性こそが大事だということに

気づかされる点である。

わたし自身としても

お客様との取り組みにおいて

この視点を強化することが

新たな課題として浮かび上がった。

ほんとうに

胸にささる指摘である。

まれにみる

良書といえるだろう。

おすすめである。

経営コンサルティングと会計事務所の融合

組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人

税理士コンサルタント 小笠原 でした。


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