御堂筋税理士法人創業者ブログ

久保先生は生産革新の

とびっきりの専門家であられる。

その上、むちゃくちゃ

指導がお上手である。

ほれぼれするくらい。

鉄人のわざとはこういうものなのだろう。

さて、久保先生とは

われわれがご指導をお願いして

開催している

御堂筋生産革新研究会の講師でいらっしゃる。

先生は、オムロンの

生産技術本部のご出身

オムロンの社内、外注先の

生産革新はもちろんのこと

大企業、中小企業のご指導は

数千社にのぼるのではないか。

さて、過日、

その研究会の第三回が開かれた。

会員の会社を訪問して

その生産現場を題材に

ケーススタディを行なうのだ。

この会社は鋼管を造っている。

少品種多量で連続工程での生産である。

工場見学を終わって

さっそく会社側が出した

課題について考えていく。

テーマは

3S(徹底した整理・整頓と清掃)と

ロール交換時間の短縮だ。

その3Sについてだが

久保先生が現場をデジカメに

映されたものを共有しながら

勉強をしていった。

先生は問いかけられる、

「みなさん、3Sの最大の目的は何ですか?」

「・・・」

「それは安全!なんです。」

「そうかあ」

(小笠原モノローグ;一番大事だなあ)

そして、今から順々に指摘をしていきますが

それは

「わが社の常識」と「世間の常識」が

ちがうことに気づくことです。

「まず4悪の撲滅を念頭において

考えて行ってください。」

「4悪とは

 ①じかおき…あぶない、腰にわるい

 ②立てかけ…あぶない

 ③ちょいおき・・・場所が変る、探さなければならない。

 ④目くそ鼻くそ・・・ちょっと忘れました。

です。

まずこれらを0にしましょう。

これらは会社の借金だからです。」

「整理とは、どういう意味ですか?」

「ええと、いるものといらないものを分けて、

 いらないものをほおることです。」

「そうですね。そのとおりやねえ。

 でもね、もう一歩突っ込んでみましょう」

「整理とは、 

 今いるもの、いつか使うもの、

 すてるものの3つに分けることです。」

「いつか使うの基準は、4時間以内ですよ。」

(そうか、すべて定義は定量化して

だれでも適確にジャッジできる

ようにしておくんだな。)

次から次へと現場の写真を見ながら解説いただく。

「目にみえないムダが恐ろしいのやで・・・」

「重いものは床においちゃだめ。

 腰を痛めるからね。

 重いものは、腰で受ける!これ、基本やね。」

「よい会社は、

 見えないところがきれいなんです。」

(なるほどそうだな)

ものがあったらそうじできないでしょ。」


「清掃はね、毎日、毎週、毎月

するものに分けます。」

「毎日するのは、手が届くところ、5分間」

「毎週するのは、週末30分」

「毎月するのは最終週の金曜日3時間

 線の塗り替えや、機械の分解修理をするのやね・・・」

(これなど、そのままマニュアルまで持っていける

大ヒントやな。

当社も11月に移転するので

不退転で3Sをしようと思っているので

いいヒントをいただけた。)

「この会社の場合

 機械を人間がサポートしているわけや。

 こういうタイプの工場では

 機械がきげんよく働いてくれて

 いるときは人はひま。

 人が動いているということは

 機械が止まっているわけや。」

「全体にこの工場では、

 随所に、小数点以下の手余りが起こっている。」

(なるほど、ものごとを見る基本の切り口がよくわかる)

「人を合理化するわけにはいかないから、

 生産量を増やす方向で行きましょう。」

「この写真はなんですか?・・・

 これはツールボックスいうんやね。」

「ツールボックスを場内で使っている会社は

 いまどきありません。

 なぜなら、ツールボックスは

 出張修理のためのものだからです。」

「工具は、機械につけるのが基本!」

「はじめにいうたように

 わが社の常識を

 世間の常識に合わせるのです。」

「それでも合わないものが残るとすれば

 それは『私の常識』や。

 これを指導するのが上司の仕事です。」

「『知らない』・・・これはしかたない、

 知らないのやから。

 教えてあげてください。」

「『やらない』・・・これはだめ、

 そういう人はしかって

 それでもだめならやめてもらう。」

「職場では何が起きるか判らない。

 何が起きてもよいようにしておくんです。」

「ルールが決まっていなくて

 事故が起これば会社の責任

 ルールが決まっていて

 それを守らなければ

 個人の責任になるんですよ。」

「だから

 ①守ることを決める(ルール化)

 ②それを守らせる(指導)

 ③そしてその状況を評価する。

 

「これなんですか?」

「マイクロメーターです。」

「これ更正してますか?」

「してます。」

「測定器具は、品質管理の

 一丁目一番地や

 それを固いところにじかおきするとは何ごとか!

 これだけで、この会社の品質水準が知れる!」

「これでは、暗黙で

 
社員に悪い教育をしているのといっしょや。」

「更正の必要なものを測定器具という。」

(なんでも明確に定義する必要があるのだ)

「この写真は伝票やね。

 (現場の机の上の伝票を指して)

 伝票は、その日の分しかないはずや。

 何日分もあるというのは

 その時点で、この会社は

 生産の情報管理ができていないことを意味する。」

(たしかにそのとおりだ)

「次は電卓

 電卓は斜めに治具に取り付けて固定するのや」

「そうすると片手で操作できるやろ」

(なるほど、ミクロの改善ですね)

・・・こうした指摘がさらに続いた。

眼目のロールの交換改善だが

一般的な視点から具体的な視点まで

懇切に教えてくださった。

とにかく、久保先生のおっかけ

かばん持ちは本当に勉強になる。

弊社は、生産改善コンサルタントをめざす

扇原が一所懸命、それをしている。

彼の血肉になること請け合いだ。

さて、皆さん、先生はこうおっしゃる。

「ここは鉄を材料に物を作る。

S社は電子部品を材料にする。

歯医者さんは患者さんを材料にする。」

「いいですか、本質は同じです。」

このひとことは、とてつもない

パラダイム転換をもたらす。

なぜなら、そういった瞬間に

生産革新は、

すべての業種に展開可能になるからだ。

実際そのとおりなのである。

生産革新とは

製造業の革新ではなく

すべての会社に

応用可能な

生産性の向上という課題なのだ。

私が窮極ねらっているのはここだ。

なぜなら、お客様の

生産性を高めることだけが

その会社に繁栄をもたらし

従業員を幸せに導くからだ。

そのためには精神論だけではだめだ。

冷徹な分析と論理を

仕事に適用しなければならない。

私は、わが社のスタッフが

担当のお客様の会社の

生産性を改善できることを実現する。

そのために今

ノウハウを蓄積していくわけである。

早ければ、来年には

これらのノウハウを

事務改善に応用していきたい。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所

大阪 税理士 小笠原 でした。


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