御堂筋税理士法人創業者ブログ

約2年にわたって連載させていただいている信用調査会社の会報誌のおすそ分けです。

要約
1 後継者・幹部を育てようとすれば、生産性を上げ魅力ある会社にし、育成に注力しなければならない。
2 経営者を育てる方法は、ただ一つ経営をさせることである
3 人を育てることが、経営者の仕事である

プロローグ
 ドラッカーは、著書マネジメントの中で主要な経営課題はマーケティングとイノベーション、生産性だと述べています。さらにそれに加えて、人材特に経営人材の育成は異次元の本質的課題だと論じています。なぜなら個人は時間的に有限の存在である一方、企業は永続を求められるからです。ということで、今回は経営人材の育成について考えてみます。

1 中小企業の事業承継問題の解決策
 私は仕事柄お客様の事業承継問題にも深く関わってきました。すでに私自身の事業承継の路線は敷きましたし、今も投資育成会社などで事業承継の研究会にも携わっています。
 中小企業における事業承継の形は近年急速に大きく様変わりしてきました。それは承継者が、親族から広く非同族者に転換してきたことです。直近では全体の7割が非同族承継となっています。
 しかもそもそも承継者が見当たらないという場合も多いのです。その点に関して、たいへん厳しいことを言わせていただきます。よく経営者の方が「うちには頼りになる幹部がいないんですよ」などと言われます。しかし私に言わせれば、それはいないのではなく育ててこなかったのだということです。自分自身の問題を他人事のように捉えてはいけません。自らがしてきたことの結果と捉えなければいけないと思うのです。
 力のある人がいれば、事業は発展します。とすれば、経営ではまずはいかにして力のある人を採るかが課題となるでしょう。その上でその人をどう育てるかです。紙面の関係で結論だけを言います。

(1) 経営人材の獲得と育成を経営の主要課題と位置づける
 そもそも経営計画でこれを主要経営課題と位置づけることが必要です。ほとんどの会社でテーマ化されていません。
(2) 経営人材を惹きつける魅力を創り出す努力をする
 人材が枯渇している今の社会では、給与面、働きがい、会社風土が魅力的でなければ有為な人材は来ません。そのためには前回話した生産性を高めることが前提となります。
(3) 経営人材を採る工夫と努力をする
 親族の動機づけ、知り合いの一本釣り、リファラル採用、仕入先・得意先の人材勧誘、スカウト会社活用などありとあらゆる方法を試してみます。
(4) 経営人材が育つ組織にする工夫をする
 人材育成計画をしっかりと作り、責任者を決め、就業時間の15%は育成に使い、1on1の風土を創り、トレーナーとしての上司をしっかりと訓練していかなければなりません。そして後継者幹部の教育は経営者自らがしなければならないのです。
(5) 人材育成にメリハリをつけておこなう
 後継者候補だと定めたら、利益責任のある重要な仕事をさせ、外部の人たちとの交流をさせ、外部の研修に出させ、経営者として必要な長期の視点、大きな視点を身につけさせます。

2 後継者・経営幹部が持つべき資質と資格
 ドラッカーは「トップが偉大なときだけ、企業は偉大たりうる」と述べています。ですから、経営者はその可能性のある人を選ばなければなりません。偉大なローマ5賢帝の一人マルクス・アウレリウスでさえ凡庸な息子を選んでしまいました。経営者は、冷静な評価眼と判断が求められます。
 後継者・幹部に求められる資質とは、仕事ができることと人柄が優れていることです。仕事ができない人を引き上げる人はいません。問題は人柄に難のある人を引き上げてしまうことです。
 ドラッカーは、人柄を『真摯さ』と定義しています。そして「真摯さに欠ける人を管理者にしてはならない。なぜならそれは後から身につくものではないからだ。」と断言しています。私もそのとおりだと思います。
 真摯に欠ける人とは、一言でいうと他人が悪いという思考回路の人をいいます。こうした幹部は多くの会社にいます。そうした問題を抱えている経営者の皆さんに忠告します。彼を降格させて本人と周りの人たちを楽にしてあげてください。

3 後継者・経営幹部の育て方
 経営者を育てる方法は、ただ一つ事業と損益に責任と権限を持たせ経営を体験させることです。そして経営者が毎月コーチングをしていくことです。そこで、戦略的思考法やロジカルな考え方を植えつけ、経営のコックピットと目標管理シートを使い、数字と課題の目標管理をさせ、かつ時間の管理をさせるのです。私も5年かけて、後継者に事業決定権、人事権、資金運用権の経営3権を委譲していきました。
 一方では、経営者に必要な価値観の勉強が必要です。そのために読書をさせ研修に参加をさせ、経営者としての使命感や信頼される人格をブラッシュアップさせるのです。

以上

以上、とても広範で重いテーマについて概説しました。理解しにくいところもおありだったかもしれません。詳しくお知りになりたい方は、HPから小生に質問いただければ、できる限り対応させていただきます。
以上

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