御堂筋税理士法人創業者ブログ

第22回    最も重要なことから始めよ

要約

1.成果を挙げる秘訣は「集中」である

2.未来・機会・独自性・変革に焦点を当て、仕事の優先・ 劣後順位を決め不要な仕事をしない

3.経営者は定期的に仕事を点検し、重要な仕事に集中することが求められる

4.そのためには、意味と重要性から仕事・時間配分を定める勇気が必要

プロローグ

今回は、ドラッカーの『経営者の条件』で示された“成果を挙げるために求められる考え方”のうち、

“最も重要なことから始めよ”というお話をさせていただきます。

1  .「集中」は成果を挙げるための最重要事項である

「成果を挙げるための秘訣を一つだけ述べるならば、それは『集中』である。成果を挙げる経 営者は、

最も重要なことから始め、しかも、一時に一つのことだけを行う」とドラッカーは述べていま  す。彼は、成果を挙げるための 5 つの習慣のはじめに時間の管理を掲げました。そして、この時間を管理

する目的というのが、冒頭に述べた「重要なことに集中する」ことなのです。それゆえ、集中こそ成果を挙げるための最重要ポイントだと述べているのです。

みなさんは子供の頃、虫眼鏡で日の光を集め、紙に焦点を当てて焼く実験をしたことはありませんか?  まさに、あれこそが集中の力を示すものです。

世には戦略と言われるものがあります。はるか昔には圧倒する兵力で敵を叩き潰すということもありましたが、その原理もまた「集中」にほかなりません。逆に成果を挙げられない人は、同時にいくつものことをしようとすると述べられています。なんとも耳の痛い話です。

2  .過去から脱皮せよ

力を集中させるための第一法則は、もはや重要でなくなった過去のものを捨てることです。

そのためには自分と部下の仕事を定期的に見直し、まだ行っていないものがあれば「今これに手をつけるべきかどうか」を問い、答えが無条件にYESでない限りはその仕事をやめるか、大幅に縮小するのです。もはや重要でない過去のもののために、時間を追加投入してはなりません。ただちに貴重な資源(時間)を引き上げ、新たなチャンスのある方へ振り向けなくてはいけないのです。

なぜなら、得てしてそのような問題は解決したところで大した成果にならない一方、新たな機会をゲットできればより大きな成果を得られるからです。突き詰めて言えば、成果の挙がらない経営者の独善的投資はズバっと切り捨てることも、時には必要だということです。

新しい活動を始める前には、組織の肥満化を防ぐためにも必ず古い活動を点検して始末します。新しい物事を始める際は大抵の場合、困難を伴いますので、ここは実力トップの人材を担当に就かせる必要があります。だから彼らに過去の尻拭いをさせている暇はないのです。

成功のカギは「重要なことに集中する」ですが、「集中する」ということは、裏を返せば「しないことを決める」のと同じ意味になります。日の丸の旗を思い描いてみてください。赤い丸の部分が集中すべき課題、分野だとします。すると残りの白い部分がやらないことになります。私の経験上、集中すべきことを決めるよりもむしろやらないことを決める方が、社員への説得力が強くなります。ですから、「これこれの顧客とは取引しない」とか「これこれの製品には手を出さない」というメッセージはとても有効なのです。

古いものを計画的にやめることこそが新しいものを強力に進める唯一の方法であり、組織を新しいものに全力投球させることができれば、創造力は驚くほど発揮されていくのです。

3  .仕事の優先順位、劣後順位を決めよ

取り組むべき未来のための仕事は、使える人材の数、時間を常に上回っているはずで、さらに問題や

危機も多すぎるほど多い。そこで、こういった現状の圧力にくみして経営者が今すべきことを決めるとしたらどうでしょう? 計画実現のための行動、自社の未来を創り出すための諸活動、外部からの情報収集といった、経営者でなければできない、会社の発展にも関わる重要な仕事が犠牲にされることが目に見えています。

そこで再度述べますが、本当に行うべきは優先順位の決定ではなく、取り組むべきでない仕事の決定と遵守なのです。誰しも気の乗らないこの手の仕事で重要なのは、分析ではなく勇気です。

この決定を下す際の重要な法則は、①過去ではなく未来を選べ、②問題ではなく機会に焦点を合わせよ、③横並びではなく独自に方向を決めよ、④無難で容易なものではなく変革をもたらすものに照準を高く合わせよ、ということになります。心に留めておいてください。

「集中」こそが、あなたを時間や仕事の奴隷にさせることなく、逆にそれらの主人となれる唯一の方法なのです。

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