御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

今日は、事務所の内部研修で
哲学のことをふりかえりました。

スタッフ一人ひとりに哲学を学ぶ意味は何か
と問いかけてみました。
各人各様の答えがありました。

興味がある、人生に役立つだろう、
よくわからない・・・などなど

みんなのあと、私が哲学に取組み意味を
話しながら、考えていきました。

私たちは、関与税理士として、またコンサルタントとして
お客様企業に関わっていきます。
そのときに、企業の課題を正確につかみ
適確なアドバイスや問題解決をしていかなければなりません。

そのためには、なにより出発点として
すなおな姿勢が必要になります。

すなおにものごとを観察し
すなおに話を聴き
すなおに考えるのです。

「すなおに」とは、とらわれのない心で為すということです。
どうすればそれができるのか?
その答えを求めて、哲学を学んでいるわけです。

哲学(西洋哲学)は、古代ギリシャで生まれました。
それは、世界の本質は何か?という疑問から興りました。

それまで、人間は自然現象などを、神話的に解釈していたのです。
雷が落っこちたのは、神様の怒りが爆発したのだとか・・・
それをギリシャの哲学者たちは、
もっと、なるほどと納得できるしかたで説明しようとしました。

そして、ソクラテスは新たな問いかけ、
「われわれはいかによく生きうるか?」という問いを設定しました。

ソクラテスの弟子のプラトンは
すべてのものには、その本質=イデアがあると考えました。
それは、理想、意識に重きを置くタイプの人間の代表です。

その弟子、アリストテレスは
自然、個物、観察を大事にしました。
プラトンと対照的なタイプの人間の代表です。

それ以来、理想型と観察型の見る世界観のちがいは
哲学上の対立の大原因です。

キリスト教を哲学的に説明することに
費やした長い時間のあと

考える我と、事物の本質とを分離し
自我=合理に重きをおき
私は何を知りうるか?の問題を設定し、
近代の扉を開けたのはデカルトでした。

人間の脳みそは白紙で始まり、経験によって自我はものごとを
認識するという経験論(イギリス)と
考える私には先天的な思考パターンがあるとした
合理論(フランス)の対立をうまくまとめたのは
ドイツのカントでした。

カントは
永遠、無限、神、生と死といった形而上学に
回答はない、解決はできないとした上で

意識と物自体の世界を分け、
物自体を我々が直接体験することはできないが
我々に備わっている、物を感覚し、解釈する
脳みその認識パターンに共通の特性があるとして
科学や倫理の確実性を保証したのである。

そこまできて、その後ヘーゲルの歴史哲学を経て
ニーチェは、こうした哲学を否定しました。
それ以降の哲学は、もはや世界の一元的解釈ではなく

実存としての自己の生き方
論理形式の探求
構造が世界を作っているなど
さまざまな哲学者が、さまざまな流儀で
自己の課題を追求していると考えてよいのでしょう。

こうした流れを学びながら
私が感じていることは
人間は、決して外物を真実に理解することはできないということです。

それはどういうことか?
私たちが脳みその中で理解している外界とは
私たちが、六感で感じた情報を
神経を通じて脳みそ(意識)が解釈した、
エンコードしたものだということです。
それは、まるでスクリーンに映った映像です。

私たちは、外物=他人、現象を完全には理解できない。
だからできるだけ、とらわれのないスタンスで情報をキャッチし
解釈しなければならない。
これが、私の哲学を学んでの結論です。

外界(他人、現象)→私の感覚器官→私の意識(考え解釈する)

科学とは仮説です。
リンゴが落ちることに対して、万有引力という
目に見えないものを仮に設定した。
すべて人が考えることは、仮説です。

それは決して正確にはなりません。
現象を説明し、自然を利用するのに妥当に機能すればよしなのです。
それは、どんどん更新されていきます。
どんな、巧みな説明のしかた、革新的な考えが
生まれてくるのでしょうか?
とてもとても楽しみです。

「すなおに」のスタンスは
たとえば分析においては
「よく観、よく聴き、よく訊き、よく分かる」になりますし
反省においては
「よく観、よく聴き、よく訊き、よくふりかえり、
よく気づき、よく決める」になりますし
コーチング対話においては
「よく観、よく聴き、よく訊き、よく伝え、
よく認め、よく祈る」になるでしょう。

どれにおいても
「よく観、よく聴き、よく訊く」は共通です。
このフェーズでは、批判的ではなく、
すなおにすることがもっとも大事だと思います。

それができたとき、常に答えはすっとでてくるのではないでしょうか?
そうなれるようにすることが修養ですね。私にとっての。

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。


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