御堂筋税理士法人創業者ブログ

S社の売上の40%はB社向けである。
そのB社が身売りした!
理由は、後継者がその事業をしないからだ。

前々から、S社には
一社依存はリスクが高いから、分散する努力が必要だ
とはアドバイスしていた。

だが、こういう状況で、
危機感をもって新規開発に取り組むのは至難のわざだ。
なぜなら、実感がないからだ。
努力をしないと、ますます依存度が上がる。

S社に激震が走った!
・・・はずだ。
少なくとも経営者には。

ところが・・・
営業にその危機感がなかった。
ように思える。
大丈夫だろうというのである。
かなり重症である。

過日、社外のファシリテーターを迎えて
話し合いをしてやっと危機感に目覚めたらしい。

わたしがお伺いしたのは
その2週間後である。

午前中、減販対策を具体化しようと
話し合いを持った。

冒頭、私の経験談をお話した。
今回のM&A劇とほぼ同じケースを
買収側の参謀として一部始終に関わった件だ。

相当短い間に、
仕入先は切り替えた。
コストの見直しは当然だからだ。

これには皆さん、
真剣に聴き入られた。
身につまされたはずである。

そこで商品・市場マトリクスを使って
考えられた対策を整理していった。

―――――――――――――――――――――
             商品
       既存         新規
―――――――――――――――――――――  
   既 ①Xの販売先に → Yを拡販
   存 ②Yの販売先に → Xを拡販
顧                 ③Zの加工販売
客                 ④支援サービス
   新 ⑤M社、N社、O社  ⑥Wへの進出
   規
―――――――――――――――――――――

■対策⓪ B社の動向と想定シナリオづくり(担当Nさん)

 B社は現M社長続投
 買収会社の経営状況調査・・・TDB、TSR調査
 M社長のヒアリング・・・社長、Nさん
 ありうるシナリオ想定
 →値下げ、他地域進出時の転注、そのときの想定受け皿ライバル、分裂分社?
 悲観シナリオ、想定シナリオ、楽観シナリオがあるが
 想定シナリオは、仮に値下げとすると
 粗利益率は10%ダウン
 想定減少粗利益 350万円と出た。

さあ、これのリカバリー策である。

■①②のクロスセル策(X→Y、Y→Xの拡販)

 私の質問 どう実現状況をチェックするのか?
 活動のチェック 見積もり実績
 成果のチェック Yの拡販による売上と粗利益(担当Mさん、Nさん)
            Xの拡販による売上と粗利益(担当Yさん)
 期限12月
 増益効果    Yは185万円、Xは75万円
 チェックのタイミング 週次のミーティング

 管理方法
 スケジューリングし目標管理シート作成
 担当 (Mさん)

 値下げのインパクトを測り、市場の混乱を防ぐために
 早々に社長とのミーティング実施
 打ち出し価格決定
 X→社内単価見直し
 Y→メーカーへの打診
 私は、価格基準表を作成するようにアドバイスした。 

■③Zの加工販売
 実施政策→キャンペーン
 期限 12月
 担当 (Hさん、MKさん、Nさん、Yさん)
 増益効果 60万円

■④は既存売上に織り込み済みで増販ではないため予測に入れない。

■⑤新規開発
 M社 現状価格が合わないが、先方はしてほしそう
     増販効果 90万円
     期限11月
     担当(Yさん、MKさん)
 N社  B社とライバルで、行きにくい
     社長はGO!、Mさんは慎重で・・・継続訪問にとどめる
 O社 ライバルはH社で受注可能 
     増販効果 100万円
     期限1月
     担当(Nさん、Hさん)

以上が検討した内容である。

総増益の目論見額は
①=  75万円
②=185万円
③=  60万円
④=   ゼロ
⑤=190万円
合計増益目論見額 510万円

必要額350万円は、受注確率68%となる。
ダブっても、チョロっても、多少余裕はある。

責任者で慎重派のMさんから
「もっと行ける!」との声があがった。
いいぞ!
オーム返しを数回して
さっそく、ホワイトボードに書いておいた。

ミーティングの終わりにあたって
参加メンバーから、
このミーティングに参加しての今の気分をお聴きした。

・超慎重派のMKさん
 ・「分析ができた」
 ・「管理シートを使えば成果が出そうだ」
 ・「他にプラスする項目、得意先も足そう!」
・Hさん
 ・「具体的な数字が出て、チームでのやる気が出てきた」
・ふだん控えめなYさん
 ・「もやもやが晴れた!」
 ・「目標が出たので、みんなで共有できる!
   もっと数字は達成できると思う!」

 力強いお言葉だ。
・超やさしいNさん
 ・「B社が経ることなく増販したい」
 ・「攻めをするために、仕事の振り分けをし、
  時間管理と効率化を進めたい!」

・責任者Mさん
 ・「以前からB社の依存度が高いのは気になっていた」
 ・「現実になりそうだが、B社をできるかぎりひっぱって
   その間に分散化を図りたい」
 ・「今後は新規開発をくせづけたい」
 ・「今回はよい経験だ!」
 ・「皆で考えるのはとてもよいことだ!」

 大変ポジティブになられた!
・最後に社長
 ・「来期以降も、この部門の売り上げは目玉だ」
 ・「実行管理がだいじ、私も同行する!」
 ・「みんな頑張ってくれるのでありがたい」

濃密な半日であったが、
この場に、高いエネルギーを感じた。
ぜひ、しっかりスクラムを組んで、
実行していってほしいと願う。
かならずできるだろう。

コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。


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