帝王学を学ぶ
2023.05.01
経営者へのメッセージ
久しぶりにブログを書かせてもらいます。
最近はフェイスブックにあれこれ長い書き込みをしていますし、また足を折って何かにつけものぐさになり、さらに年のせいで考えることもおっくうになっていて、ブログから間遠くなっているのです。
ところで先日、三重の百五銀行さんが行なっている後継者育成塾終了後の懇親会で、受講生の方から「帝王学はどのようにして学べばいいですか?」との質問を受けました。しばらくそのテーマを忘れていたので、多少面食らいましたが、これはいい質問を受けたものだと感じました。そのときはイージーな答えで間を持たせました。
帝王学は重要な経営のアドバイスのテーマですが、うかつにもエアポケットのように忘却していました。それでその後、そのことが頭に残り、ときどき思い出してあれこれと断片的にものを考え始めています。
そもそも帝王学などというものは、生きた師匠から立体的に学ぶことが基本なのだろうと思います。ですがそのような理想的な状況というものはなかなかあり難いものだろうとも思います。
さて、Webで帝王学というキーワードで情報を検索すると、わりあい判で押したような記述が出てきます。おおまかにいうと帝王学の条件として次の3つの事が挙げられています。
1 原理原則を教えてくれる師を持つこと
2 良き幕賓を持つこと
3 諫言(いさめること)してくれる部下を持つこと
どの記事も同じような言葉を使っていて、出所は同じなのではないでしょうか?たとえば伊藤肇さんの著書によるものかなあと勝手に推察しています。
思い出せば、私も若いころこのテーマについて幾人かの本を読みました。安岡正篤先生、伊藤肇さんなどです。ですが生来の不出来もあって、内容はあまり覚えていません。もう一度頭の整理のためにこれらの本を再読する必要があるのかなと思っています。
このテーマについては、古今東西の良書に学ぶということが大事だと思います。そこで、いままで読んだ本のなかから経営者、後継者がもつべき心がまえについてこれはいい本だなと感じたものを挙げてみましょう。わたし自身が大きな影響を受けたことは論を待ちません。
1 貞観政要
唐の時代、貞観の治を達成した太宗と良臣たちとの対話、献策、提言と諫言。特に諫言の大事さが響きます。
2 論語
孔子の箴言録でわかりやすい。断片的なので体系的にまとめてみたいと思っています。
3 大学
中国儒教哲学の五書のひとつ礼記から取り出した、リーダーシップのあり方。短いがリーダー修養の本質です。
4 アレクサンドロス大王東征記(アッリアノス)
古今東西にわたり傑出した軍事リーダーの一人、アレクサンダーの事績を語る。フラットな人柄に魅せられます
5 ガリア戦記(カエサル)(あるいは塩野七生さんのローマ人の歴史のカエサルの分冊)
アレクサンダーと並ぶ軍事の天才リーダー、カエサル。破天荒なスケールとこれもフラットな人柄には興味が尽きません
6 キュロスの教育(クセノポン)
かのドラッカーがリーダーシップを学ぶにはこれ一冊読めばよいと言わしめた名著。
7 君主論・政略論(マキャベリ)
きわめて現実的なマキャベリの記述にはなるほどと思わせる説得力があります。理想に対する現実という帝王学の 側面を余すところなく教えてくれます。
では、これらをふまえ帝王学で学ぶべき心がまえとはなにでしょうか?少し時間をいただいて私も考えを整理していきたいと思ってます。またどこかでご披露できたらと思います。