内部統制による内部監査の準備
2008.07.29
ブログ
大阪の税理士 小笠原 です。
午前中、お客さまのところで8月に行なう
店舗の内部監査の試験実施の打ち合せを
させていただきました。
社長様、内部監査を担当する管理部長さん、
内部監査員となっていただく店長さん、
監査を受けるお店の店長さん、そして私で
監査の手順、視るポイントなどをいっしょに
勉強がてら、考えていきました。
内部統制監査は、本来
①会社の財産を守る
②会計の記録の信頼性を守る
③法律や倫理基準を守る
④経営活動を総合管理する
という4つの目的があって行なうわけですが、
わが社では、
①本来の意味での監査を行なう
②内部統制のしくみを整備していく
③各部門の考え方を指導していく
という3つの目的でトレーニングしていくことが
重要な目的になります。
今日は初めての監査の実施にあたって
どういう視点から監査を行えばよいのか
そのポイントをしぼりこみ、
当日のスケジュールをはっきりしさせ、
監査を受けるお店がそれに向けて
準備をしていけるようにする相談です。
そこでまず監査のポイントを
どこからピックアップしていくかを
考えてみました。
ホワイトボードに書いて共有していきましたが、
ポイントは
①社長の問題意識
②経営計画などにおける経営の重点方針
③経営会議などでの論点
④職務基準、決裁基準などで規定された部門の業務内容
⑤その部門の業務プロセス
⑥諸規定、業務マニュアルなどの内容
⑦その他従業員へのアンケート、自主的チェックリストの結果
⑧財務などの分析結果
などから、絞り込むことを考えていきました。
そのなかで特に⑤の業務プロセスが大事だろうということで
皆さんでスーパーマーケットのお店の
業務プロセスとその各プロセスでの監査テーマを考えてみました。
皆さんで考えてもらったところ
業務プロセスは
Ⅰ.基幹業務では
①在庫の確認・・・ただしこれは④と似ていますが
②発注
③入庫・検品
④保管
⑤商品化(店内加工)
⑥陳列
⑦売上・入金
⑧販売状況確認
Ⅱ.支援業務では
①ホスピタリティ
②お客さまのお買いものサポート
③クリンリネス
④リスクマネジメント
⑤労務管理
⑥店長の管理業務
にわけて、
それぞれのプロセスで、上記の内部統制目的から
何を監査していかなければならないかをあげていってもらいました。
こうした検討をしていただく上で
どのような切り口から、ものごとを考えていかなければならないか
ファシリテートさせていただく上で
いくつかの考え方のフレームワークを例示させていただきました。
例えば、人、もの、金の視点、
こうした業務プロセスの視点など
ポイントは、どういうフレームワークを使えば
もれなく、だぶりないものの考えをできるか
もしもれがあれば、せっかくみんなで考えても
ポイントがそのもれたものごとのなかにあれば
そうした検討はむだに終わります。
だから、こうした思考の方法論はだいじなのですよ
というお話しをさせていただきました。
これをクリティカル・シンキング(論理思考)などといいます。
クリティカル・シンキングはシステム思考などとともに
経営者、管理者にはぜひとも身につけてもらいたい考え方ですが
今回、このことを皆さんとのお話しのなかで
明確にご説明できたことは
わたしにとってもとても意義あることでした
約2時間、社長さんにも入っていただき
業務プロセスから監査ポイントを
あげていってもらいました。
監査をしていただく予定の店長さんが
でもこうしてポイントをあげていくと
店長会議でアドバイスすることとダブりますよ
それだったら、意味がないのでは、という
貴重な意見が出ました。
そのとおり!
これはクリニックではないので、
満足要因よりも衛生要因
つまり、やらないとロス・ミス・不正につながる要素を
あげていってもらいました。
しかし今回の監査は限られた時間で実施します。
そこでこれらのポイントのなかから、
最後に社長に、結局どこが重点ポイントなのか
重要なものを選んでいただきました。
それは
①保管
②商品化
③労務管理
④店長の管理業務
でした。
そして、それらを中心にして
小笠原の方で、監査のスケジュールと計画を作って
会社の方にお渡しすることにさせていただきました。
けっこう、濃密な3時間のワークでした。
みなさん、お疲れ様でした。
税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原 でした。