ベンチマークのアテンド
2022.12.07
お客様の支援
昨日、私のお客様のA社の社長、専務(ご兄弟)を、別のお客様であるB社の社長に引き合わせた。目的は、B社長のお話を伺うことであった。
というのも、A社とB社は同じ業界にあり、A社の抱えている課題は、すでにB社が取り組んできたことだったからである。
B社の社長は64歳、A社の社長は44歳と20歳の年の差がある。B社長にとっては、A社の御兄弟の状況はよく理解でき、的確なアドバイスができるはずである。
私がB社に関わらせていただいたのは今から24年前、B社長が社長になられるときであった。またA社の社長・専務とはあるメーカーの後継者育成塾で知り合い、爾来15年間ご指導申し上げてきた。そして今年の初めに社長と専務に就任された。A社の現在の業容は、ちょうどB社に関わらせていただいたときの規模であり、またA社の抱えている課題は、B社が克服してきた来し方である。
その課題というのは、ひとつは受注や発注、在庫の把握のあり方と情報システム化についてであり、もう一つは工事分野や下流への業容拡大、M&Aのしかたやそのコツについてであった。
B社の社長はその思考力、推進力において秀でた方であり、A社の社長、専務の質問に対し、その状況をうまく訊きだし、理路整然としかも簡潔に、最終的にはきっぱりと考え方とポイントを述べていただいた。
A社の社長・専務にとっては、目からうろこ、腹にストンと落ちるアドバイスであった。私もあらためて両者の現状や認識を確認することができ、とてもよかったと思っている。
その場には、かつて仕入先である大手メーカーにおられた営業企画の部長も同席いただいた。そこで現場の声を集約した図表やコックピットを作るにあたっての月次決算や営業情報の集約のしかたの図表など、すばらしい問題の整理や見える化の見本をお見せいただき、あらためて専門人材の価値を確認させていただいたしだいである。
やはり社長や幹部にとっては漠然と判っていても、定かには分かっていないことを、整理し見える化することは、解決の取り組みへの大きなエネルギーとなるからである。こうした知的作業は、まずは現状を調べることと相俟って、すばらしい成果を生み出すものであることを最近も思い知らされた。
私からは、情報システムで解決しようとする範囲を欲張らずに限定すること、その時期を少し後ろにずらすこと、なにより専門人材を入れることを強く提言させていただいた。おそらく現状関わっているソフト会社も難儀に感じているに相違ない。
併せて、これはそこそこの規模(50~100人程度の社員数)のどのような私のお客様であっても、なべて放置しているマネジメントの不在の問題を再提起させていただいた。
業務、経理、営業統括などの責任者の不在を埋めること、その目的は各分野のマネジメントのしくみを輸入すること、そのためには経験豊かな大企業出身のシニア人材を、自らの縁を伝って入ってもらうことである。もちろんそのために私もあらゆるネットワークを使ってあたる。
A社の社長・専務には、次回お伺いするときに、お二人の感じ方これからの取り組み方を聞かしてもらうように宿題を課した。
そのあとは、近くの料理屋で一献傾けながら、忌憚のない会話を楽しんだ。B社の社長にとっては懐旧の思いを、A社の御兄弟にとっては将来の思いを馳せたのではなかったろうか。楽しいお話にずいぶんと酔ってしまった。
こういう取り組みは時に重要であるとあらためて感じたいしだいである。