御堂筋税理士法人創業者ブログ

住宅会社の経営会議に出ている。
目的は、計画の業績を挙げるために
有効な議論をし、意思決定をすることだ。

わたしは、社外取締役の立場で
参画させていただいている。

中小企業では、

外部者の経営への参与は不可欠だ。

住宅会社の経営管理のポイントは
利益算式でいうと第2方程式
S=P・Q
つまり、売上高=単価×数量で考えると

Pでは、受注単価と粗利益率
Qでは、平準化と総工期短縮
である。

さて、そういう観点と
この会社のビジネス・モデルを念頭において
会議での報告・発表を、
資料を見ながら、聴いていく。

 

最初に、議事録作成係が

前回の議事録を読み上げる。
これは、前回の話しのリマインドと

課題の進捗報告が目的である。

 

連続ドラマ番組の

前回までのあらすじてな感じで

とてもおさらいになる。

認知症老人にはありがたいこと

きわまりない。

みなさんにも絶対にお勧めする。
 

そして会議に入る。

はじめに、経理部長による
全社経営のコックピットの報告である。

住宅会社の経営では、
業績は、1年先くらいまで見えるのだから、
業績の実績は、
当然に決算のフォーキャストで見ている。
それでいくと今年の計画は
工務がしっかり工期を守れれば、
ほぼ達成できるはずである。

だから、焦点は、
受注の活動と実績が計画どおり
うまく行っているかどうかである。

これが、残念ながらやや心もとない。
したがって、わたしの関心は
あとで発表がある営業の活動状況に
たいへんに高まるわけである。

次に、全体的な営業活動から
受注→着工→完工の数字を見る。

ここが、管理ポイントの

Q=数量の平準化の最大の分析点である。
この根源は、受注の平準化である。
 

これが残念ながら波がある。
交流電気の波形である。
ある程度はしかたがない一面もある。

そこでその波を、

着工のところで整流化するのである。
ここが、重要なマネジメント項目だろう。
実際には、多少整流化できているが
それでも、完全な
直流電気の波形にできていない。

その上、実際に工事に入ったあと
再び、また月々の波が

増幅してしまっている。
 

困ったことである。
現場監督の諸君の意識覚醒が
強く求められるところである。

さて、報告は

個別のマーケティング活動に移る。

 

この会社には、
新築が3部門、リフォームが1部門、建売が1部門、

それに、Web中心のマーケが1部門ある。
だから、多様なビジネスモデルで
わたしとしてはたいへんにありがたい。

それぞれ、部門のコックピットと

目標管理シートで

業績、課題の活動と成果を

報告ねがう。

新築は展示場集客のパターンなので

プロセス管理の流れは
展示場来場者数×弊社来館率→
有効名簿数→見積り→受注となる。

この流れの源泉(いずみ)は来館率である。
ここが最初の管理ポイントである。
これが相当改善された、とはいえ
まだまだ他社に劣る。
セリーグ5位てな感じである。

そこを質問させてもらい、
フィードバックする。
努力と成果はみとめる、
だが、まだまだポテンシャルがある。
 

その割には、目標管理シートにおける
書き様の深みが足りないと感じた。
失礼ながら率直な感想を述べ、
すなおな意見交換をさせてもらった。

また、他の部門では
コックピットでの
営業活動から成果にいたる方程式の
管理指標(KPIという)で
マネジャーの基準値つまり仮説
(もくろみ、つもりである)
と実績値が、
指標によってかなり違っている。

そこの目算はずれの理由を質問した。
SUUMOからの問い合わせが多く
リアルの面談ができないという。

なるほど、では、どうするかである。
そもそもこうした
Web源泉の問合せというものには
光と影の側面がある。

案件が増えるのはありがたい反面、
粗利益がそがれる。
それ以上に営業パーソンが
それに依存してしまい、
能力の停滞や衰退の可能性があるからだ。

基準値の再検討と対策について
とくと考えてもらうようにお願いした。

Webマーケティングについても同様である。
この活動の報告は、

わたしのような旧石器時代人には
たいへんに参考になる。

その出発点はCV率である。

(コンヴァージョンといって

Web広告に対するアクセス率)
そこから資料請求につながり、
マーケティング・オートメーションを使って
アクティブな顧客をピックアップし、
営業という地上戦へつなげていく。

そうした課題について
どう考えているか質問した。
こういう課題は
本人の思考と探究心により
成果がでるので実に楽しいテーマである。

さて、マーケティングの報告と検討が終わって
次に後半の、設計→打合せ→施工
の活動の検討に入る。

ポイントは、
Pでは、追加受注と完工粗利率の向上、
Qでは、それぞれのリードタイムである。

追加受注ではすばらしい成果が出ている。
担当の方々の努力に頭が下がる。
一方、リードタイムは、これが縮まらない。
特に、契約から着工までの期間が
目標から、相当長くなっている。

コーディネーターの
仕様打ち合わせの時間が
かかりすぎているのである。
彼女らのリーダーが確信犯なのである。

お客様によりそって
時間をかけて進めるのがよいと
確信しているのである。

会社の方針が浸透していないのである。
とんでもないことである。
管理者の責任が問われる。
もう何年もおなじ発表と議論が続いている。

組織として
トップ陣が介入して
具体的に解決が望まれる。

このように、
数値資料による経営プロセスの見える化、
それを使った会議を通じて
会社のビジネスモデル、
その活動と成果の実態把握、
その原因と処方の検討と決定
がなされる。

わたしはそれを通じて
この会社の経営のかんどころがわかる。

ありがたいことである。
わたしの知識が蓄積され、
それは、他の会社の援助に
たいへんな効果がある。

それに、生意気千番を
言わせていただければ、
もしもの場合には、
わたしが社長の代行ができる!
少なくともそういう思いをもって
臨ませていただいている。

また、参加メンバーの皆さんには
経営計画における業績を達成させ、
ご自身のマネジメント能力を高める
最高の機会となるのである。

最後にわたしの所感を

お話する時間をいただいている。

 

今日は、個々の情報と目標管理について

かなり具体的な質問と指摘をさせてもらった。

目的は、発表者の思考の覚醒である。

 

それとともに、

報告を受けるトップ陣や外部者が

どういう視点で発表を聴いているかを

お伝えし、

より効果的な発表をしてもらいたい

ということもある。

会議のあと、午後からは、
経営課題の、具体的に掘り下げた
検討がなされる。

かなり、確立された
マネジメントのスタイルである。

おかげさまで、トップが優秀なので
業績、業容も維持、発展にしている。

設計者としてはうれしい限りである。

みなさんにもぜひおすすめするしだいだ。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の統合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。


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