御堂筋税理士法人創業者ブログ

営業マンの個別指導をさせていただいているお客様がある。
昨日はその訪問日であった。

個人別に、有望なあるいは重要なお客様をピックアップし、
東京商工リサーチ資料(TSRレポート)
や自分でまとめた資料でのお客様の分析や
営業でのお客様へ確認、質問することなどを検討し、
はては、取引のよしあしをアドバイスしている。

私も長年、さまざまな企業を見てきたので
資料を拝見して、彼らの話を聞けば
あらかたの取引先の様子がわかるという自負はある。
そんな中で、営業マンがいままで知らなかった
得意先の見方や判断のしかたがわかれば
彼らの力が増すと思ってお手伝いをさせていただいている。

さて、そんな話し合いの中から、昨日も新たな視点が出てきた。
ある会社の分析でのことである。
私;「そのお客さんから、なんぼ粗利益をもろているの?」
A君;「月に30万円くらいでしょうか。」
私;「年間360万円やな、それで売掛金はなんぼある?」
A君;「8,500万円くらいです。」
私;「すると8,500万円投資して、360万円の利益や。利益率はなんぼになる?」
A君;(電卓をたたきながら)「えぇーっと、4%くらいです。」
Dさん;「それに、在庫があるやろ。」
私;「在庫はなんぼくらいある?」
A君;「3,500万円くらいかなあ。」
私;「それじゃ11,000万円の投資で、360万円のリターンや、3.2%やで。
   ここの信用状態は、ムーディーズでいうたら投機的格付けやろ。
   11,000万円回収するのに何年かかるのや?
   それならこの11,000万円を引き上げて、
   よそのいいお客様に突っ込んだ方が、会社としてはずっと利益が挙がるで。
   360万円の粗利いうたら、わが社の粗利のうちのどれだけを占める?
   はらをくくって、引き上げ(アドバイス)。」
Dさん;「経理の僕が日ごろいうてることを小笠原さんがずばっと言うてくれたので
   よかったです。」

こんな感じで次から次へと、
決算書やらTSRレポートやらを見ていってジャッジしていくのである。
まあ資料を見れば、即、取引すべきかどうかジャッジできる。

そこで、私はあるジャッジの基準モデルを提示した。
それは、信用格付けと取引についての投資収益率基準モデルだ。
その会社と取引することでゲットできる粗利益÷(売掛金+在庫)のミニマム%である。
Sランク 10%
Aランク 12%
Bランク 18%
Cランク 24%
Dランク 36%
Eランク 48%
そもそもD、Eなど取引するかどうかは問題だが…。

それでもこのモデルを使うと
営業マンは販売するもの、建値、回収条件など
具体的にシミュレーションできる。

さらに、会社内での承認業務の上で
共通の言語ができるはずである。
さっそく、社内書類にその計算欄を作るとのことである。

もちろん、この試算
たとえば加工品の場合、別のところに落ちる粗利があって
考慮しなければならないとか、
仕入れの条件で金利がかかるとか
さまざまなコストなども顧慮しなければならない。

それだけに、綿密に計算すれば
その取引を客観視することができて、
変にめくらめっぽうその取引に固執することはなくなるだろう。

私のねらいとしては、
営業担当者の、顧客との取引についての
盲目的な狭い、べったり視点に、
広くゆったりとした客観的、経営的観点を注ぎ込むことだ。

さて、今回は
来月までに次の3つのこと整備していただくようにお願いした。
・すべての顧客について現在ある信用判断資料に投資収益率を計算して盛り込むこと。
・社内の取引検討様式に投資収益計算欄を設けること。
・顧客台帳のファイルを用意して、重要顧客の信用資料・決算書などは歴史順にファイルすること。

以上でその日のまとめとした。

コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。


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