なぜ美について考える必要があるのか?
2009.12.28
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
昨年からの私のマイブームは絵を見たり、劇を鑑賞したりすること。
なぜそんなことが大事なのでしょうか?
まあ、そんなむずかしいことは考えずに、
楽しくみればいいんだよ、ということもありますが、
ここは追求派のわたし、やはり考えたいんですよね。
むかしから、『真・美・善』というじゃないですか。
つまりそれは同じことの別な側面
人生・世界の真実がそこにあるような・・・
美学、哲学の今道教授は
「真は存在の意義、善は存在の目標、美は存在の恵み」
なんてたしかおっしゃっておられた。
真や善はかなり明晰な頭脳と苦しい修業が必要で
おいそれと近づけない感じですが、
美はだれにでも享受できるとおっしゃっておられる。
そのとおりだと思います。
もし美が真や善と並ぶものならば
わたしもそれを追求する一書生として
やはり美もお近づきになりたい、いやならねばならぬ。
美とは芸術に見出されるが、
そこには自然の再現と個人の精神の表現という
2つの表現手段がある。
いずれにせよ、それを見る(あるいは聴く)人がどう解釈するかが
大事になってくるでしょう。
なぜなら、そうした芸術に触れ、そこから美をどう感じとっていくかは
すぐれて個人の精神の作業だからです。
そして、美を心の中でどう精神作用に昇華させていくか
ここに美について考える必要があるというのが
今道先生の『美について』の教えであるように思うのです。
そこで、いまハマっている絵について
私もちょっと入門編の勉強をしたい
ということで
今日やっと読了できたのが
『西洋画人列伝』(中ザワヒデユキ著、NTT出版刊)
この本、西洋ルネッサンス前から現代にいたる約60人の
代表的な画家について、
第一人称の語り口で、その生涯、動機、交友関係と影響
絵に対する考え方などを交え、画家を浮かび上がらせてくれます。
おもしろいユニークな本でした。
著者はお医者さんから美術家に変身したという経歴の持ち主
豊富な知識がユニークな本づくりのポリシーとあいまって
おもしろい一冊に仕上がっています。
残念ながら、肝心のそれに触れた画家の作品のカラー写真がない。
そこで、横におきながら参考にして読み進めていったのが
『西洋絵画史WHO’S WHO』(美術出版社刊)です。
これは270人もの西洋画家の代表作をそれぞれ4点
簡単な解説を付けて紹介しているもので
見ているだけでおもしろい。
やはり、ものごとはストーリー、歴史でとらえるのがわかりやすいですね。
だれかもいっていましたが、人間の脳みそってそういうふうに
できているのですね。だから神話、や小説、漫画はわかりやすい。
誰が誰に影響されて、誰に影響したか、
師弟関係、意見対立、その相克、そしてあらたな超克
やはりそうした眼で見ないとわかりませんね。
というわけで
函館に来て、まとまった時間が取れて
やっと読了することができました。
ほんとにすっきりしました。
これからは、美術館にこれらをもっていって
読みながら鑑賞して、眼を養おうと思うのです。
コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。