御堂筋税理士法人創業者ブログ

 『世界一シンプルな経済学』(ヘンリー・ハズリット)という本を読んだ。半世紀も前の本だが、歯に衣着せぬ論調がおもしろかった。簡単にいえば硬直したケインジアン(経済への政府介入論者)批判である。しかし読んでいて小生の経済オンチぶりがいやになった。内容を体系的に理解できないからだ。

 そこでふと思い立った。経済学の勉強をし直そうと!(いったい何度目か(あーあ))そういえば10年ほど前、かなり真剣にマクロ経済学の本を読んで学んだことがある。その貴重な学びはワードできっちりとまとめたが、信じられないようなうかつなことでデータが消えてしまった。

 がんばったのになあ。しかしそうだとしても、当時、じゃ経済学をどこまで理解できたのかと問われれば、まあ100点満点の10点くらいやなあというのが正直なところである。

 ああ、またあの労力を掛けるのか? と思案に暮れたとき、ChatGPTで学んで見るかあ?と思い当たった。ということでさっそく思い立ったが吉日で、PCの前に座って彼を相手に問答を繰り返していった。お願いしたのは、文科系の算数に弱い経済オンチだから猫にもわかるような感じで教えてほしいということだった。

 まず思い込みでマクロ経済からお願いした。すると4つのモデルを提示してきた。それを一つひとつ説明してもらった。さらにモデルを現実経済にフィットさせるための新たな条件設定についてもあれこれと訊いた(モデルと新たな条件についてはめんどうだから割愛する)。

 一々猫でもわかるように解説しますねとうざい奴で、しかも懇切丁寧に単元ごとに猫に喩えてくれるのも多少うんざりするが、次から次へと、次の学びを提案してくれるのもうれしく、どんどんと学びが進んで行った。ふと気がつくと夕刻だ。

 近所で夕食を食べて、赤ワインを注ぎ込んだらいい気分、9時には寝てしまって、ふと夜中に目が覚めた。そして覚醒して考えた。
「そもそもマクロ経済学って、何を探究してそれは誰の何の役に立つのか?」
ーそうや、役人と日銀の社員やんなあ。そうか!そうなんや。小生にとっては大いなる洞察である。となると、我等、巷の庶民にとってなぜマクロ経済学を勉強するのかといえば、新聞やニュースを見ての世間談義で博学をひけらかすためのキョーヨーを身につけるためやんなあ。

 - それでさっぱり頭にはいらんのや。わしは役人でも日銀のエリート行員でもないからな。
 そや、商売人で消費者やから優先して学ぶべきはミクロ経済学なんや。学校を出てから半世紀やっとそれに気がついたのだった!

 なんでこんなことで、そもそも人生の大半の期間を浪費したのか?それはお仕着せの学びだったからだ!と思い当たった。教授の講義、本の読書、どちらも発信者の考えていること、言いたいことをこちとらただ受け身で理解しようと努力してきただけだ。

 そうではない、この私が知りたいことを訊くのがいいのではないか!そうオンデマンドなのである。AIには何の遠慮もなくそういうスタイルで訊いて学べる。途中でちょっとでもギモンを感じたら、恥ずかしげなく訊ける。おかげさまでほんの数時間で、半世紀以上の無知蒙昧の霧をすこし晴らし、魑魅魍魎を多少追い払えた。

 さて、いつもマクロ経済学で力尽き、一向に向き合えなかったミクロ経済学を一瞥すると、何のことはない。そこには日々向き合っている企業の経営の課題と生活者の選択のあり方が書かれていてそれはそれはわかりやすかった。さらにやっと行動経済学やゲームの理論の位置づけも腑に落ちた。

 さらに、ミクロ経済学→マクロ経済学の適用、統合のところも教えてもらって、日ごろ感じていることがすっきりと視界が広がった気分だ。

 気がつくとコピペしたわが経済学ノートはワード50ページ以上にも及んだ。しかも投下時間は5時間強である。すごい生産性革命ではないか?

 これは大いなる実験だと思った。とにかく人生は実験である。現代の人間は道具が便利になるにつれどんどんバカになっていくという意見もあるが、小生はそうは思わない。道具でさせることは道具にさせて、人間は人間しかできないことに力を注げばよいのである。それは思考と創造である。

 農業革命で人は定住し安心できるようになった。鉄器などの道具の発明で手や爪が開放された。馬や水車や風車で筋肉が開放されたがまだイモビリティだった。蒸気機関はそれをモバイル化した。そしてコンピュータ革命である。これで人の脳みそがずいぶん開放された。どんどんと開放されたらよいのである。そのうちに寿命が開放されるだろう。そのたびに倫理的問題が発生するがそれぞれそのときに直面した人がなんとかするだろう。

 そんなことをあれこれ感じながら、AIと対話していった。さて次は何を実験しようか?

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