御堂筋税理士法人創業者ブログ

尊徳翁の業績は、

関東の十一ヶ国に及ぶ、

荒廃した農村の復興であった。

それは企業でいえば

事業再建の業績である。

尊徳翁は、それを膨大な

マニュアルにして残した。

弟子の富田高慶が残した

尊徳翁の生涯と事跡を記した

『報徳記』を読んでいると

再建の取組みの

手順と手法は、

まさに合理的そのもので

まったく現代に通じるものだ。

・システム思考

・プロジェクトマネジメント

・PDCA

・テーラーの科学的管理法

・歩き回る経営

・モチベーション・マネジメント

といったおなじみの方法の

先駆をなすものであった。

それに『以徳報徳』と

大久保公が名づけた

倫理性が尊徳翁の

事蹟に、えもいえぬ深みを

与えるといえる。

実に優れた実践家・実践思想家だ。

そして経営者・金融家・

コンサルタントでもある。

明治以降、尊徳翁の教えは、

実践力のある弟子により、

「報徳社」活動を通じて全国各地、

とりわけ北海道や静岡で展開された。

ここらあたりキリスト教が

一番弟子ペテロや、回心者パウロらの

活躍により世界展開していった

ことと多少重ね合わせられる。

余談だが、

やはり弟子の人材を得て、

立派に育てることの大切さが

あらためて感じられるところだ。

尊徳翁は、自分が有名なるなどといった

考えとは無縁の人で、

現にその遺言の中でも

「自分の墓など作るな」

といっているくらいである。

だが、「報徳記」や

露伴による少年向け「二宮尊徳翁」

さらに、内村鑑三による「代表的日本人」での

尊徳翁の称揚で、

その名、その思想は、

広く知られるようになった。

明治以降の産業勃興において、

尊徳翁の思想が多く取り込まれた。

真珠王、御木本幸吉や豊田佐吉は、

深い影響を受け、

技術革新と手堅い事業運営を実行した。

義務教育における「修身」教育において

二宮尊徳翁の生き方が取り上げられ、

年齢にあわせた二宮金次郎像が描かれ

また小学唱歌にも歌われた。

経済に身をおいて

倫理を実践をした尊徳翁の

生き方の流れは
現在に引き継がれ、企業の社会的責任として

影響を受けた、松下やトヨタをはじめとする

企業理念の表現に結実しているといえる。

ちなみに報徳社における

『報徳訓』には次のようにある。

父母の根元は天地の命令にあり
身体の根元は父母の生育にあり
子孫の相続は夫婦の丹青にあり
父母の富貴は祖先の勤功にあり
身命の長養は衣食住の三つにあり
衣食住の三つは田畑山林にあり
田畑山林は人民の勤耕にあり
今年の衣食は昨年の産業にあり
来年の衣食は今年の艱難にあり
年々歳々報徳を忘るべからず

第二次世界大戦の敗戦後では、
進駐してきたGHQが発行した

1円札の肖像に、尊徳翁が描かれている。

民主主義の先駆者として

高く評価していたがゆえんである。

インターネットで参考にさせていただいた

記事によれば

GHQ新聞課長インボーデン少佐は、

「二宮尊徳を語る

-新生日本は二宮尊徳の再認識を必要とする」

とに書き、

日本が生んだ最大の民主主義者だと

述べているとのことである。

森信三先生に導かれて

二宮尊徳翁を

再発見した私だが、

しっかりと、その遺業、遺徳をしのび

継承していきたいと思っている。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

税理士コンサルタント 小笠原 でした。

二宮金次郎の有名な銅像

わたしが似ているのは

歩きながら本を読む癖だけだが・・・

(´_`。)


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