サーバントリーダーシップを読んで背筋が伸びます。
2009.08.28
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
ようやく、また、ロバート・グリーンリーフ著の
サーバントリーダーシップを読みかけました。
この本を買ってあったのは、
私が一目おいている識者の何人かが
リーダーシップの本として最高のものだと紹介していたからdす。
少し読みかけて放っておいて間があいたので、
また最初から読み返しています。
本の帯には、
わたしが日ごろめざしている「学習組織」の提唱者
ピーターセンゲ教授の
「リーダーシップを本気で学ぶ人が
読むべきものはただ一冊、本書だけだ」
というコメントが、私の気を引きます。
サーバントがリーダー?召使がリーダー??
ひと昔まえなら、なんだそれは?という組み合わせでしょう。
私が経営計画で、組織図を作る時は
いつも、現場が上で、社長がいちばん下に書く逆三角形型です。
これは、社長は現場のサポート役という意味です。
ですから、サーバントリーダーと共通する考え方があるように思うのです。
そのせいか、読み進むにつれて
著者の主張に引きずり込まれていく自分があります。
なにか、今までの自分に足りない部分を補充してくれる
大事な考え方に思われるのです。
本の中で心に響いてマーカーを引いた
文章をいくつか挙げてみます。
◆サーバントリーダーは誰か
「サーバントである人は、他人にとって優先順位の高いものが
その人に与えられているかどうかを気づかう・・・」
「自分の行動の結果が試されるのは、大抵ずっとあとになって
からなので、より優れた仮説を選ぶ際に支えとなる信念は、
心理的な自己洞察に基づくものである。この自己洞察に
基づく信念を持っていることが、真のサーバントの最も頼れる部分だ。」
このあたりは、自分をふり返り、自分なりの仮説を立て
絶えず検証していくリーダーとしての必要な姿勢が示され
日ごろ感じていることとぴったり来て共感を感じ、後押ししてくれます。
そしてサーバントリーダーの必要な資質や行動が示されていきます。
◆すべては個人のイニシアティブから始まる
↓
◆あなたは何をしようとしているのか
「リーダーの特徴、つまり他人に道を示す立場になるための性質は、
何よりも方向を示すのが上手なことだ」
「夢がなければ、大きなことは起こらない。
そして、すばらしいことを起すには、大きな夢がなければならない。
偉大な成功の背後には、偉大な夢が見ている人が必ず存在する。
夢見る人がそれを現実にすることの方が必要だが、
第一に夢がなくては始らないのだ。」
やっぱりそうですよね!
↓
◆耳をすまし、理解すること
ここで傾聴の大事さが主張されます。これも同感
↓
◆言語と想像力
言葉の限界と洞察力の必要が問われます。そのとおり!
↓
◆一歩下がる
「一歩下がって自分のいる位置を確認できるなら、
意図的に何かを放置する技を身につけたと考えていい。
放置とは、とても大事なものと多少大事なものを区別し
重要なものと急を要するものとを選り分け、
重要度の高いものに注意を向けることだ。」
↓
◆受容と共感
「『共感』とは、想像力を介して自分の意識を他人に投射することである。」
なるほど、うまい定義だ!
「教育者は、学生に拒絶されることがあるかもしれないが、
そうなっても文句を言ってはいけない。
だが、教育者はいかなる状況にあっても、
どんなことをした学生であれ、どの学生も拒絶してはならない」
目が覚めることばです。
↓
◆知ることができないものを知る
確かにリーダーは、感じ取り、予見できなければならないですよね。
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◆予見―リーダーシップの核となる倫理
「慎重な人は『今』が動く概念だということを常に心に留めているが、
その概念の中で、過去、現在、そして未来は
有機的なひとつのまとまりなのである。」
「無限の過去から現在、そして無限の未来へとつながる
出来事のすべてについて、高度な直観的洞察を促すものだ。
人はどのようなときも、歴史家であり、預言者である。
―その三つの役割が別々になることはない。
これが実際のリーダーの姿なのだ。」
そういえば、『最高のリーダーが考えているたったひとつのこと』でも、
リーダーの本質は、方向性を示すことだとされていたなあ。
↓
◆気づきと知覚
「リーダーシップを得る資格は、物事をより「ありのままに見る」
ために、より広い範囲の気づきに耐えられることだ。」
「気づきとは、価値を作り上げ、明確にするものだ。
そして、ストレスや不確かをものともしないような
平静さの形成を助けることによって、
人が日常のストレスに立ち向かえるように武装させてくれる。」
こうしてサーバントリーダーの条件が語られていきますが、
現代は組織社会であり、特に大組織が成否を握っています。
だから組織が成果を上げていく必要があることを力説しています。
◆組織
「ビジネスというものの第一の任務は、グループを作り、そのグループが
大きく成長し、健全になり、自立できるようにすることだ。」と
またまた、まったく、同感!
「サーバントにとっては、この世のどんな問題も、
ここに、つまり自分自身の中にあるもので、
どこかほかにあるものではない。」
「喜びについても同じことが言える。
喜びは自分の内にあり心の中で作られるものだ。
自分の外で見つけて、取り込むものではない。」
◆敵はだれか?
「本当の的とは、善良で知的で、重要な立場にある人が
不明瞭な考えを持っていることであり、
彼らが人を導けないこと、
そしてサーバント・リーダーに従わないことだ。
これらの人のあまりに多くが、批評家や専門家で終わっている。」
まさにそのとおり!
すばらしい洞察を秘めた本だと思います。
私にとっては、仕事をしていく上で
自分の考え方を、確認し、信念に変えてくれる
珠玉のことばが、随所にちりばめられています好著です。
コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原でした。