事務所の会議室でお客様の経営戦略を考えてもらいました。
2009.09.15
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
事務所のビルの1階上の3階に
新たにセミナールームを設けました。
以前は事務所の横にあったのですが、
手狭になったので移転させたのです。
ここはセミナー室ですが、
わたし的には、お客様が会議室として
日頃の場所を離れて、アネックス的に
落ち着いてものを考える場所として
ぜひ使っていただきたいなと思っているのです。
そうすれば、稼働率も上がりますしね。
(もちろんお金は要りません)
さて今日は、お客様のK社の皆さんが
来季の経営課題を考えるために見えられました。
お昼一番から、夜の8時まで熱心に検討を重ねられました。
課題は、昨今の需要縮小の中で
いかにして必要な売上と粗利をgetするか
そのギャップ分析と具体的なカバー方法の特定です。
わたしが合流できたのが夕方の5時過ぎ
さっそく、話し合いの内容を確認して
少し内容を整理誘導させてもらいました。
まず住宅事業の論議を覗きました
ここでは、相手先別、新築/リフォーム別に
売上と粗利益の必要額が出ていました。
必要値と現状のギャップは
元請のリフォーム受注で300万円/月のようです。
しばらくするとNさんが、皆さん手一杯で
需要創造のための活動をできていない旨のお話をされました。
この手の話は得てして、空中戦の論議、情緒的な話になりがちです。
そこで話を地上戦にするために
わたしは、電子黒板に、上記の相手先別に
営業、企画、積算、工程、工事、事務などの業務を
だれがしているのか書き出して行きました。
でも、うーん、どうも複雑すぎてよくわからないなあ。
ということで、売上を
横軸;新築・リフォーム 縦軸;下請・元請で4区分し
メンバーがどの業務にどれだけの割合
時間が取られているかを考えてもらいました。
その結果、リフォーム・元請がもっとも生産性が高く
次に、リフォーム・下請が生産性が高く
新築・下請と新築・元請がとても生産性が低いことが
あらためてわかりました。
それは、建築事務所の案件とある住宅会社の下請のものが
手間もかかり、粗利率が低いからです。
これで、皆さんの忙しさの原因と、その成果性は
なんとなく、皆さんの心に留められました。
次に、本来やらなければならない
需要創造活動を書き出してもらいました。
そして、それは誰の役割で、
どのくらいできているか評価してもらいました。
・ちらし Jさん 100%
・DM Oさん 80%
・OB訪問 Nさん 75%
・イベント Oさん 50%
わたしは質問しました。
「この中で、成果に影響の大きなものはなにですか?」
すると
「イベントはあまり関係ないのですよ。
やっぱりOB訪問なんです」
との答えでした。
そこで、OB訪問の必要量をしっかり定量化し
訪問の質、つまり内容とそこでのお客様とのやり取りを
しっかり見える化し、論議できるように目標管理する
行動計画を作ることがテーマになってきますね。
わたしは次にこう質問しました。
「月に~万円の受注を目指すわけですが、
どんな価格帯の工事(どんな内容で)どれだけの件数を
すれば、そういう受注金額になるのですか?」
つまり、○○万円の売上の構成モデルです。
皆さんの反応は「うーん?」
そこで簡単な表を書いて
金額 内容 件数
――――――――――――――――――――――
300万円以上 まるごとリフォーム 0.5件/月
100万円以上 キッチン入れ替え 1件
・・・
1万円以下 雑工事
――――――――――――――――――――――
と書いてみました。
そしてメンバーに自分たちで完成してもらうようにお願いしました。
しばらくもう一つのグループのワークを見守っていて
リフォームグループに戻ってくると
さきほどの表ができていました。
見てみますと、これでは合計○○万円になりません。
「これ合計してみぃ、○○万円にならへんよ。」
こういうものを作ると共通した特徴は
・合計額がいくらになるかは、高額物件の単価を
いくらに設定するかで決まること
・1万円以下の手間がかかる工事はほとんど件数を見積らない
・実際に受注している工事ではなく、取りたい工事を挙げる。
フロアをはがしてやりかえる工事ではなく、
派手な、最新型キッチンの入れ替えや、オール電化など
つまりあるべき論で、現状から地に足付いたもの
お客様本位の作戦が出てくる定量化にならないのです。
そこでわたしは言いました。
「みなさんは、マグロばっかり釣ろうとしている。
でもイワシが釣れてこそ、マグロが釣れるのではないですか?」
「網戸の張替をきげんよくしてもらってこそ、
リフォームの相談をしようという気になるのではないですか?」
というわけで、モデルの数値や内容を変えてもらいました。
これで現実的で、何を販売促進で、業務の目標管理として
していかなければならないかがすっきりしてきたと思います。
では、これをものさしとして行動チェックできるように
・定量化してフレームワークとして作り
・半年の行動計画を作るように
・また収益性の悪い設計事務所の仕事などは見直すこと
をお願いして、経営計画の検討を終えました。
最後にまとめをと言われたので
「今日のように、事実を基に筋道を立てて考えていくくせをつけてください」
とお話をさせていただきました。
コンサルティングに強い 税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原 でした。