ファィヨールに見る経営的会議の意義
2019.12.29
読書と修養
昨日に続いて、
ファィヨールの管理理論の紹介である。
昨日お約束したとおり、
彼が経営的会議の意義をどう捉えていたかの
興味ある記述をご紹介しておきたい。
なぜなら、それは
まったくそのとおりだと
思わせるからである。
□ 従業員にやる気を起こさせ、
その義務の達成を容易にさせる
最良の方法の一つは部長会議である。
(ファィヨールは、経営的会議を
部長会議と称している。)
□ 部長会議の目的とするところは、
企業の運営についての
指導方針を周知させ、
各部がそれぞれの部門でなすべき
協力関係を明確にし、
部長の出席の機会を利用して
利害の共通する諸問題を
解決することである。
(会議の目的を
方針の徹底と問題解決
だとしている。)
□ 各会議の議事録が作成されて、
次の会議の冒頭に読みあげられる。
この議事録は、通常は部長のほか
に出席せる書記役によって作成される。
(ここはうれしい。
小職が実践していることと
まったく同じだからだ。)
□ これらの能力の結合のおかげで、
社長は各種の問題の検討に、
ほかの方法では得られないほどの
広範さと正確さと迅速さを
与えうるのである。
比較的短い時間 - 一時間そこそこで-
社長は事業の一般的進行状況について
情報を得るのである。
(組織論でいう
コミュニケーションの
効果性である。)
また、社長は、種々の部が
ともに利害関係をもつ決定をして、
それぞれ異なる部が
互いに助け合う協力関係を
明確にすることができる。
□ 各部長たちは、
自分のなすべきことを知り、
一週間後には
その間に行なったことを
報告に来ることを考えながら
別れるのである。
(小職の理解では、
ドラッカーは、
会議を必要悪として
捉えている節があるが、
ファィヨールは
積極的意義を見出している。)
□ 社長もまた一般に
この貴重な手段について
大きな注意を払っている。
社長は会議で取り扱われる
諸問題をあらかじめ注意しながら
会議の準備をし、
そして会議録の作成にも注意を払う。
(アジェンダの作成への
トップの意図の盛り込みと
議事録記載という公式記録の
重要性の十分なる認識である。)
社長はつねに
議論が礼儀正しく行われ、
また全員にとって
興味あるものであるように、
必要な努力をするのである。
□ 運営のうまい会議は常に有用である。
それには多少の才能が必要であり、
その才能がなければ、
会議は活気なく、退屈そのものとなり、
成果を生まないものとなる。
なお、他の事情が等しければ、
会議を有利に利用することを
知っている社長は、
これを知らない社長よりは
はるかに優れたものである。
(アンリ・ファィヨール著
『産業ならびに一般の管理』より)
いかがだろうか。
至極当然な意見だと思うのである。
経営コンサルティングと
会計事務所の融合
組織デザイン研究所&
御堂筋税理士法人
小笠原 でした。