御堂筋税理士法人創業者ブログ

世に戦争論という分野がある。
その横綱格は
東、孫子の「兵法」
西、クラウゼヴィッツの「戦争論」
だと言われる。

私自身、孫子は読んだが
まだピンと来ておらず、
クラウゼヴィッツときたら
本は持っているが
まともに読んでいない。

というのも、自分が
単細胞な頭の持ち主で
政治的、老獪な思考が
得意でないからだと
自己分析している。

しかし、それも少し
やり残している感がある。

なぜなら、ビジネスは、
戦争になぞらわれることがあり、
戦争論は
ビジネスのあり方に、
ヒントを与えるところがあると
いえそうで、
やはりキョウヨウとして
一応理解しておくことは
必要だと感じるからだ。

ということで
苦手ともいっていられない。

そうした折
たまたま目に留まったのが
米陸軍戦略大学校テキスト
『孫子とクラウゼヴィッツ』
(マイケル・I・ハンデル著)
である。

さらっと読んで
少しだけ考えを前に進めた。

戦争論をビジネスに応用できる
分野は何なのだろうか?

まず戦略の分野が考えられる。
だって戦略とは元々軍事用語だからだ。

それと営業の分野が考えられる。
それはある種、戦闘だからだ。

またそれらとは異なる
リーダーの心がまえ
といった点では
とてもピンと来ることが
多いだろう。

さらに情報戦、心理作戦の活用
という面もあろう。

他にも、訓練とか
ロジスティックス、情報とか
考えられるが置いておこう。

戦争の局面は
大局から局所まで
戦略→作戦→戦術→戦闘
と展開される。

結論からいうと
戦略とは、詭計で、
戦闘とは、優位だ
と思った。

孫子の兵法は
戦略的な視点が色濃く
したがって、詭計的、合理的である。

クラウゼヴィッツ
(この後はCLと書く)は
戦闘的な視点が色濃く
そこでは、
王道的、天才アート的である。

本を読んで気のついたことを
いくつか挙げてみよう。

戦争で考えることの内容は
・準備…砲術・築城・編成・訓練
・戦闘…戦闘・行進・野営・舎営
・補給 だという。

なるほど、もれがない。
スポーツでもそうだが、
こうした準備、訓練の大切さ
いざ実戦となった折に
準備と訓練を生かせるか?
など、日ごろの人材訓練で
腑に落とすところが多い。

戦争は、短期戦がいちばんで
そのために、
孫子は、最小犠牲で最大効果
CLは、初戦撃破を説く。

「故に、兵は拙速を聞くも、
 未だ巧みの久しきをみざるなり」

(完全勝利を求めて
 戦争を長期化させ、
 結果がよかった例を、
 いまだかつて見たことがない)

「ナポレオンは出陣にあたって、
 ほとんどいつでも、
 敵を最初の会戦で
 直ちに撃破しようと考えていた」

孫子が、
戦略面の詭計を
重要視するのはおもしろい。

ある種、天才的直観だが
それは『ニッチOnly1』の分野を
見出すことだ。

そして、いかに
自分が優位に立てるように
戦場を設定し、
圧倒的活動量を確保して

勝つかである。

一方、
CLが物量的な圧倒優位により
定石、王道を説くのは
『ランチェスター戦略』に通じる。

しかしその両者に
共通する根本的な勝利の原則は
ナンバー1の分野を見つけ
そこで勝利するということではないか。

いずれにも通じる原則は

圧倒的シェアを握るという
話に通じる。

「最良の戦略は、
 常に強大な戦力を
 保持することであり、

 まず一般的な優勢を獲得し、
 それが不可能な場合でも
 決定的な地点における優勢を
 獲得しなければならない。

 …彼の保有する戦力を
 集中させておくということ以上に
 重要で単純な

戦力上の原則はない。」

ところで、孫子が今も
世の東西を問わず
愛読されるのは、
そこに、箴言が
ちりばめられているからだろう。

(孫子の存在を西洋が知り
 その価値をまじめに
 受けとめるようになったのは
 20世紀に入ってからだ)

箴言とは、
「ほんま、そのとおりやなあ」
と感じるようなことばである。

「之を往く所無きに投ずれば、
 死すとも且つ北(に)げず。
 死せばいずくんぞ得ざらんや、
 士人、力を尽くす。

 兵士、甚だしく陥れば
 すなわち懼れず。
 往く所無ければすなわち固く、
 深く入ればすなわち拘し、
 已むを得ざればすなわち戦う。」

えげつないが、だがつまり
兵士を死地に追いこめば、
無双の力を発揮させられる
というわけである。

ときには、
幹部、社員をそのような
状況に放り込むことは
成長と死地回復のためには
必要かもしれない。

さて、情報について
少し見ておこう。

インテリジェンス・情報は
 『孫子』の主張が
 今日の軍事専門家に対して
 適切な示唆を与え得る
 もう一つの分野である。(著者)

「故に、ただ名君賢将の、
 能く上智を以て間と為す者のみ、
 必ず大功を成す。
 此れ、兵の要にして、
 三軍の恃みて動く所なり。」

間とは、間諜つまりスパイのことだ。
孫子は、開戦以前において
勝利を確保するための
根回しを重要視する。

また、指揮官は、
計画や企図を誰とも話さず、
心の内奥に深く秘めることで、
それにアクセスすることを
防止することができる。
(私のようなおしゃべりには
むずかしいことだが)

良質な情報、インテリジェンスは、
より良い計画のベースとなり、
戦場における事態を
コントロールできる可能性を高め、
所定の計画を遂行せしめ、
勝利に寄与することになるとする。
(著者)

また廟算、敵とわが軍の
兵力の比較分析の重要性を
指摘しておる。

このようにして、
兵法最大の箴言に至る。

「故に曰く

 彼を知り己を知らば、
 百戦殆うからず。」 

最後に、
指揮官の性質について
いくつか拾い上げてみよう。

孫子は、
「夫れ、将は国の輔(たす)けなり、
 輔、周なれば、
 すなわち国は必ず強く、
 輔、隙あらば、すなわち国必ず弱し」
説明不要ですね。

「将、能にして、
 君、御せざる者は勝つ」

つまり、社長は
部長などにまかせたこと、
まかせざるをえないことには
ちゃちゃは入れては
いけないということである。

「故に、将に五危あり
 必死は殺す可し 
 必生は慮とす可し
 忿速は侮る可し
 廉潔は辱しむ可し
 愛民は煩わす可し
 凡そ、此の五者は、
 将の過ちなり。用兵の災いなり」

(向こう見ずで、
 退くことを知らない
 将軍と殺される。
 

 優柔不断で破滅する。

 臆病で進むことを知ら
 捕虜とされる。

 怒りやすく逆上しやすい者は
 敵の挑発に乗りやすく、
 主導権を失う。

 

 体面を気にし
 かつ名誉欲が強い将軍は、
 中傷に傷つき、
 任務を忘れやすい。

 鬼手仏心の大事を理解できず、
 小を殺して大を生かせないと、
 ないと優柔不断となる。)

「将とは、智、信、仁、勇、厳なり」
と語り、

「理を雑えて、務、
 信(の)ぶ可きなり。
 害を雑えて、
 患、解く可きなり」

(有利な要素を考慮に入れるから、
 彼はその企図を実現することが 
 可能となるのであり、
 不利な要素を考慮に入れるから、
 困難を打開〈解決〉できるのである。)

「将軍の事は、
 静にして以て幽、
 正にして以て治」

(どっしりと落ち着いて、
 測り知れない智慧を蔵し、
 公明正大で偏見のない判断力をもち、
 よく自制を制御しうる者
 でなければならない)
とした。

CLは、
クードゥイユつまり、精神的瞥見
=直観的把握力
=軍事的天才
を大切にした。

「故に、進みて名を求めず、
 退けて罪を避けず、
 唯だ民を是れ保ちて、
 利を主に合わせる者は、
 国の宝なり」

けだし、至言である。

このように、
なすべきことをなし、
自らは名誉すら求めない
とすれば国の宝である。

まるで
名画のラストシーンの
ようではないか。

もう少し時間をかけて
さらに、このテーマ
探求してみたいなあ。

経営コンサルティングと会計事務所の融合
組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人
税理士コンサルタント 小笠原 でした。


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