御堂筋税理士法人創業者ブログ

少し前

イタリア、ボローニャの歌劇場の

来日公演が大阪と滋賀で

開かれたので追っかけた。

 

数年前以前は、

日経新聞社が呼んでいた

(NBS(日本舞台芸術協会)と組んで)

ウィーン国立歌劇場や

英国ロイヤル・オペラや

メトロポリタン・オペラを

見に行っていた。

 

それぞれ一流と目される

歌劇場の出張公演でいいのだが

何しろ、チケットが高い。

 

その上、公演が東京に限られるので

私たちのような

ド田舎に住んでいるものには

それに交通費やホテル代が要り、

すこぶるお金が掛かる。

 

いいかげんに嫌気がさして

協会の会員もやめた。

 

昨今では

近所で行なわれる公演だけを

見に行っている。

 

やれ、びわ湖ホールだ、

やれ、兵庫県立文化会館だのが

自分で企画されたオペラや、

 

やれ、プラハ国立歌劇場だの

やれ、ハンガリー国立歌劇場だの

それぞれ伝統はあろうが、

一流とは感じられない

オペラでお茶を濁している。

(とはいっても

 必ず目玉の大物歌手を招くので、

 それに吸い寄せられるわけだが)

 

そんななかでの

ボローニャ歌劇場である。

 

この歌劇場は、

スカラ座やローマ歌劇場と並んで

政府が後押ししている

9つの歌劇場のひとつだという。

 

由緒正しいわけである。

そこで、お値段も、

さきほど述べた劇場などよりも

多少高い。

 

もっとも音楽監督が来ないので

それでもお値段は安いが

気合は入っているのかとの

インターネットでの記事もあった。

 

が評論家の先生の中には

なかなかだと評価されておられる方もいる。

まあそこらは

われわれのようなド素人にはわからない。

 

今回の演目は

大阪のフェスティバル・ホールでの

『セビリアの理髪師』

 

 

滋賀のびわ湖ホールでの

『リゴレット』であった。

 

それぞれが楽しめる

喜劇と悲劇である。

 

『セビリアの理髪師』は、

公爵が遺産持ちの娘を見初め

その取り持ちを、

理髪師フィガロに頼み

このフィガロが知恵者で

彼女の遺産ねらいの

げすな爺さんの後見人

を出し抜くという話である。

 

ここでの主演級の役は

フィガロ、公爵、娘である。

 

一方、『リゴレット』は

最愛の娘を守ることを

生きがいとする

宮廷で悲しい道化を演じる男。

その娘が

偶然見初めた公爵と恋におちる。

道化を侮辱しようとする廷臣たちが

娘を略奪し、それを公爵が凌辱する。

復讐に燃えるリゴレットは

殺し屋をやとって

公爵を亡き者しようとするが、

それを聞き及んだ娘が

身代わりになるという悲劇だ。

 

ここでの主演級は

リゴレット、公爵、娘である。

 

さて、私が聞いた

それぞれの主演級の歌手は

すばらしいできで、心底満足できた。

 

また、オーケストラの

ひびきもあざやかで高らか

これも感心させられた。

 

どちらも期待を超えるものだった。

第一級の歌劇場に引けをとらない。

 

フェスティバルの方は、

日曜日で午後3時からの昼公演

(マチネという)で満席。

 

一方、びわ湖の方は

平日の午後6時半からの夜公演

(ソワレという)

真ん中の平土間以外の席には

空席がめだつ。

すこしかわいそうだった。

 

余談だが、

びわ湖だと、ここかしこで

いろんな方々同士が

挨拶を交わされる。

そういうソサエティがあるのだろうし、

またソサエティ自体が小さいと感じた。

 

フェスティバルでは

そのような光景は皆無だ。

やはり町のキャパシティが大きいのだろう。

 

だが、パフォーマンスに対する

観客たちの反応は

両方ともにとてもビビッド。

ブラヴォー!ブラヴァ―!ブラヴィー!

の連呼でうれしくなった。

 

フェスティバルでの公演では

マントヴァ侯爵の独唱に

拍手がなりやまず、

なかば本音(だと思うが)で

相方がかんしゃくを起こしていたくらいだ。

 

ここらあたり、関西人の

盛り上がりぶりはいいなあ。

東京だともっとお澄ましである。

 

歌手も人間である。

大拍手や大喝采は

当然ながらうれしものだし、

その後押しがあれば

どんどん乗りがよくなっていく。

 

男性歌手たちの

ヴェルディ・オペラでの歌いっぷりは

ベル・カント唱法といわれる

朗々とした空まで突き抜けるような

大きな美声である。

 

さて、今回私がぜひ見たかったのは

リゴレットに出る

デジレ・ランカトーレである。

 

 

彼女のあくまで透明感のある

ソプラノは私の眼をつぶらせ

うっとりとさせた。

 

幕間にスマホで調べると

42才だという。

「ほんまかいな!」

舞台で見ると本当に娘に見える。

 

家内にそういうと

「足太いな」と遠慮なく指摘する。

女は見るところがちがう。

 

第二幕では

なんとスリップ一枚での熱演である。

あとで家内が嬉しそうに

「やっぱりやろニヤリ」とのたまわった。

 

「・・・」

ここは、ソクラテス風にスルーした。

 

びわ湖を出たのは午後9時

それから大阪に帰ったら10時過ぎ

やはり日本
人、特に年寄りには

平日の夜の公演はきつい。

 

いずれにせよ、

近畿でもっとたくさんオペラが

見られる機会があればうれしい。

こうして見させていただくことで

少しでも応援していければうれしい。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士税理士法人

 

小笠原 でした。


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