御堂筋税理士法人創業者ブログ

要約
1 効果的な会議を創造することがだいじ
2 会議はリーダーのリーダーシップが反映した鏡のようなものである
3 会議は、独演会→報告会→討論会→双発的会議と段階づけられる
4 会議のポイントは、進め方、資料、参加者のスキルである

プロローグ
 前回は、経営計画の推進のしかたを話しました。今回はそのなかで特に重要な会議の進め方についてお話します。なぜなら経営とは意思決定であり、その主要な場として会議があるからです。

1 あるべき会議の姿
 一概に会議と言っても、さまざまな会議がありますが、ここでは経営計画を月次で進捗チェックし推進していく会議を想定します。こうした会議のねらいは、業績をレビューし計画の達成を企図するところにあります。会議の成果としては、1 認識の共有、2 仮説の検証、3 新たな仮説の設定・具体的な意思決定、4 気づき、5 アイデアの想起と発展、そして創造、6 モチベーション・アップ、7 組織風土の形成、8 経営幹部の成長といったことが挙げられます。会議のあるべき姿をひとことで言うと、効果的であるということです。ところが私の見聞きするところ、なかなか思うようにはなっていないようです。
 
2 よくある残念な会議のパターン
 では実際に会議はどのようになっているのでしょうか?よくあるパターンとして次のようなことがあります。1 単なる報告会、2 特定の人の独演会、3 しまりがない会議、4 マンネリに陥っている、などです。その原因にはさまざまな要素が絡みますが、図のような要因が考えられます。

3 会議はリーダーの鏡である
 会議は会議のリーダーのリーダーシップのスタイルが反映したものだと私は思います。それはリーダーにとっては鏡のようなものです。目の前で繰り広げられている光景は、自分の鏡なのです。
 リーダーシップのスタイルは、野蛮で幼稚なものから、知性に優れた人格への発展段階に応じて、独善的専制型→温情的専制型→相談型→民主型と分類されます。それに応じて会議も、独演会→報告会→討論会→双発的会議に分類され、また発展することが期待されます。
 リーダーシップスタイルが成熟し、会議が進化するにつれ、私が理想とする『学び続ける組織(Learning Organization)』が創られ、それにつれ業績が高まっていきます。

4 効果的な会議にする工夫
 では、本能のままの幼稚な会議から、創造的な大人の会議に会議を進化発展させ、高業績企業になっていくためにはどのように会議を進めていけばよいのでしょうか?
 効果的な会議を行なうポイントは3つあります。それらは、1 進め方、2 資料、3 スキル、です。私はこれらを会議の3Sと呼んでいます。これらについては次回以降で詳しく説明しますが、あらましをお話しておきます。

(1) 進め方
 会議では、まず進め方の概要を考えこれをアジェンダという形にまとめます。アジェンダでは、会議のあらまし(会議名、開催日時、目的、内容)、メンバーと役割、タイムテーブル、資料、会議の運営ルールなどを決めておきます。
 進め方でもっとも重要なのは議事録の作成と運用です。そのためにメンバー以外の人を議事録作成者とするのがいいでしょう。そして議事録に記録された決定事項を、必ず次回冒頭に読み上げ実行済みかを確認します。
 会議を進行する係をファシリテーター、会議の活性化進行術をファシリテーションといいます。これらはメンバー全員で研修を受けて身につけます。

(2) 資料
 資料は、会議を効果的にする最も重要な要素です。資料さえ的確で解像度がよければ進め方やスキルが多少劣っても業績達成や高業績化にすばらしい成果を発揮することができます。なぜなら変なところが判ったら、人はそれらを放置することはないからです。
 効果的な会議に必要な資料は、次の4種類です。
 まず『儲けのカーナビ』です。これは管理会計方式による連月式の損益計算書で決算までの各月の予測値を入れたものです。
 次に『経営のコックピット』です。これは、営業先行指標、営業活動と成果、生産活動と成果、回収や在庫などの状況といった、業績を生み出す業務の品質を表す資料です。ちなみに小笠原流の会議でもっとも重要視しているものです。
 3つ目は『分析資料』です。これは製品別の収益性や顧客別の収益など高業績化のために必要な分析資料です。
 最後は『目標管理シート』です。すでに紹介済みですが、経営計画における取組課題の進捗を報告するものです。

(3) スキル
 スキルは大別して、参加者のコミュニケーションスキルと心がまえに分けられます。
 コミュニケーションスキルとは、分析と作表の技術、報告・発表の技術、傾聴と質問の技術、応答の技術です。中小企業ではこれらがとんちんかんで要を得ないこと甚だしいものがあります。でも心配には及びません。訓練で身に着くものだからです。
 心がまえとは、リーダーの態度、メンバーの態度を言います。簡単に言うとリーダーに求められるのは場の心理的安全性を創り出すこと(つまり腹を立てないこと)で、メンバーに求められるのは協力と多様性ある発言です。

以上

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