御堂筋税理士法人創業者ブログ

 小笠原です。年末ですね。加えて弊社は12月決算です。そこで、あわただしい中、わたしが担当しているコックピット経営コンサルティングの来年度の人材育成方針を立てました。

 来年は、弊社社長の肝入りで、経営コンサルティングを商品化し、精力的に展開していこうということになっています。そういうことで、もし導入されるお会社が増えたら、たちまち課題となるのはコンサルタント人材の不足です。

 ということで、いかに効果的に人材を育成するかがカギとなってきます。幸い、来年早々に2~3名の有為な人材が来るようですので、彼らも当てにして育成の方針とプログラム、そしてスケジュールを考えたというしだいです。

 まず、基本となる方針を考えてみました。
(1) 2年間で、必要と見込まれる需要を滿たすコンサルタントを育成する
(2) 大人の教育は体験による学習であり、それは状況に埋め込まれた学習(apparenticeship)である。
(3) OJT70%、OffJT30%+読書と修養
(4) そのために小笠原は力を注ぐ

(1)は状況が求める要件です。それを基に育成の内容を考えなければなりません。(2)は大人の教育で学んだ大原則です。状況に埋め込まれた学習とは、実践から学ぶということ、apparenticeshipとは、いわば徒弟制ということです。(3)はクーンツの概念です。(4)は小生の覚悟ですね。小生は職人気質で、元来、養育的精神はあまり持ち合わせてはいませんが、そうは言っていられません。そこは、大人としての役割意識でカバーしましょう。

 次に、 育成の進め方です。
(1) 入社時の自己のキャリア開発シートの作成とプレゼン
(2) 目標管理シート作成
(3) 育成の実施と習得管理シート記入
(4) 月々のone on oneによるふり返りとPDCAサイクル

 まず、今いる諸君や新たに合流してくれる皆さんは、ずぶの素人ではありません。そこで、やみくもにこちらから教えるのではなく、彼らのキャリアや得意なこと、課題だと思っていることを考えてもらい、教えてもらおうと、ふと思い当たったのです。まず、そこからスタートして、個々の目標設定や重点を置く訓練課題を共有すればよいと思います。

 そして、自分自身の目標と取組み内容、スケジュールを立ててもらい、それに沿って課題取り組み、自己啓発を進めてもらい、わたしがOJT、訓練、面談をしつつ、トレーニングしていくわけです。

  さて、わたしがしている、弊社の経営コンサルティング・サービス、題して“コックピット経営コンサルティング”は、
 メインラインは、戦略計画策定 → 数字による経営の見える化(経営のコックピットづくり) → 創造的な会議の創始 → メンバーのマネジメントスキルの教育 により、その業界の黒字企業平均の倍の売上高利益率を叩きだす高業績企業創りをめざすものです。

 そして、付加サービスとして、月次決算の早期化・正確化、財務改善、内部管理強化、人事制度の整備、組織風土の開発、情報システムの整備、マーケティングと営業開発、生産管理制度・原価計算制度の整備、業務改善などがそのスコープとして考えられます。

 もちろん、これらを一コンサルタントとして、すべて網羅するのではなく(またとてもできるものではありませんが)、自らの得意とする分野、興味のある分野を選び、問題解決能力を身につけていけばよいでしょう。

 そして、いよいよ 能力を習得するしかたです。なお、それぞれの能力要件は別紙にまとめたものがあります。

 まず、第一は同行訪問です。体験学習≒徒弟制の神髄ですね。ほぼ完成されているお客様の同行、ここでは会議での検討内容の観察、議事録の作成、ファシリテートなどを通じて学びます。これから立ち上げていくお客様の同行では、戦略計画の策定やコックピットの設計のファシリテートを学びます。

 さらに経営者や後継者の個人コーチを行なっている場合には、セッションに立ち会って、小生のコーチングやソリューションの進め方、内容を学んでいきます。

 もちろん、これらを行なう前後での、Q&Aもとても大事です。

 第二は、チーム運営における 経営コンサルチームのミーティングでの話し合いです。ここでチームの活動レベルで関わり、あれこれとものを考えていきます。

 第三は、経営計画策定セミナーなど、小集団的実践セミナーでの、補助的立場による参画体験です。個別のコンサルティングほど濃密ではありませんが、複数の企業の取組みをいちどきに体験できるため、得るものも多いと思われます。

 第四は、小笠原のさまざまな思想ノウハウの吸収です。これらには次のような機会があります。

① 小笠原のセミナーの受講(公開・ビデオ・社内開催)
 戦略計画、資料作り、会議のしかた、幹部の数字、経理部長、ドラッカー流マネジメント、個別マネジメントスキル …このために、来期前半は、録画習得を進めていきます。

② MDSJセミナー受講
 弊社が毎年している御堂筋流経営セミナー(ほぼ無料)の聴講です。

③ SAT受講
 SATとは、社内のトレーニングプログラムの名称です。入社2年目までの人は、小笠原の授業に出てもらい、弊社の考え方、数字を扱うセミナー(17講)、社長と話のできる担当者になる、といったすでに開発したプログラムを受講してもらいます。

④ 社内価値観講座
 弊社の独特の、基本となる考え方の講座です。これは香取など弊社の幹部が講師をつとめ、イズムを学んでいきます。

⑤ 外部セミナー同行
 小笠原がさせていただいている、銀行さんなどのお客様向けのシリーズ物のセミナーに同行し、助手をしてもらうものです。経営者や後継者の方々との交流により学びになるでしょう。

 極めつけは、CCC(コックピット・コンサルタント・カレッジ)の開催と受講です。来年4月から2年制で、コンサルタント養成大学を開催しようと思っています。これには、全国の会計事務所の税理士さんやスタッフなど外部の方々も受講していただこうと思っております。したがって、基本有料のプログラムです。なんといってもお金を払わないと身につきませんからね。

 弊社のメンバーの諸君は出世払いということになっております。外部者との交流も兼ねて、お互いに刺激しあうことを期待しております。

 あとは、社内外の研修の受講があります。当座、次のものを受けてもらいます。まず、コーチング・ファシリテーション研修で、これはコンサルタントスキルの基本でしょう。次に、コトハナセミナーで、人前で話す練習です。3つ目は、 創造経営教室で、価値観学習の重要な研修です。4つ目は本山塾で、コンサルタントの実践スキル教育です。

 最後に、読書です。初学者や税理士試験受験組などは、まずは月2冊です。そして月5冊を知識の仕入れにあてなければなりません。そのためにCCCの場と、別に読書会を開いて、おおむね200冊特定している上質だと小生が思っている課題図書の中から、優先順位の高いものをチョイスして、解説をしていきます。残りは課題図書リストより自分で必要なもの、興味のあるものを選んで自己学習を進めてもらえばよいでしょう。

 いかがでしょうか?ほんとうにこれだけのものを進めていけるのでしょうか?しかし、こうした訓練を受けることができるなんて恵まれた環境だと思うのです。有給の公費留学生?みたいなものですねえ。まあ古来、専門職業人というのはこのような訓練を通じて作られたきたのではないでしょうか。

 さて、このための小職の投下時間は、ざっと月30時間と見積もっています。今年かぎりで非常勤となる小職には、けっこうなウェイトですが、お世話になった組織への最後のご奉公かもしれません。そしてなによりも、人に教えることでいちばん得をするのは、教育者本人であることを考えると、それはすばらしいことだと思っています。

会計事務所と経営コンサルティングの融合

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所

小笠原 でした。

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