銀行さん主催の後援会を聴きに行きました
2009.01.09
ブログ
大阪の税理士 小笠原 です。
お客様の会長さんからのお誘いで、
京都銀行さん主催の新春経済講演会に行ってきました。
場所は平安神宮の近くの京都会館、
ものすごい人で、メイン会場のほか、
第二、第三の会場までご用意されておられました。
内容は二部構成で、
第一部は 「2009年 日本経済の展望」と題して
東京大学経済学部長でいらっしゃる、経済学者の伊藤元重氏
第二部は、「日本再生の起爆剤-中小企業・農業-」と題して
伊藤忠商事の会長でいらっしゃる、丹羽宇一郎氏です。
さて伊藤先生のお話の中身ですが、だいたい次のような内容でした。
今回の危機が起った原因が分かるとこれからが見えてくる。
100年に一度の危機といわれているが、
その裏側には、100年に一度の経済の構造の変革期であることがある。
それは、
1.激しい高齢化
貯蓄が多く、消費の少ないこうした人たちからものすごい金余りが
起こった。これをファンドが儲かる先をさがして、新興国、不動産、
そして石油と食糧に投資した。
2.急速な技術革新
大恐慌の時もものすごいピッチの車の普及があった。今回も生活が
変わるという期待感のもとに、借金をしてものを買うというバブルが
起こっていた。
こうした現状を確認した上で
さて現状の日本経済をどう考えていけばよいのか?
ポイントは、為替水準である。現在円高といわれているが
実態はそうではなく、超円安の解消である。
過去20年間では、ちょうどまん中くらいの水準である。
これをもとにして、輸出産業と国内産業の両面から考えてみると
・輸出産業
日本で作って輸出することはむずかしくなる。
日本が超円安で、もの作りの国内回帰が起こった分だけ
グローバル化が遅れた。
これからはグローバル化が急ピッチになる。
円高では、ものを使うと不利だが、お金を使っての
海外展開は大変有利になり、すでにそういう動きが出ている。
・国内産業
輸入して販売するのは利益が出ている、円高をどう利用するか。
しかし需要はものからサービスへ移っている。
私たちが不満に思っているサービスに目をつけること
年金、医療、住宅(不動産活用や流通)、育児サービスなど
景気を悪くしているのは年輩である。
その人たちがお金を使うこと
日本人は、可処分所得の4倍の貯蓄がある。
さて、その秘策は
1.消費税を20%にする。すると自動的に消費が増える。
その税金を、高齢社会で需要創造の回すのは政府の役割
(このためには政府の失敗を起こさない工夫がいるだろう)
2.相続税をだれからも取る
取った相続税は、後期高齢者医療の財源に活用する。
なるほど、なかなか面白いと思いました。
伊藤先生の経済予測ですが、
普通に考えれば2、3年はきびしい。
だが場合によっては大化けするかも知れない。
それは世界中が景気対策をしているといった事態は
かつてなかったからである。
というお話でした。ソフトな語り口でなかなか面白いお話しでした。
丹羽会長さんのお話は、
おそらく、丹羽さんの今のご活動、コミットメントが、
地方分権の推進による、日本の再生ということで
そのことについて、熱弁をふるわれておられました。
私がとても興味深くお聴きしたのは、
(それは、私の意見と同じだったからでもありますが)
・インターネット革命による情報の世界同時化で
世界が同時クラッシュで、いっせいにブレーキを踏み
とんでもない交通渋滞におちいったこと
→とういうこは、同時にアクセルを踏みだすこともある
(わたしたちは、注意深くそれを見守らなければならないでしょう)
・気持で負けてはいけないということ
そして人と技術に投資せよ
・話し合い、コミュニケーションが大事で
これが経済の成長をもたらすものである。
・中小企業が、雇用の87%を占めており
中小企業が強くなることが重要である
・政治は落ちるところまで落ちた
これ以上悪くなることはない。挙国一致内閣が必要だ。
ということでした。
なかなか興味深いお話で、
時間の経つのも忘れて聴き入りました。
税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原 でした。