御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

新しい依頼主のお会社における
経営幹部のマネジメント力をつける
実践研修というか、コンサルティングが始まりました。

ことの発端は、6月にある建材商社で
わたしが依頼されてお話をした講演会に
このお会社の社長さんがいらしておいでで
それがご縁で今回の取り組みとなったわけです。

今日はその第一回目
まずは、経営方針を立てられている皆さんの経営課題を
具体的行動に落とし込むことから始めました。

いくら経営方針を立てても、
実行に移されていないのがほとんどだからです。
なぜでしょうか?
それは、実際になにをどうするのかという
課題を細かいところまで詰めて考えていないからです。
なぜか?
単にそうして考える習慣がないからです。

しかしそれでは決して計画は実現しませんね。
考えてみればこれは恐ろしいことです。
なぜなら一事が万事この調子であれば、
その人の仕事ぶりはすごくおおまかなものに
なりがちでしょうから。
それでは、仕事の達成度はおぼつきません。

課題を具体化するということは、
テーマをきちんと言葉にし
そのテーマを実現するための方法と手順を
しっかりと考えて、紙に書きしるすということです。

そのためには、論理的にものを考えてもらう
ただそのことをお願いしました。
論理的にということは、
テーマ⇔方法・手順
の間に、なるほどそれをすればそうなるよなという
聞いた人が納得感があるように説明できることです。

というわけで3つのグループに分かれて
2時間かけて、テーマについて
方法と手順をよく考えてもらい
目標管理シートを書いてもらいました。

わたしは若い営業兼施工管理のSさんのテーマ
の相手役を務めさせてもらいました。
彼のテーマは、
「大規模工事の体制を確立する」というものでした。

相手役というのは、
本人の話を聴き、対話のキャッチボールをしてあげる
キャッチャー役です。
つまり、話をよく聴いて、それをホワイトボードに(コピー紙でもよい)
そして適切な質問を投げ返し、本人の思考を促進し
気のついたこと、たとえば漏れがあるとか、
自分の経験でよい考えがある場合に参考事例で
アイデアを提供したりして、
本人が、テーマを具体化するお手伝いをすることです。

その結果、Sさんのテーマは5つの方法にまとまりました。
1.現在のお客様の業界での拡販
2.新たにねらいをつけた業界への拡販
3.現在のお客様のメンテナンス活動
4.施工の分離発注化
5.Sさん自身のスキルアップ
そしてその内容を具体化させていったのです。

おおかたテーマへの取り組みがハッキリしてきて
一息ついたので、
わたしはSさんにお聞きしました。
わたし)「どうですか?やってみて
     今までの考え方となにかちがいはありました?」
Sさん)「ええ、まず最初に小笠原さんは、答えは何ですかと
     訊かれました。そしてそれからそのためには
     なにをしていけばよいのかと訊かれました。
     いままでそういうふうには考えませんでした。」
わたし)「すごい!いいところに気づきましたね。
     そのとおりですよ。それを『逆算思考』といいます。
     どうですか?いま考えた内容には納得感がありますか?」
Sさん)「はい、そう感じます。」
わたし)「それはよかったですね。」

逆算思考、つまり
1.答えを明確にし、
2.そのために必要ななすべきことを明確化し
3.そして、それぞれの手順を考える。
4.最後に、それを測るものさしを決める。
という思考方法です。

ほかのメンバーの方々も、だいたい目星がついたようです。
ある新製品の開発と販売のテーマをおもちだったお二人には
テーマが関連性が強いので、ごいっしょに考えられることを
お勧めしました。バラバラではおかしいですものね。
そして、話し合いをしてみてどうだったかをお訊きしましたところ
「いやあ、調整が取れてよかったです。」とのこと

さて、もう夕方です。
この目標管理シートの完成を宿題としてお願いして
次回は、1ヶ月の計画の実行管理のしくみについて
考えていくことになりますので、その予告編をお話しして
第一回目の研修は、無事終了しました。

みなさんお疲れさまでした。

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。

《参考》
このお会社との取り組みの趣旨は次の通りでした。
わたしが提案させていただいたものを再現してみたいと思います。

1.社長のねがい


私は以下のように受け止めましたがまちがいないでしょうか?

  ・当社には、深い探求心に支えられた、幅広いさまざまな基礎知識と技術があり、これを武器に真の『メーカー』になり、存在感をもって世界に打って出たい。

  ・そのために、マネジメントが重要で、過去も多くの費用をかけてISOなどマネジメントのしくみを導入してきた。

  ・しかし、ルールを守るといった簡単なことさえなかなか徹底できず、ほとほと悩んでいる。

  ・わが社にはよい人材が揃っていると思うのだが、マネジメントについてはいささかスキルが低いように思う。

  ・ついては、小笠原の力を使って、幹部のマネジメント力を飛躍的に高めていきたい。

 

2.私が考える貴社のマネジメントの現状と社長のねがいをかなえるための取組みのゴール

 (1)現状

?経営計画・・・経営計画は立てられているが、実行に落とし込むため  
   の具体化と管理のしくみが弱い。

?幹部のマネジメント力・・・体系だった知識がないため、各自のスタイ
   ルにゆだねられている。


 (2)取組みのゴール⇒『マネジメント力を身につける!』

?経営計画における重要課題を検証可能な、定量・定性的なゴール、実施手段と手順・スケジュールに落とし込んだ、成果と活動の間に必要十分な関係があると感じられる妥当性のある仮説ができている。

?月次の経営の管理サイクルと管理システムが確立し、実態に踏み込んで論議でき、経営計画の進捗・達成状況とそれを追いかけるための意思決定が的確にできるようになっている。

?経営計画を推進する、経営幹部員のマネジメント力が高まり、自部門の目標を追求し、部下の管理ができる素養(マネジメント7つのスキル)(※1)が身についている。

※1 専門知識・論理思考力・コミュニケーション力・リーダーシップ・数字力・マネジメント力(経営計画遂行と時間管理力)、ものの見方・考え方の7つ

 

3.取り組みの内容


 (1)経営計画の見直しと課題の精緻化


  ?論理思考によって重要な経営課題を必要十分な活動内容と
   スケジュールに具体化

?上記にそった半年の行動計画【目標管理シート】の作成

?目標管理シートに沿った個人的な目標管理のための
   思考手順の伝授

?目標管理シートに沿った会議などでの社長との歯車の
かみ合った議論を可能にするロジカル・コミュニケーション
スキルのトレーニング


 (2)月次の経営管理サイクルの見直し


  ?主に会議の流れと内容の定義による1ヶ月のマネジメント
   サイクルの見直しと整備

 
 (3)業績検討と経営意思決定の会議の整備と運営


  ?未来予測・原因分析・活動検討できる業績検討資料の整備
  ?会議の内容設計(全体・自部門)
  ?会議の進め方(ファシリテーション)指導

 
 (4)マネジメントスキルの教育


  ?数字力の練磨・・・自部門の業績検討による
   「採算意識」「資金感覚」の向上

  ・「採算意識」⇒利益方程式による採算改善の具体的目標設定

  ・「資金感覚」⇒運転資金管理、投資採算性判断によるスキル
    習得とセンスアップ

?会議のファシリテーション術(プロセス進行管理)

?自部門管理術・・・部下との個人的な信頼関係づくりと業務管理

?コミュニケーション力とリーダーシップ、自己のビジョン設定は
   弊所集合研修への参加でカバー

?ものの見方・考え方(個人が統合的な考え方をみがく)
   ・・・社長とご相談の上、実施検討


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