御堂筋税理士法人創業者ブログ

土曜日の夕方、『縄屋』という日本料理店を家内と再訪した。

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天の橋立から丹後半島を縦断北上し、
日本海は網野に近い弥栄という町にある。

30歳代半ばの若きご夫婦が営んでいる、端正な造りのお店である。
4月におじゃまして、お魚の焼き方があまりにも香ばしかったので
わたしも家内も気に入っての再訪である。

この日は客は私たちだけ、
客の立場としては、またとない専属料理人になっていただける機会である。
贅沢極まりない、なぜならこのご主人、吉岡宣幸氏は若き俊英だからだ。
⇒http://biz.kyoto-fsci.or.jp/success/28.html

この日はちょっぴり張り込んで、一番高いコース(それでも1万円だ)にした。

まず飲み物をお願いする。
リストにあるワインの種類は多くはない。
だが彼が厳選した料理に合うものなのだろう。
説明を聞くと、案の定、ひとくせありそうなもののようだ。
ご主人が選んでくれたのが、山梨の甲州ワイン、
「ええ、日本かぁ」と思うが、その目効きに従った。

肝心のお料理、メニューの内容だが、
まず出てきたのが『煮あわびと茄子の肝ソース合え』

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(お料理の写真を撮るのははしたないが今日はごかんべん)

いきなり、素材のゴージャスさが、意表をつき、わたしの心を捉える。
「そういう手で来たか」という感じである。
そして、このあわびの煮加減、味加減が絶品なのであった。

次に、ウニをすりおろしズッキーニの取り合わせガスパッチョ風
カクテル感覚のおもしろいガラスの器で、少しアールデコ風

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三品目が、椀物、
これは山中塗りの鮮やかなお椀で、
ふたを開けるのがわくわくする。
そして、開けた椀の中には
真っ白なあこうが
もずく、白わかめと遊ぶように、たゆとうている。
だいたい、汁物で料理人の力量がわかるというもの
前回同様、素材を活かして、控えめなバランスの取れた
自然な味わいは見事だ。

そして、四品目がいよいよお造り

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今日は、石鯛、めばるの一種、肉厚のある鳥貝
すべて丹後の海の恵みだ
これらをゆずごしょうや粉末にしたワカメをまぶしつつ、ポン酢などでいただく。

窓際の席は、木々と草花を配する前庭を一望するはめごろしの窓と、
スイレンが涼しげな池が楽しめる足許の高さの窓から
暮れなずむ外の様子が刻々と変化して飽きさせない。
こんなに日が落ちても、雛たちのためにせっせとえさを探しては運ぶ
親ツバメの働きぶりも甲斐甲斐しい。

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(写真右上に燕の巣が見える。清楚な奥様が
 「もう一つ手前側にも巣があるんですよ」と微笑みながらおっしゃった)

ところで、くだんの甲州ワイン、
なるほど、なんともお料理と相性がよい。
つつましやかな日本料理を、なおつつましいワインがそっと寄り添ってくれて
絶妙の陰影を、料理を味わった舌を、見事に和ませる。
さすがのセレクトだと、二人で兜を脱ぐ。
ちなみに、ワインクーラーは必見の珍品
古い道具、銅器の鄙びたワインクーラーは参るくらいの色合いとおもしろさ。
さて、ここで早くも一本目のワインが空いた。

さあ、もう一本のワイン選択のお楽しみ(それにしてもよう飲むなあ)
後半は、日本料理に合うワインを造りたいという日本女性とフランス人男性が
アルザスで作っているワインを選んでもらった。

後半は、五品目、アユの塩焼きから始まった。
15センチほどのちょうどよい大きさの天然アユ、丸かじりだ。
(ちなみにアマゴもそうだが、川魚はこれくらいのがほんとおいしい)

さらに、六品目が、アコウとやさいのジュレ
来たか、こう来たかって感じ。
酢玉ねぎほか野菜の味が香ばしい
前回も感じたが、吉岡氏の野菜の味の引き出し方も見ものだ。

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そして、七品目のキスと賀茂なすの揚げ出しを経て
お料理の最後、八品目は、鯛を載せた、自然酢でしたてたバラ寿司
ハーブの彩りと香りが寿司を引きたてる。
これ!これが吉岡流のお寿司かという感じだ。

おまけのデザートは、清涼感あふれるれんこん餅とあずきを
香り高い抹茶がからんで
みたされた胃を甘さでしあげてくれる。

こうして、3時間
寡黙なご夫婦が順番にお料理を運んでくださり
わたしたちのペースなどをよく観察してくださり、
また簡潔に説明をしてくださった。

寡黙とはいえ、こちらから水を向けると
実直なお返事と、はにかんだ笑顔を返してくださる。

お店の佇まい、内装、調度の端正さ、
染付中心の和器の質素さに、ガラス器が華やかさと清涼感を添えて
さらには漆器がここぞというときに存在感を示す。

すべてがご主人によりコントロールされて
何一点、客側にストレスを感じさせることがない。
ご主人の創造力、おもてなしの精神がすばらしい料理を生み出す。
見事な追求心!見事な遊び心!という他ない。

いみじくも家内がいった。
「ここやったら、ワインを頼んで品切れなんていうことないやろなあ」
言い得て妙である。

わたしがこうしたお店に行くのは
このような立派な仕事をされる世界を体験したいからだ。
その目的は
『見る目を高める』という一言に集約される。

これらの味わうこころ、姿勢、スキルを磨くことは
ほかの何ごとにつけても、本質をじっくり定めていく行ないの技に
とても役に立つ気がしている。
(もちろんわたし個人としての力はまだまだだが)

さて、お料理、雰囲気、ワインを堪能して
お勘定、「こんなにリーズナブル?」
群を抜くコスト・パフォーマンスである。

偶然に見つけたこの名花、名店は
人知れず咲く野の花のような極上の料理店だ。

さらに深く魅了されたわたしたち二人であった。
今度は実りの季節に来ようと思う。

コンサルティングに強い経営エンジン研究所/税理士法人小笠原事務所
大阪 小笠原 でした。


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