御堂筋税理士法人創業者ブログ

J・D・パワーという会社があるらしい。
顧客満足度を調べるアメリカの大手企業だ。
そこのオーナー経営者が書いた本が
J・D・パワー顧客満足のすべて』という本である。

私がこの本を手にするきっかけとなった問題意識は
「顧客満足度を測ろうとしても、
  納得のいく答えを得る、適切な調べ方がわからない」
というものであった。

だから、満足度を調べても、
何をしていけばよいかわからないのである。
これでは、調査する価値がない。

最初に満足度の高い企業が重視している
哲学とプロセスについて示してあり
これらが我々が考え、挑むべきテーマである。

・顧客満足を利益に結びつける。
・満足とひいきとの違いを理解する。
・企業特有の「顧客接点」を見極める。
顧客の期待が顧客満足を判断するカギとなることを認識する。
・約束のしすぎに注意する。
・顧客満足の文化をトップダウンによって形成する。
・顧客満足を引き出すために上層部、現場にいる社員各々が果たすべき役割を理解する。
適材採用の重要性を認識する。
・正しい現場判断ができる社員を育成する。
・問題解決でひいき客をつくる。
・顧客コミュニティを形成する。
・顧客満足を引き出すためにインターネットを利用する。
・顧客満足度のスコアだけでなく、ナマの顧客満足に注目する。
・顧客の声(VOC)を軸にインフラを構築する。

仮説と方向性は
顧客満足度→ロイヤルティ→再購買
のメカニズムを解明し、それを高めることだ。
なぜなら再購買率が高まれば、利益に直結するからだ。

ところで、意向のロイヤルティと実際のロイヤルティとはちがうということだ。
さんざん文句を言っても、次また購入する、利用するのはなぜかである。
それは選択肢の数とスイッチングコストによる。

また、満足した顧客は、購買量を増やす結果、
顧客単価が上がる。
「シェア・オブ・ウォレット」(お財布の中のシェア)という。

さらに、顧客満足は公共・非営利法人でも大事だ。
なぜならコストが下がるからだ。

顧客は、推奨者、無関心者、刺客に分かれる。
評判は顧客の支持によって作られ、
それは一度に一人ずつしか作りだせない。
他社より多くの推奨者を育てることが成功のカギである。

その場合、
・ある施策が商品・サービスに対する顧客の印象に
  どのような影響を及ぼすかを判断することと、
・その変化が顧客の行動にどう影響するかを判断すること
が大事だ。

なぜなら、顧客満足は、
利益を発生させる顧客行動に結びつかない限り
意味がないからだ。

サービス業では3つの非常にことなる要因すべてで
顧客を満足させる必要がある。
次の3つの顧客接点である。
・サービスの客観的品質
・サービスの主観的体験
・サービスを受けるプロセス

製造業では、顧客接点は多少違ってくる。
・主要な顧客接点
 ・製品の魅力(機能、性能、デザインなど)
 ・製品の品質
・二次的な顧客接点
 ・セールスのあり方
 ・アフターサービスのあり方

小売業の顧客接点を考える場合
消費者はどのように買い物をする店を決めているか?
小売業での顧客満足を生み出す顧客接点は何か?
がポイントである。

店選びでは
・立地
・品ぞろえ
・価格
・購入時の体験

購入時の体験では
・店内の雰囲気(清潔感、ディスプレイなど)
・接客(親切な対応、呼んだらすぐ来てくれるかなど)
・店舗規則(返品、交換、営業時間など)

店選びの重要判断要因は、顧客満足度に与える影響は少ない。
基本は、どんなことにこだわっているのか
お客様に聴き、それを実行することだ。

期待の先に満足がある。
商品やサービスに対する顧客満足は、2つの要素に対応する。
・将来得られるであろう経験に対して顧客が抱く期待
・顧客経験そのもの

約束のしすぎが失望を招く。
大事なのは、お客様に見通しを立てさせてあげられるか、
そしてその見通し通りの結果を出してあげられるかである。
何かまずいことが起こったら、
その理由を伝えること。
理由がわからなければ、わからないと言うことである。
正直なコミュニケーションは、
顧客を満足させる最も効果的な手段である。

さきほどの推奨者と刺客についてだが
それぞれの人の経験談の背後にある根本原因は、

推奨者
・期待を超えるサービス 47%
・長期的判断による対応 27%
・親切/親身 18%
・製品品質の高さ 11%
・価格の安さ 9%

刺客
・製品品質の低さ 20%
・修理拒否(時間がかかりすぎた) 19%
・無愛想なサービス 17%
・失礼な対応 16%
・短期的な考え方 11%

勝ち組はいつでも、
短期的な採算性と長期的な顧客満足による便益を
バランスさせる方法を見つけているということだ。

最終的な顧客満足は、次の二つの要因によって決まる。
・経営者によって決められたプロセス
・従業員の接客内容

この二つは車の両輪である。
できるだけ、想定される想定外のことも
マニュアルに組み込んでおくことと
社員への権限移譲の双方が必要だ。

社員は、
このお客様にとって、この瞬間を
忘れがたいものにするために
自分に何ができるだろう?
「モーメントをメモリーに」の精神である。

人材採用についてである。
「どんな相手でも仕事なら教えられるが、
 人柄だけは教えることができない」

・顧客と接する機会の多い従業員の採用では、
  専門能力よりも人柄を重視している。
・候補者の段階で最高の人材が集まるよう、
 相場よりも高い賃金を提示する用意がある。

従業員への権限移譲については、
極めて高い顧客満足を得ている企業では
その一線の引き方が他の企業とは
明らかに異なるということだ。

顧客満足についていくらお金を使うかの黄金律は
従業員がその場の状況に流されてはならないということだ。
相手の立場、言い分の正当性をよく見極め
自分の過失を問いなおすことだ。

トラブルに巻き込まれた人たちの
多くが求めているのはお金ではなく、
誰かが自分たちの苦痛を理解し、
その立場を心から気遣ってくれることなのだ。

顧客は、必ずしもそうは見えないかもしれないが、
ときには不手際が生じることぐらい承知している。
しかも、企業が思う以上にその度量は大きい。

企業は最初から品質を最優先すべきだ。
しかし、何かがうまくいかなかった場合にも
窮地から救ってくれる「許容のサイクル」は存在する。
リカバリーは最後の手段ではなく、
むしろ顧客満足を最高レベルに高める
チャンスがもう一度与えられたと考えるべきなのだ。

コミュニティづくりは、
誰でもすぐ達成できるようなものではない。
新のリーダー企業が実力を見せつける領域である。
コミュニティを構築するのに、
必要なものは創造性だけである。

本末転倒に注意せよ。
従業員への顧客満足に関しての
金銭的ロイヤルティについて
決定的な答えはない。

顧客満足の向上や
推奨者の創出のための取り組みを
すべてガラス張りにすることだ。

顧客の声を経営に活かすには
二つの要素が不可欠だ。
・情報・・・顧客満足づくりのための燃料
・インフラ・・・情報を活用するためのもの

次の情報を収集できているか?
・競合他社の顧客に比べ、
  自社の顧客がどれだけ満足しているか把握しているか?
・会社の個々の部署が
 どの程度顧客を満足させているかを測定しているか?
・自社の顧客のニーズを理解しているか?
・顧客満足が自社の企業利益に
 どの程度結びついているかを把握しているか?

顧客は毎日、絶え間なく気まぐれなフィードバックを提供している。
ちょっと立ち止まって耳を傾けるだけでいい。

それを活用するためには
・データを加工・分析する。
・情報を活用すべき立場の人に上げる。

さて、ではどういう観点から顧客の満足度を観察し、調べるかである。
・仮説が必要であるということだ。
 顧客の満足度と企業収益の関係についての顧客の行動仮説だ。
・顧客の期待についてコントロールすることだ。(良い意味で)
 (まだ見えない期待も含め)
・満足度と行動が推察できる質問や調査項目を作ることだ。

まだよくわからないが
顧客満足度を測るしくみを設計してみることにしたい。

コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。

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