名経営者の会議参加術~名伯楽(すぐれた資質を持つ人を見抜く力のある人物)になる。
2020.02.11
経営者へのメッセージ
Ⅰ 総論
・ 会議とは、
会話(conversation)の場である。
・ 会話は、対話(dialogue)と議論
(disccusion)からなる
~両方の達人になる
・ 対話のプロセス
傾聴→観察→質問→フィードバック→承認
・ 議論の流れ
問題定義 →代替案案出→意思決定→実行管理
Ⅱ 対話
1 傾聴のポイント[
① 自分の気分の管理
・ 心の安定に心がけ、笑顔を基本ベースに、
舞台の上にいるという役者意識を常にもつ
・ 役者は、個人的気分を舞台を持ち込まない
・ 役者は何をしたら効果的かを考えて
言動する
② 話を聴く基本態度
・ 相手に好意をもち、話の内容を素直に聴く
・ そして話し終わるまで、話を遮らない。
・ ゆったりとした感じを保ち、うなずき、
相手のペースに合わせる(ペーシング)。
2 観察のポイント
・ まず、観察する。
様子を見ることが
診断と養育をする出発点である。
① 場の雰囲気を観察する
② 次に、各メンバーの様子を観察する
③ そして、場の進行状況を観察する
・ ポイントは、映画や劇を
一歩ひいてみる感じで、
大きく全体的で、流れをつかむ
3 相手の意見を尊重し、保留・熟考する
・ 批判的態度は取り除く
・ 人は誰でも、その人なりに、
まじめに考えているという基本信念をもつ
・ そして、同時に、自分の価値観を点検する
・ これは思考の癖として身につける
4 質問
・ さらなる対話のための質問をする
・ 質問は対話の基本をなす
・ 質問がうまくできれば
人の育成や営業はできるようになる
・ 特に会議では、問題を考えさせて
自己解決に導きメンバーを
育てることにつなげる
・ 質問でよく使うのは 3つの観点である
➀ 掘り下げ
② 横展開
③ 要約させる
・ 実際に理解しているかは、
説明させる、実演させることで確認する
・ 質問に名を借りた
意見の押しつけや脅迫をしない
・ そのため、「なぜ…なのか?」
という言葉は要注意である
5 フィードバック
・ フィードバックは強烈なツールであり、
慎重に行なう
① 会話のマナーを守る
親しき仲にも礼儀あり
② 相手の了解を得る
「ちょっと、いいかな?」
③ 具体・特定ケースで
「昨日、お客さんのところに同行
したときの君の話し方の中で・・・」
④ 叙述的に話す
事実を話し、相手がそれに対して
自分の意見などを
自由に言えるようにする
6 承認
・ 承認には、期待、行為の承認、存在
(無条件)承認がある
・ 至高の承認は存在承認である
「あなたが居るだけで価値がある」
Ⅲ 議論
1 意思決定(ドラッカーに学ぶ)
① 意思決定のポイント
・ 意見からスタートする。
結論、ゴール、決定について意見をもつ
・ 反対意見を活かす。
なぜ反対意見が大事なのか?
➀ イエスマンにさせないためである
② 反対意見が意思決定の質を上げる
③ 反対意見が、その意見を磨く
テーゼ→アンチテーゼ→止揚(ヘーゲル)
・ 実行を組み込む。
いつするか? だれがするか?
いつチェックするか?
2 資料とその見方
・ 会議に必要な資料は数字と言葉で表した、
何をしたか、どうなったかの資料
・ 言葉は『目標管理シート』で、
数字は『経営のコックピット』で行なう
① 目標管理シート
何をしたか、その結果どんな成果と
気づきがあったか?
次に何をしようとしているのか
が聴きどころ。
そして、真剣に思考しているかを判定する
② 経営のコックピット
・ 販売プロセスや仕事の流れを、
活動と成果の関係から整理して
よくできたかをチェックする指標を決め、
それを時系列で眺める
・ コックピットの内容を
さらに検討する個別資料は大事であり、
その見せ方のピントは
・ 目標や前年との比較
・ 月別推移と決算予測
・ 顧客別・製品別・担当別などの細分化
・ 活動量と決定率
・ 活動と成果の関係の中から、
機会、意外なこと、ネック、
異常点を見つけ出す。
3 論理思考を促す
・ 参加者が論理的にものを考えているかを
観察する
・ そのためには、提案者・報告者に対して、
理路整然とした説明を促す。
・ 目的・定義・意図→
手順の概略→
実行したこと→
結果(うまくいったこと・いかなかったこと)→
評価・気づき・反省→
これから取り組むべきこと
・ 全体像、目的と手段の関係、
プロセス、活動と成果の関係といった
大きな広い視点を促す。
4 採算意識の観点を持つことを促す
利益=売上高×粗利益率-固定費
の算式で、利益を
シミュレーションできるようにする
5 アイデア出しできるようにする
① まず、情報収集を尽くす
現場を見る、顧客に聴く
② つぎに、技法を使えるかどうか、
アイデアを発散し、収束させる
ブレーンストーミング、
KJ法等の手法を使う
③ 経営者が注意しなければ
ならないことは、
心ない言葉を発しないことである
「それ良いですね」「おもしろいですね」
が皆のアイデアを活発化させる
Ⅳ 会議を評価
する
・ 会議の終わりにあたって
次の3つのことを自問自答する
↓
・ 意味ある決定はあったか?
・ 新たな視点は持てたか?
・ メンバーの成長度合いは?
・ 最後に、気づいたことがあれば、
関係者にメモを発信する。
Ⅴ 名経営者の
会議に臨む態度のポイント
・ めざすムードは、活性化
=「明るく元気で真剣に」を
築くことである。
・ 安全な発言の場のガーディアンとなる。
・ そのためにはまず、
自分の態度が会議の風土を決めている
という原因と結果の法則を知る。
・ メンターとなることが目標
(良き指導者、優れた助言者、恩師、
自分自身の仕事やキャリアの手本
となり、助言・指導をしてくれる人材)
・ それは、
・ 成果への貢献
・ 価値観の浸透
・ 人材の育成 を通じて行なう。
経営者の会議に出る目的は
『課題の自己解決支援を通じた人材育成』
魚与うべからず、釣り方を教えよ
である。
経営コンサルティングと
会計事務所の融合
組織デザイン研究所&
御堂筋税理士法人
小笠原 でした。