御堂筋税理士法人創業者ブログ

とても成功している自動車工場で

工場長は仕事上の責任について

訊ねられ、次のように返答した。

「私の仕事は、この企業が、

世界最高の車を造り、

販売するのを支えるために、

この工場を経営することです。」

傍らにいた製造ラインの責任者に、

おなじ質問を投げかけたら

次のように答えが返ってきた。

「私の仕事は、この企業が、

世界最高の車を造り、

販売するのを支えるために、

この製造ラインを

操業・管理することです。」

次に、その工場の清掃員に

自分の仕事上の責務を訊ねた。

彼は、先の2人のインタビューの

現場にいたわけではなかったが、

こう答えた。

「僕の仕事は、この会社が、

世界最高の車を造り、

販売するのを支えるために、

この工場を

いつもぴかぴかにすることです。」

この3人のなかで、

企業の持続的競争優位の

源泉となり得るのはだれだろうか。

もちろん、

工場長や製造ラインのマネジャーは、

企業が世界最高の製品を

製造し、販売することに対し、

彼らの仕事がいかに資するかを念頭に

自分の責務を定義する義務がある。

だが、おそらく世界中の

どの工場の経営幹部に訊いてみても

ほぼおなじ答えが返ってくるだろう。

言いかえれば、彼ら2人の答えは

たしかに価値はあるものの、

希少ではない可能性が強いので、

競争優位をもたらすとは考えにくい。

だが、自分の仕事を、

単に職場を清掃することではなく、

会社が世界最高の車を作って売る

ことを助けるためだと定義した

その清掃員は、

とても、稀有な存在である。

この従業員は、希少であるがゆえに

競争優位の源泉となる可能性がある。

自分の仕事を

単に機能的な意味ではなく

競争上の概念で定義した

この一清掃員が生み出す価値など

取るに足らないものかもしれない。

だが考えてみてほしい。

もし、この工場の上から下まで

すべての従業員が、

自分の仕事をこの清掃員のように

定義したとしたらどうだろうか。

組織全体として生み出される価値は

とてつもなく大きくなるにちがいない。

従業員が自分の仕事を

このように定義する状況を生みだす

組織文化や伝統は、

おそらく他企業にとって

極めてまねしにくい

(模倣コストが相当大きい)

と思われる。

したがって、仕事に対する

このような定義のしかたが

その企業に広く伝搬している場合

それは価値があり、希少で、

まねしにくいと考えられ、

よって持続的競争優位の

源泉となり得る。

かくして、競争優位の源泉とは

単に経営幹部の手にのみ

委ねるにはあまりに

重要すぎる存在である。

もちろんこの場合

その企業がこの特別な経営資源を

最大限に活用するように

組織されていることを前提とする。

組織全体を通じて全従業員の間に

価値あり希少でまねしにくい

経営資源や能力を、

自らの責務を果たすうえで

開発したり、活用したりする

権限がどこまで委譲され、

動機づけられているかによって

得られる持続的競争優位の

レベルも決まる。

従業員への権限移譲、
組織文化、チームワークは
重要というだけでなく、
持続的な競争優位の
源泉にもなり得るものである。

企業が、価値あり希少で
まねしにくい経営資源を
フルに活用しようと努力する場合には、

それを支援するような組織構造、
コントロール・システム、
そして報酬制度が
絶対に必要だということである。

もし、その経営資源と企業組織との間に
矛盾や衝突が生じる場合は、
組織を変えなければならない。

いま読みおわったビジネス書

『企業戦略論

-競争優位の構築と持続・上』

(ジェイ・B・バーニー)

という本の一節である。

心に刺さった。

ドラッカーは、企業経営では

リーダーシップのある存在たれと示し

小企業では、戦略とは

ニッチOnly1となることを示した。

さらに、多くの戦略内容を提示した。

その提示した戦略を

戦略とは競争戦略であり、

それは、業界でユニークな存在に

なることだとしたのは

ポーターである。

業界構造と5つの競争要因

バリューチェーンという

卓抜なフレームワークを提示し

戦略とは、業界という

企業の外部要因に対し

持続的競争優位を生みだすべく

じょうずに位置取りすることだとした。

この本の著者

ジェイ・B・バーニーは

話しが戦略に至ったとき

経営者が具体的に

どのような方策を

取ればよいのか

その一般解法を求めた。

そして、さまざまな

先人の創った

フレームワークを活用して

価値あり希少でまねしにくい

経営資源と能力を

組織が活かせることが

持続的競争優位の条件だとした。

懇切で明快な議論である。

この先、中・下巻へと

戦略の個別論が深まるはずだ。

戦略の成功要因が

外部要因か内部資源であるのか

議論は尽きないが

われわれはちがう見方を

学べてとても勉強になるし

頭の整理にもなる。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

税理士コンサルタント 小笠原でした。


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