御堂筋税理士法人創業者ブログ

「『賢者は歴史に学び、

 愚者は経験に学ぶ』

という格言があるそうだが、

私の考えでは、

賢者の側にいたければ

この両方ともが不可欠である。

「歴史」、書物と言い換えてもよいが、

これを学ぶ利点は、

自分一人ならば

一生かかっても不可能な

古今東西の多くの人々の

思索と経験までも

追体験できるところにある。

一方、自身の『経験』は、

追体験で得た知識を

実際にどう活かすか、

または活かせないか、

を教えてくれる役に立つ」

(塩野七生著、『ローマ人の物語29より)

ちなみにこの格言は

プロイセンの名宰相

ビスマルクの言葉とされている。

ここでは

歴史=書物に学び

それを経験で確認することの

大切さが書かれている。

当たり前だけで

できてへん部類の話だろう。

森信三先生も『修身教授録』の中で

「われわれの人間生活は、

その半ばはこれを読書に費やし、

他の半分は、

かくして知り得たところを実践して、

それを現実の上に実現していくことだ

とも言えましょう」

と述べられている。(第9講 読書)

そこで歴史となるわけです。

歴史の本???

あった、あった、

15年ほど前に買うて

本棚でほこりをかぶっていた本があった。

20世紀最高の歴史学者とも

評される

アーノルド・トインビーの

『歴史の研究』である。

歴史の研究 1/社会思想社
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トインビー先生は

私が高校生のころ

まだご存命で、日本にも

ゆかりの深かった碩学である。

思い切ってページを開いた。

なにしろ縮刷版で

1、2、3巻で1,500ページ

飛び込むには勇気と覚悟が要る。

原著は25巻におよぶそうだ。

トインビーは

人類の文明に着目して

世界中の文明を比べながら

その類似性に気づき

生成発展存亡変遷再生を

易経の陰と陽のコンセプトになぞらえて

壮大な話を展開する。

西欧中心の歴史観でないところがみそだ。

そして、文明の大きな流れを

・未開社会

・初代文明

・第二代文明

・世界教会

・第三代文明

と位置付けている。

そもそも文明は

ある民族が困難に遭遇して

起こり、発展するとのことである。

その珠玉のことばの中に

われわれが経営において

十分に座右におくべき

定言がちりばめられている。

「文明が、いちじるしく

容易な環境ではなくて、

いちじるしく困難な環境において

発生するものである」

「困難な地域、新しい土地

打撃、圧力、迫害という

5つのタイプの刺激によって

呼び起こされる応戦である」

「たとえそれが何であろうと、

ある一つの成功が達成されると、

そこから、さらに大きな努力を

必要とするような何ものかが

生じてくるということが、

事物の本質の中に

そなわっている」

ほんとうにそうやなあ

と実感する。

そして挑戦に一応成功していくと

「個人もしくは文明が成長し、

かつ成長し続けるかぎり、

外的な勢力によって与えられ、

外的な領域における

応戦を要求する挑戦を

考慮におく必要は

しだいに減少してゆき、

内的領域において、

みずからがみずからに対して

加える挑戦を考慮におく必要が

ますます増大していく」

「成長とは

成長する個人もしくは文明が、

しだいにみずからの環境、

みずからの挑戦者、

みずからの行動領域に

なっていくことを意味する。

言いかえれば、

成長の基準は

自己決定の方向への進歩である。」

会社もおんなじだ。

一定の成功をおさめていくと

問題は内部に出てくるのだ。

人間社会とは、会社もそうだが

人と人との関係から生み出され

それは個々の個人の行動の場が

合致することから生まれる。

そこで、当然だが、

飛躍と前進のみなもとは

常にだれかある個人である。

リーダーが生まれ

彼はその仲間を

彼自身に似たものに

造り直すことによって

創造の協力者に変えたい

という衝動に駆られる。」

「(リーダーとメンバーの)

この問題を解決するためには

二重の努力、すなわち

何人かの人間の

新たな発見をする努力と、

残りの人間全部の、

それを取入れ、

自分をそれに適応させる

努力が必要である。

このような率先の行為と

随順の態度とが、

ある社会のうちに

同時に見いだされるやいなや、

その社会は文明と呼ぶことができる。」

「どうすればメンバーが、

リーダーの指導に従うように

することができるかという問題には

一つは実際的な、もう一つは理想的な

二つの解決法があるように思われる。

(リーダー、メンバーということばは

私が勝手に置き換えたもの)

一つは訓練による方法であり…

他は神秘主義による方法である。

…第一の方法は、

非人格的な習慣から成り立っている

道徳的修正を強制的に教え込む。

第二の方法は、

他の人格を模倣し、

さらにそれと精神的に合一し、

多かれ少なかれ

それと同一のものになりたい

という気持ちを起こさせる。」

「魂から魂へ、

直接、創造力を燃え立たせて

ゆくことが、理想的な方法

であるに相違ないが、

それだけにたよるというのは

実行不可能な理想談である。

非創造的な大衆に

創造的少数者と

同一行動を取らせるという問題は、

純然たる“ミメシス”の能力…」

ミメシスとは、

ギリシャ語で「まねをする」ことである。

キーワードは、ミメーシスだ。

忘れていた古代の遺跡

みたいな言葉だったが・・・。

そうだ!

人は他人のまねをして

学び、進化し、ともによくなれる。

当たり前のことだが

あらためて脳みそに点灯!した。

むかしから、「学ぶはまねる」

といわれていたではないか。

だがこれが大事だと思う。

これを読むと

やはり強い組織、

高業績企業にする

根本的取組みの一つは

訓練と思想教育だと確信する。

そして話は、文明の衰退に移る。

「文明の衰退の性質は、

少数者の創造的能力の喪失、

それに呼応する

多数者の側におけるミメシスの撤回、

その結果生じる

その社会全体の社会的統一の喪失

の三点に要約することができる。」

うわあ、あたま痛あ~

経営者の堕落が原因だと

宣告されているわけだ。

(うなだれる)

「社会(会社)の

可能な寿命には限界がない。

社会は、常に自殺するか、

他人に殺されるかして死ぬのであり、

しかも、ほとんど常に

自殺が原因で死ぬのである。」

つまり、組織は内から

崩壊していくわけである。

それは当たり前だが

経営者の不精進によるというわけだ。

歴史の話は

いよいよクライマックス

これからの文明に入っていく。

もう少しトインビー先生の

授業に出てきますわ。手2

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

税理士 小笠原 でした。


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