御堂筋税理士法人創業者ブログ

このところ二宮尊徳翁のお話ばかりですが
一区切りがありますので、しばらくお付き合いください。

江戸時代末期の思想家で農村改革者の二宮尊徳翁ですが
小田原藩の大久保忠真公に見出され
さらには幕府に召し出されるわけです。

その思想は、子供のころからの苦労と発明(工夫のこと)をベースとして
その実践からの体感を基に
神道、儒教、仏教、詩歌などの思想や文芸を
独自の観点から説明しているのは
とても説得力のあるものだと思うのです。

森信三先生が、小学校の修身は
この一冊で足りるとされたのも頷けるのです。

左能よし(算数と仕事力)、右脳よし(至誠と人柄)、万全ですね。

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第五篇 無財から発財する勤倹の法則

・大きな事をしたいと思えば、小さな事を怠らず勤めるのがよい。
 ・・・百万石の米といっても粒が大きいわけではない。
 (このたとえ、思わず笑ってしまいました)
 小さな事をいい加減にする者は、大きな事は決してできぬものだ。

・金持で小道具を好む者は、大事をなしとげられぬものだ。
  貧乏人ではきもの・たびなどを飾る者は、立身はできぬものだ。
 (だんだん耳が痛くなってきます)

・世の中を穏やかに渡る術は、勤と倹と譲の三つに尽きる。

・譲とは、衣食住の三つを他に及ぼすことをいう。
 この譲にはいろいろある。
 今年の物を来年のためにたくわえるのも譲だ。
 それから子孫に譲るのと、親せき友人に譲るのと、
 郷里に譲るのと、国家に譲るのとがある。
 その身その身の分限によって、つとめて行なうべきだ。

・「飯と汁木綿着物は身を助く その余は我をせめるのみなり」
 (これができないから、つらいのだ)

・ぜいたくは不徳の源であり、滅亡のもとである。
 なぜかといえば、ぜいたくを求めるところから、
 利をむさぼる気分が増長して、慈善の心は薄らぐ。

 ・・・若い者は、酒を飲むのもたばこを吸うのも、
 月に四五度に限って、酒好き、煙草好きとならぬようにするがよい。
 (はい!わかりました・・・でも、まだ寛大でありがたいですね)

・まず、労力を譲る。
 ・・・私が若いころ、初めて家を持ったときに、
 一枚のくわが破損してしまった。
 隣の家に行ってくわを貸してくださいといったら、
 隣のじいさんは、今この畑を耕して菜をまこうとするところだ、
 まき終わらねば貸してやれないという。

 私は家に帰っても別にする仕事がないから、
 私がその畑を耕してあげましょうといって耕して、
 それから菜の種をお出しなさい、
 ついでにまいてあげましょうといって、
 耕した上にまいて、その上でくわを借りたことがある。

 そうしたら隣のじいさんは、
 くわにかぎらず何でもさしつかえの事があったら、
 遠慮なくいって下され、
 必ず用立てましょうといったことがあった。
 こんなふうにすれば、百事さしつかえのないものだ。
 (すごい、商売の極意だと思った!)

・来世の実が大切なのは無論だけれども、
 来世に良い実を結ぶためには、
 現世の草のとき・・・良い花をひらくように丹精しなければならない。
 だから草の現世こそ大切なのだ。
 人もそのとおりだ。

・現世を大切にして、過去を思わねばならぬ。
 まずこの身はどうして生まれ出たかと、
 あとを振り返ってみることだ。

 論語にも「生を知らざれば、いずくんぞ死を知らん。」とある。
 人の本性は、天の令命にある。
 身体は父母のたまものである。
 我というものは、
 もともと天地の令命と父母の丹精とでできたものだ。
 まずこの道理からつきとめて、
 天徳に報い、父母の恩に報いる行いを立てねばならぬ。

いかがだろうか?
これからいよいよ二宮先生の実践論と思想の真髄に迫っていきます。

コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。

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