御堂筋税理士法人創業者ブログ

ようやく

アダム・スミスの

『道徳感情論』を読み終えた。

 

 

いつもながら、

「ふーっ、終わったあ」っていう感じ。

なにしろ

1ページにびっしり字がつまった

文庫版で本文674ページもある。

普通なら、上下2冊のしろものだ

 

彼は、人間の道徳感情のみなもとを

『行為の適合性』というコンセプトに置く。

つまり、そのやったことが

状況にフィットしたかどうかである。

 

フィットしたら賞賛と報償が

しなかったら非難と処罰が

与えられる。

 

こうした適合性の基準を満たした行いが

社会の規範となる。

 

それが正義の基準となる。

正義は徳の中心的な概念であって

ギリシア=ローマの倫理学では

思慮・勇気・勇気・正義の『四徳』の中で

一般規則が求める外見的行為を

正確に決める徳が正義である。

 

ところでこの適合性には

結果としてのそれと

目標としてのそれがあるという。

 

人間には運や能力のちがいがあって

必ずしも目標と結果は合致しない。

 

結果は誰にも見えるが

目標は内的なものなので見えない。

 

そこでスミスは

他人のそれについては『共感』

というパッションを、

自分のそれについては

『内なる観察者』というコンセプトを置く。

 

いずれも

有徳であるためには

だいじなことである。

 

彼は、次のようにしたためる。

 

『賢明さの

第一にして主要な目標は安全である。

 

それは、

我々の健康、繁栄、地位、あるいは評判が

あらゆる種類の危険にさらされることを

ひどく嫌悪する。

 

それは、冒険的というよりも、

むしろ注意深いものであり・・・

 

それが我々に告げる繁栄増進の方法は…

仕事や職業における本物の知識や熟練、

それを遂行する際の

弛みない努力と勤勉、

あらゆる支出における節約や

ある程度の倹約、である。

 

賢明な人物は、

彼が理解していると自称していることの

すべてを理解するために、

いつも真剣かつ熱心に勉強する。

 

だから、彼の才能は、

必ずしもずば抜けてすばらしくはなくても、

つねに、間違いなく本物である。…』

 

『もっとも賢明で善良な人物は、

自分自身の品性と振る舞いのなかに、

欠点と不完全性だけしか見ないだろう。

 

賢明で有徳な人物は、

的確な適合性と完全性という理念に

留意する。

 

賢明で有徳な人物の心のなかでは、

振る舞いが的確な適合性・完全性をもつか

自分自身を観察しつづけることは、

これ以上ないほど

正確かつ繊細な感受性をもって遂行され、

しかもその際に、

最大の配慮と注意が払われる。

 

日々何らかの品性が改められ、

日々何らかの欠点が修正される。

 

彼は、他の誰よりもこの理念をよく学び、

いっそう明瞭に理解しており、

並外れて正しい心象を形成しているから、

その魅力あふれる神聖な美しさに、

より深く心を奪われる。

 

彼は、可能な限り、自分自身の品性を

この完全性という規範に

一致させようと努める。

 

だが、彼が模倣しようとするのは、

並外れた芸術家の作品であり、

それに並ぶのは不可能である。

 

彼は、自分が遂行した最善の努力は、

すべて完成の域に達していないと感じ、

悲嘆と苦悩のうちに、

いかに多くのさまざまな特徴について、

人間の模倣が

不滅の原型に及ばないかを悟る。

 

彼は、注意力不足、判断力不足、

さらには平静さの欠如から、

言葉と行動の両面だけでなく、

振る舞いと会話の両方で、

完全な適合性という的確な規則を

どれほど頻繁に犯してきたか、

 

さらにまた、

彼が、自分自身の品性と振る舞いを

適合させようと望みはしたものの、

その模倣から

いかに隔たってしまったか、

これを、懸念と恥辱とともに

思い起こすのである。』

 

なんとも観察的で、真摯な洞察である。

まさにそうあっていかなければならない

心の姿勢だと思った。

フランクリンの13の徳目は

まさにこうした考えの実践だと思った。

 

国富論では経済的視点で

そしてこの道徳感情論では

社会的・倫理的視点で

ある種、正反対のプリンシパルを

見出しており

観察者の面目躍如である。

 

一生涯を独身で学問に精進し

地位と尊敬を得た

スミスの人柄がしのばれる

言葉が紡がれた思想である。

やはり、読んでよかった。

 

会計事務所と

経営コンサルティングの融合

 

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

 

小笠原 でした。


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