御堂筋税理士法人創業者ブログ

『四角い部屋を丸く掃く』
最近、わたしがよく使うセリフだ。

どういう意味かというと、
わたしたちは、ともすると
自分の部屋の床掃除をするときに、
隅々まで掃かずに、適当にまんなかあたりを丸く掃いて、
それで掃いた気になっているのではないかということだ。
ところが、ちょっと目を凝らすとゴミが落ちているのが判る。
そこでわたしたちが考えることは、
ルンバを買って掃除しなければならないのではないかと
考えてしまうということだ。

これは何のたとえなのだろうか?
それは、管理者の管理活動についてのたとえなのである。

つまり、管理者は、自分や部下の行動について
しっかりと事実を情報収集していないにもかかわらず
課題の解決をむずかしい手段に訴えようとして
余計にハードルが高くなっているのではないか?
そんなことのたとえ話なのである。

営業部長の場合で考えると、
部下の1ヶ月の活動状況、顧客ごとの訪問回数、業務別投下時間、
重要顧客との取り組みの内容、新規開発活動の内容、顧客との商談スキル
など実際にどの程度、事実を押さえているのだろうか?
必要な数字を押さえ、部下の顧客との取り組みを同行観察しているのだろうか。

また、自分の1ヶ月の業務時間を集計し、
時間の使い方が効果的であるかどうか検証しているのだろうか?

わたしが、複数の経営者、管理者の方々の相談に乗っていて
感じることは、売り上げが上がらないといって嘆かれてはいるが
その割に、事実についての情報が足りないことである。

そこで、必然的にわたしのアドバイスは
情報を取ってください、相手に訊いてみてください、ということになる。
そして、その結果、とんでもないようなことになっていることが判る。
そこで、さっそく手を打つと、事態は速やかに良い方向に向かうことになる。

こうしたことが、あまりにも多い。お定まりのパターンというべきである。

そこで感じることは、売り上げをあげるために、
残念ながら人類全員には与えられてはいない創造力を駆使して
難しい販売促進策を考える前に、

きちんとやるべきことをしていない事実を確認したら
なすべきことをなすように、部下と自分の行動を
しっかり管理することが効果的だということだ。

きちんと訪問していない、
商品を説明するスキルをもっていない、
何に時間を投下することが正しいのかわかっていない、

これらを確認すること、それらをきちんとさせることは
そんなむずかしいことではないのだと思う。

基本的なビジネスを成果あらしめるために必要なことは
高校の物理の理論を持ち込むことではない。
小学校の算数をきちんと使うことが、
成果をあげるためになすべきことなのだ。

だから、営業部長がしなければならないことは
・自分と部下に業務時間の記録をおこない、ひと月の集計をして、
 時間の使い方をレビューすること
・部下の重要なお客様のニーズは何で、
 それを満たすために何に取り組んでいるのかを管理させ共有すること
・既存のお客様との関係を強化するための手順をモデル化し
 定量的に基準と現状とを比較し進捗管理する。
・新規顧客の開発手順をプロセスモデル化し、
 定量的に基準と現状とを比較し進捗管理する。
・一人で、重要顧客を訪問し、わが社の営業マンの営業状況について
 お客様から聞き取りをする。
・営業マンと同行訪問して、営業マンの力量について観察し洞察する。
・個々の営業マンの営業力を高めるためのボトルネックを見つけ
 必要な訓練を施す。
ということになる。

これらのことは、高校の物理の理論に該当するだろうか?

コンサルティングに強い経営エンジン研究所/税理士法人小笠原事務所
大阪 小笠原 でした。


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