御堂筋税理士法人創業者ブログ

わが師、森信三先生は、

「『修身』教授録」の中で、

人間は自覚的生涯をすごすために

学に志すことがだいじで

(1年目第7講)

   ↓

そのためには、学問と修養が必要で

(1年目第8講)

   ↓

それは読書、とりわけ

偉人の伝記にふれること

によることが大きい

(1年目第9講)

とおっしゃっておられる。

すべての人間の自覚的な生涯は、

 いわゆる大学の道をこころざす

 志学に始まるといってよい。


 大学の道とは、

 わが身を修めることを中心としつつ、

 ついには天下国家をも治めるに至る

 人間の歩みをいう。


 孔子の志学は、

 自分の生命を生涯をかけて磨き、

 道により治めずんば已まぬという

 一大決心である。


 天からうけた力の一切を

 生涯をかけて出しきり、

 国家社会のお役に立つところ以外に

 人生の意義はない。


 人間の力とは井戸水みたいなもので、

 水をかい出してもまた

 元のように貯まるものである。


 天からうけた力を出し切るには、

 偉人の伝記を読むことから

 始めるのがよい。


 その偉人をして

 そのような一生をたどらせた、

 真の内面的動力は何であったのかを

 突き止めるのである。」


読書の人生における意味は

 非常に重大で、

 学問・修養も

 読書抜きではとうてい考えられない。


 読書の人生に対する意義は、

 「心の食物」ということばが

 もっともよく当る。


 人生における深刻な経験は

 優れた心の養分だが、

 読書による教えの光に

 照らしてみない限り


 いかに貴重な人生経験といえども、

 その意味がないばかりか、

 時には自他ともに傷つく結果ともなる。


 これはちょうど劇薬が、

 うまく生かせば良薬にもなるが、

 知らなければかえって人びとを

 損なうのに似ている。


 人間の内面生活の半ばは読書に費やし、

 他半分はかく知り得たところを実践して

 現実上に実現していくこと。

 

 多くの人がそれに気づいていないのは、

 その人がおめでたく

 大した志ももたないからである。

 

 真に大志を抱き

 実現していこうとする限り、

 何より偉人や先哲の足跡と、

 こもる思想信念を探る以外道はない。」


さて、学問といえば

東西の哲学だが

西洋の哲学といっても

まずは、ギリシャ・ローマの

歴史・思想・詩歌が土台だと

いろいろな人の本を読んで

思うようになってきた。

そこで60の手習い

失った時間を取り戻すように

書生よろしく

あれこれと古代の

本をひもといているのである。

さてそんな中で

出会ったことばが次のことばだ。

「(伝記を書く楽しみとは)

 歴史を言わば鏡のように使って、

 書いた人々の徳を手本にして、

 自分の生き方を

 それと同じように美しくしようと

 思うからである。

 とはつまり、

 私はこういう人々といっしょに

 日々を暮らして生きている

 ようなもので、

 言わば、

 その一人一人を順に、

 歴史から客として迎えて同席している。

 何と偉丈夫の、

 また、何と立派なお人か

 (ホメーロスのイリアスより)

 を観察しつつ、

 これらの人々の主な、

 最も重要な行為を

 知ろうとするのである。

 さてもさても、

 これにまさる喜びが得られようか。

 (ソポクレス)

 そして、

 性格の改良のために、

 これに勝る有効な手立てがあろうか。」

プルタルコスの英雄伝に

出てくる言葉である。

森先生の、

伝記を読みなさいよとの

教えを受けて、

表現の適切さとともに

そのとおりだなあと

深く感じ入ったしだいである。

まあ昔から

子供は英雄の絵本を見ながら

血沸き肉踊らせ、

ぼくもこうなるんだと

その英雄気取りになったものだ。

私の若いころも

高倉健の映画を見終わって

肩をいからせて

映画館から出てきた

学生やあんちゃんはいっぱいいた。

人間は

ストーリーで学ぶし、

それでこそ、頭にはいる。

ビジネススクール風にいうと

ケーススタディということである。

経営コンサルティングと会計事務所の融合

組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人

税理士コンサルタント 小笠原 でした。


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