御堂筋税理士法人創業者ブログ

ジェラルド・M・ワインバーグという人が書いた
『コンサルタントの道具箱』を読んだ。

彼は、システム系のコンサルタントの出身のようだが
内容は、コンサルタントに限らず、
およそ対人折衝を伴う仕事をする人にとって、
新鮮な気づきを与えてくれる、価値ある本である。

彼は、長年にわたる仕事の経験から得た教訓を、
いろいろなアイコン(象徴的なもの)にして
わたしたちに示してくれる。

それは、彼自身が仕事の上で必要なときに、
いつでもそれらを思い出し、使えるように、
そのような形でノウハウ化し、自分のものとしているのだろう。

せっかくだから、その内容をご紹介しようと思う。

『知恵の箱』
 …何が正しくて何が正しくないかを知る能力
『金の鍵』
 …新たに学習し、実践する分野への扉を開き、
   それがいまの自分に合わなければ占める能力
『勇気の棒』
 …新しいことに挑戦し、失敗の危険を冒す勇気
『願いの杖』
 …自分の欲しいものを求め、
   必要とあれば、それが手に入らなくてもどうにかする能力
『探偵帽と虫めがね』
 …データを調査し、そのデータについて推理する能力
『イエス・ノーのメダル』
 …イエスという能力、ノーという能力
『ハート』
 …仕事に心をこめ、それも善意だけではなく知性によって行なう能力と意思
『鏡』
 …自分を見る能力、自分に対するフィードバックを求めて生かす能力
『望遠鏡』
 …他人を見る能力、直接、見たり頭で考えたりしても
   わからない部分までじっくり理解する能力
『魚眼レンズ』
 …状況判断の能力、自分や協力者との関係に
   周囲から影響を与える要素を見る能力
『ジャイロスコープ』
 …内面の感覚と外面の行動の調和とバランスを保つ能力
『卵』
 …自分の持っている必要なものをすべて使って、
   成長し、発展し、学習する能力
『カラビナ』
 …安全を確保して、無用なリスクを避け、
   その代わり分かれ道などではリスクを承知で前に進むことができる能力
『羽根』
 …行きづまったときに、ほかの道具が使えるようにリラックスする能力を与える。
『砂時計』
 …ためになることをする時間を作り、時間を有効に使う能力
『酸素マスク』
 …バランスのとれた生命にあふれる瞬間だけでなく、
   バランスをとって生き続けられる人生の象徴

わたしは、個人的には、
『知恵の箱』、『願いの杖』、『ハート』は、もっと早くから教えてほしかったものだし、
『鏡』、『望遠鏡』、『魚眼レンズ』はセットで大事だと思った。
また、『カラビナ』、『羽根』、『酸素マスク』は、
自分の健康のために、常時備えておきたいと思った。

これらの道具は、仕事や顧客との関係を率直で生産的なものにし、
自分のこころの健康を保つための、仕事の達人が学んできた秘訣である。

ワインバーグは、これらの道具の使い方を、軽快に、独特の知性にあふれ、
ちょっぴりシニカル(皮肉も交えて)な語り口で、わたしたちに語ってくれる。
日本語訳もこなれて訳書とは思えないほど読みやすい。

彼は、これらの道具を、透明の道具箱に入れて、
仕事の際は、いつも持ち歩け、とアドバイスしてくれる。

ご興味がおありの方は、ご一読をお勧めする。
きっと、本の中から、自分を楽にする仕事の極意をいくつか、
あるいはたくさん見つけることができるだろう。

それを抜き取って、手帳に書き留めるか、ワードでまとめたら
あなたも、本からの栄養を自分の力に換えることができると思う。

コンサルティングに強い経営エンジン研究所/税理士法人小笠原事務所
大阪 小笠原 でした。


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