御堂筋税理士法人創業者ブログ

先日、とあるお客様の会社の

株主総会に出席させていただいた。

立場上、出席する義務があるからだ。

この会社は

きちんと株主総会を開いておられる。

中小企業ではめずらしい会社だ。

株主は創業者(故人)の

次、その次の世代に

分散している。

今回は、孫の世代の

株主にもぜひとも

総会に出てくださいと

ご案内をされた。

そして、そのうちの

お一人が出席された。

総会では

決算報告がなされ

業績の動向について

いつもながら

熱心な討議がされた。

今回は第二号議案として

株式の買取を含めた

今後の株主構成のあり方について

話し合いをすることになっている。

この会社はこれから第三世代の

経営者の時代に入る。

しかし創業家からは

その候補者が今のところ

見当たらない状況である。

そこで社員の中から

適格者を育てて行こう

という方向性である。

それを見越した場合

株主構成の見直しの

機運が高まっている。

私は、請われて

株主構成のあるべき姿や

株式の取引価格について

一般論とこの会社の場合の

考え方を報告書にまとめた。

それを縷々説明させていただいた。

それはとても繊細な問題で

私はできるかぎり客観的な視点で

報告書を書き、

説明をさせていただいた。

要旨は、

このような企業では

今後、社員経営者が経営する

また、提携やM&Aをするなど

企業経営のあり方には

選択肢がある。

社員経営に向かうとすれば

所有と経営の分離がなされるが

その場合、

経営者が経営しやすい

また経営監視が行き届く

所有のかたちがもとめられる。

あるいは、従業員たちが

株式をもつようにすることも

考えられる。

いずれにしても

株式が分散し続けると

経営への思いも分散し

企業統治にも支障があるうるため

適切に分散した株式は

まとめておいた方がよい。

その場合、

株式を会社が買い取るなどの

方策もある。

価格については、

税務署の評価額が参考となるが

下は額面から、上は評価額まであり

実際にはその間の

どこかで折り合うことになる。

いずれにせよ、

大事なことは

この会社という存在は

大切な公器であり

社員にとっては

命を育む泉だということだ。

ぜひこの泉を

清らかな水が出続けるように

していきたいものですね。

といった報告をして

株主の皆さんの討議をお待ちした。

皆さん、創業者であられる

お父様、お爺様に対する

敬愛とその遺物である

この企業に対する思いは

想像するに難くない。

なかでも、次世代株主が

「このような自らが貢献していない

ところから配当などを

もらうと申し訳なく

とても受け取る気にならない。」

と発言されたのには

とても驚き、新鮮さを感じ、

また、その生真面目さに

感心もした。

参加株主の方も

おっしゃっておられたが、

皆さんが、おおむね70才を

超えるこの折

こうした問題は

そろそろ議論し行動しなければ

ならない旬時であろう。

しかしこうした問題は

当事者だけでは

なかなか切り出しにくいもの

私という

第三者が入らせていただいて

個別にお話をお聴きして

意見を会社にフィードバックし

なんらかの方向性が

合意できたとすれば

私たちの貢献ができると

いうものである。

そういう思いから

私は、個別にお話を

お聴きさせていただきますよ

とご提案申し上げた。

皆さんも

それについては

多少意味があるかもしれないと

感じられたようであった。

こうしたことも

私たちの大事な役割である。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所

大阪 税理士 小笠原


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