御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

最近、戦争論の嚆矢であるクラウゼヴィッツ『戦争論』の要約を
読みました。けっこうなるほどと思うところがあり
事務所のニューズレターにしました。
以下はその内容です。
あまり練れていないのですが
なにかの参考になればと思い
転載してみますね。

-瓦町かわら版      復刊第19号 平成21年12月号

 

― クラウゼヴィッツ『戦争論』 ―

 

■経営計画がなぜうまく実行されないか?

 
  毎日ほど、お客様の経営のサポートに携わっていて、
経営の考えが実現していかない最大の原因はなにか?
と考えてみますと、
 力足らずということではなく、取り組んでいないからだ
ということが実感されます。
 野球でいうと、球を打つ技術が低いのではなくて、
そもそも打席に立っていないということです。
 わたしは、常々何をするのかということと、
どのように進めるかということの2つが、
ものごとの実現の2大テーマだと思っています。

 ところが世の経営者の多くは、
「どのように」ということに関心が低いようです。
しかしそこのところが致命的に重要だということを
ぜひ認識いただきたいと思っています。

 

■クラウゼヴィッツ『戦争論』とは?

   ビジネスはある面では、戦争にたとえられます。
それは、利害の反する意志ある他者を相手に活動するからです。
戦争論の2大名著は、孫子の『兵法』と本書です。
わたしはこの手の本は苦手ですが、
今回『クラウゼヴィッツの戦略思考』
(ボストンコンサルティング訳、ダイヤモンド社)という要約本で、
そのエッセンスを学ぶことができました。

 クラウゼヴィッツは19世紀前半のプロシアの名参謀ですが、
思想的に深いものがあり、永く心ある人に親しまれている本です。
ところが大著でむずかしい。
 それはいわゆるノウハウ本ではなく本質的な内容だからです。
今回さわりを読んでみて、これは経営計画の実行を考えることの
参考になると感じました。
 そこでさきほどの「どのように」という観点から感じたことをお話し、
みなさんの参考に供したいと思います。

 

■『戦争論』のエッセンス

   戦争の状況は、混沌・複雑・不安定・なんでもありということでしょう。そんな中で指揮官に求められていることは、
『脳みその柔らかさ』と『強い意志』でしょう。
彼は、その資質を『天才』と呼んでいます。
『天才』とは、「ある特定の活動について
たいへん高度な素質を発揮できる精神」と定義されています。

   そこでは指揮官は、「精神が予想外の事態を乗り越えて
戦いに勝つためには、2つの特性を必要とする。
一つは、暗黒のおいても内なる光をともし続け、
真実を追究する知性であり、
もう一つは、そのかすかな光が照らすところに進もうとする勇気である」と。

   「兵士に求められるのは、勇気と決断力である。
勇気には2種類ある。
自分自身に降りかかる危険をものともしない勇気であり、
自分の行動に責任を負う勇気である。
 前者はさらに、危険に対する無関心さと熱意といった
前向きな動機である。
 この二つが合体すれば完成度が高くなる。

 決断とは、ある特定の状況における勇気の働きである。
行動の根拠がまだ不十分なときに
行動を先送りすることを避けたり、
疑念を払しょくしたりするために行なうのである。

 戦争状況で指揮官にもとめられるのは、
物事の統合力と判断力というさらに高度な知力である。
高い視点からあいまいなものをどんどん取り除いていく力である。
こうした知性と感情の融合体から、
人間を動かすもっとも大きな力は生まれてくる。」

 
  ところでものごとの実行には理論が必要だといわれるが、
うすっぺらな理論などは戦争状態では吹き飛んでしまう。
理論が真に役立つものとなるためには、
その理論を使えば状況を整理できものを考える際に
役に立つという思考の原則になるといったものである必要がある。
そうであればゼロベースからものを考えるよりも、
はるかに強力なツールとな
る。それが理論の役目である。
つまり何が起こるか分からない場面で、
臨機応変に対応していかなければならない現場では、
どのように考えるかといった骨太の原則になるようなものが
役に立つ理論だということなのです。

 

   戦争においても経営計画の実行においても、
いざやってみると想定外のことがいっぱい起こってきます。
これをクラウゼヴィッツは『摩擦』と呼んでいます。
 そこでは、どんな状況でも落ち着いていることが
大事であると書かれています。
 「多くの情報が飛び交うが大半は誤りであり、
これに一喜一憂することなく、
物事を正確に認識することが肝要である。」
 「したがって、生まれつき楽観的でない指揮官や、
実践で判断力を十分に磨いていない指揮官は、
恐怖心を捨てて希望を抱くことにより、
心の奥底にある弱気に支配されないようにしなければならない。
そうすることによって、初めて心の均衡を維持することができる。」
 「戦争という舞台には、宿命的に、
そこかしこに危険が潜む舞台装置が用意されている。
これらをしっかりと取り払ってしまえば、指揮官の目の前には洋々たる視界が開け、それまでの自分の考えが
正しかったことが確認されるだろう。
この舞台装置は、「計画と実行」を隔てる最大の障壁の一つである。」と。勇気づけられる言葉です。


続く・・・
 

 コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。


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