続・二宮尊徳先生のお話~報徳思想⑤
2013.09.28
ブログ
第六篇 生活を安定する分度の法則
・何事でも、成しとげようとするならば、
最初から、終わりにどうなるかを見定めておかねばならない。
・・・わが方法は、分度を定めることを本とする。
この分度を立てて厳重にこれを守ってゆくならば、
・・・何の恐れも心配もない。
・分外の結構を分内に入れるな
・・・そなたが今日の心を分度と定め、土台として、
この土台を踏みたがえずに生涯を終わるならば、
それは仁であり忠であり孝であり、
どこまでよい成果をあげるかわからぬほどだ。
およそ人々が成功をして、たちまち失敗するのは、
結構に仰せつけられたことを当たり前のこととして、
その結構を土台にして踏みつけてゆくからだ。
始めの違いがこうだから、
末は千里の違いになることは必然だ。
人々の身代も同様であって、
分外の外にはいってくるものを分内に入れずに、
別にたくわえておくならば、
臨時の物入り、不慮の入用などにさしつかえるということはないものだ。
第七篇 幸福を永遠にする推譲の法則
・「人心これ危く道心これ微かなり。
これ精これ一、まことにその中をとれ。
四海困窮せば天禄永く終らん。」(書経→中庸)とある。
・・・身勝手にすることはあぶないものだぞ、
他人のためにすることはいやになるものだぞ、ということだ。
・・・よく精力を尽して、収入の半分で暮らし、
その半分を推し譲って、
ますます富み栄えるように勉励せよということだ。
・勤倹を守って、年々暮らしを立てるということは、不貪である。
「不貪(どん)」ということは、悪いとはいえないが、
決して「譲」ということにはならない。
もう一段上にあがらないと国家の用をなさない。
国家の役に立たなければ
天恩・国恩に報いるすべがないではないか。
・推道は富貴を永遠に維持する道であって、
富貴の者が怠ってはならないところだ。
それゆえ、わが道は、
富貴を永遠に維持する道だといってもさしつかえなかろう。
・人道の根本は推道
・・・鳥獣は、ほしいものを見ればすぐさま取って食うし、
取れるだけのものをはばかりなく取って、
譲るということをしない。
・・・人間はそうはしないで、
米がほしければ田を作ってとり、
豆腐がほしければ銭をやって取る。
・・・人道という者は天道とは違って、
譲道によって立つものだ。
譲とは、ことしのものを来年に譲り、
親が子のために譲ることからできた道だ。
・・・人たる者は、知恵はなくとも、力は弱くとも、
ことしのものを来年に譲り、子孫に譲り、
他人に譲るという道をよく心得て、
よく実行しさえすれば、必ず成功することは疑いない。
コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。