仏教哲学の格好の入門書に出会いました。
2010.11.11
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
現在のわたしの勉強=読書テーマの主要なもののひとつ
それは『仏教哲学』です。
その時々で思い立って買った本も
気がついてみれば、書棚の一列を占めるほどの冊数です。
入門書、経典集、歴史、各思想家の著書、伝記・評論など
今日読み終わったのが水野弘元先生の
『仏教要語の基礎知識』
何か辞典のようなものかと思っていましたら
仏教の思想を、コンセプト別にまとめてあり
仏教哲学の入門書としてうってつけ。
これは皆さんにお奨めですね。
とはいうものの、仏教哲学を学ぶ場合に
頭を悩ますのが、専門用語
漢字の羅列、しかも読み方が独特
そして、私たちの暮らしに深く言葉が浸透しているがゆえに
普段遣いの意味がかえって理解をじゃまします。
(そんな折は漢字一つひとつの意味から納得するのがいいです)
もちろん、入門書とはいえ
いきなりこの本を紐解いても挫折するかも
やはりその前に
『雑学仏教』などでさわりを理解するのがよいでしょう。
ほんとうは、講釈などを先に聴いておくのがよいのですが
まず大きく捉える。
開祖者としての仏陀の人生史
仏陀の説かれた思想
インドから中国へ、そして日本への流れ
各お経のかいつまんだ中身など
読めば読むほど、仏陀の思想の
論理性、いまでいう科学性に驚かされます。
そこには自然を擬人化したような
いわゆる神学的な思想、世界観がまったくないのです。
そこで神、仏、絶対者とされるものは
深い洞察の上に立った、世界を形成、構成している
道理、メカニズムです。
つまりそれは実体はない、絶対者を立てない。
執着しても最終的には意味のない、もの、われに対する
執着を捨てたところに救いがあるとするのです。
人間(の自我意識)が、物質や永遠の生命体の
縁によってかたちづくられ、その関係性の中に
意識、肉体が存在するとする考え方は
私には、とても納得できるし
それは、現代の物理学、複雑系科学、心理学、行動科学などの
ものと人間、人間関係のあり方の最新理論に合致します。
そうであればこそ、
ニューサイエンスや組織論、経営学諸論のページを開けたときに
この著者は、仏教を相当学んでいらっしゃるなと
感じるゆえんでもあります。
仏教哲学の真髄は
四法印といわれる仏陀の教えのエッセンスを
しっかり理解することです。
・諸行無常・・・時間を停止させられない。あるものは変化する。
・諸法無我・・・実体はない。
・一切皆苦・・・そうした考えに固執すると、すべてが苦痛のもと。
・涅槃寂静・・・それを脱却したところに、こころの安寧がある。
そして方法論は四諦といわれる、
四つのプロセスを経た人生態度の確立です。
・苦諦・・・存在の苦を理解する。
・集諦・・・その因果関係を、原因をつかむ。
・滅諦・・・それを滅したところにやすらぎがある。
・道諦・・・その方法をしっかり学び実践する。
ですから、仏教はまずお勉強
つまり理屈を学びます。
そしてそれを、実践の中で身につけます。
それには、自己を修練する『八正道』(はっしょうどう)
利他も含んだ『六波羅蜜』(ろくはらみつ)
それに、直覚的な開悟をめざす、禅
そして学びたい思想家としては
まず最澄、道元、親鸞でしょうか?
だんだん楽しくなってきました。
それとともに生活態度も・・・
コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。