御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

年末ふと手にした本が、
中公バックス『日本の名著26 二宮尊徳』です。
二宮尊徳といえば、薪を背負って本を読む銅像のイメージですが
森信三先生も、『修身教授録』の中で、たびたび言及され
一度伝記を読むようにと勧められている偉人です。

門人が、その行跡を記した『報徳記』や
またおっしゃった言葉を記した『二宮翁夜話』などが収められています。

報徳記を読むと、翁がいかに
意思が強く、勉学と実践、分析力のバランスが取れていたか
がわかります。

また、その事業の取組み内容を拝読すると
伝記ならではの真に迫るものがあり
胸がじーんとなります。

ケーススタディとしても
こういうケースではどう判断するかとか
こういうふうに物事を考えていくのかとか
とてもとても勉強になります。
複雑な状況の中で、二者択一を迫られるとき
どう意思決定するのか
そこにシンプルだが、重要な判断基準が
2、3おありになるのでしょうね。
たとえば、公を優先し、私を後にするとか・・・

これを読んで思うのですが
翁の
・決めたら石にかじりついても遂行し続ける意思の強さ
 (コツコツ・・・『積小為大』という)
・忠孝の思いの強さ
・勉学への思い
・分析力・論理力・実践主義の強さ
・すばらしい判断基準と判断・意思決定の思考スピード
ほんとうにすばらしいものを感じます。

翁は、父母が早く亡くなられ、伯父に引き取られ
苦しい少年時代をすごし、
夜の寝るのも惜しみ
智慧を働かせ、人の何倍もはたらき、その合間に儒仏をまなび
奮励克己、生家を再興し
それを見出され
小田原藩、人格者の藩主 老中大久保忠真公に召命され
分藩 桜町の財政再興を手掛けたのを皮切りに
小田原本藩、さらに幕府の召命を受けて
陸奥から関東一円の農村の再興に東奔西走した。

その仕法は
まず、『分度』といって
過去の財政帳簿記録から、租税負担能力を積算し
そのうえで適正な年貢の額を定めなおし
その範囲内で、藩の予算を決め、
借入金の返済や藩主や役人の質素倹約を定めた
膨大なデータを背景にした長期(あるいは超長期)の計画を定め

年貢を超えた超過生産力の成果は
農民の再投資に向けさせ

地域の農家は一軒一軒回り
その人柄、田畑の吟味を行ない

模範となる農民には褒賞を与えて
まわりの農民の奮起をうながし
地域全体の士気を高めていった。

こうした行跡を読むと
いかに翁の先ほど言った
気力・実行力・胆力が
人柄、能力ともに優れていたかが
手に取るようにわかります。

みなさんもこの本に限らず
二宮翁の本を
ぜひ一度読まれることをお勧めします。
身が引き締まります。背筋が伸びますね。

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。

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