御堂筋税理士法人創業者ブログ

わたしのすきなことの一つは、

実はオペラなんです。

 

でも日本、

ことに近畿地方なぞに住んでいると

オペラを観る機会もあまりありません。

(まして一流となるとほとんど)

 

しかし10月は3度も機会がありました。

大津のびわ湖ホールで二度

(ここのロケーション、

湖水を一望できる眺めは

世界でも指折りですぜひお越しあそばせ)

大阪のオリックス劇場で一度です。

 

先週の日曜日は、

オリックス劇場で

プラハ国立歌劇場の公演がありました。

 

ベッリーニという人の作った

「ノルマ」というオペラです。

 

劇場にいってびっくりしたのですが

すごい人で、皆さん盛装でした。

まだ大阪でもこれだけの人がきはるんや

とすごく感激したしだいです。

 

日本でオペラを観るメリットは

字幕がでるので

話の筋がよくわかるということです。

 

それゆえ脳みそへ負担も少なく

歌声と演技を堪能できるわけです。

だから作品がよくわかります。

ありがたいです。

 

この日は、ファンにとってはとても有名な

エディタ・グロヴェローヴァという

すばらしいソプラノ歌手が出演し

それを見れるという特別な機会でした。

(彼女はスロヴァキア出身です)

 

話の筋は、

ローマに占領されていた

カエサル時代のフランス、

 

族長の娘で巫女で預言者の

主人公ノルマ

実は敵ローマの駐留司令官と

恋仲でこどもまでできています。

 

当たり前ですが

神に仕える聖職は

乙女でなければなりません。

この時点で道を外れた女です。

 

しかしながらこの恋人

他の巫女と恋仲になり

ノルマを捨てようとします。

 

ノルマはこの恋人をゆるせず

またその巫女から恋の相談を受け

身もだえするほど煩悶します。

 

いままでローマと和平を託宣してきた

彼女でしたが、

恋人に裏切られ

戦の火ぶたを切るように言葉を下します。

 

そして新しい恋人に会おうと

神殿に忍び込み、

とらえられた司令官を

処刑する断を下せず、

 

戦の勝利の祈りに捧げる

いけにえを選ぶにあたり

自らが罪あることを告白し

みずからがいけにえになり

かわいい子供たちの

罪のゆるしを父親に乞いつつ

火刑台に向かうのです。

 

どうもこどもが出ると

もうだめですね。

魂がゆすぶられ、感情が高ぶります。

 

なかなかうまく作られた台本で

それぞれがどうしようもない

運命の歯車のなかでみもだえし

運命に翻弄され、したがわされ、

そしてしたがっていくのです。

 

最後は、ノルマという女の

おそろしいまでの執念と愛情に

男は回心し、

逍遥として共に火刑台にむかい

永遠の寄り添いを意志します。

 

『ノルマ』ー規律を守るべき女の

道をはずした末路です。

でも、そこに人は、人の弱さを

見るのではないでしょうか。

 

命の必然ということばがぴったりの

ギリシア悲劇の劇法をベースにした

やるせない悲劇を

ベッリーニのすばらしい旋律が

セリフを支え、フォローしていきます。

 

なぜこのようなやるせないメロディを

生み出せるのでしょうか?

信じられない精神の所業ですね。

やはり傑作なのではないでしょうか。

 

有名なアリア『清き乙女の祈り』

https://www.youtube.com/watch?v=JxdIt69aHuU

 

グロべローヴァは69歳とは思えない

澄み切った超高音のソプラノと

完璧な声のコントロールで

私たち別世界に誘い込んでいきます。

 

多くの歌い手がカバーする名曲ですが

彼女の歌声はその中でも

最高のものの一つではないかと

感じました。

 

この一瞬を体験するために

これほども多くの紳士淑女が

時間とお金をかけて

劇場に居合わせているのです。

 

音楽が始まった瞬間から

会場全体が、

それまでとはまったくちがう

凛とした静謐につつまれます。

しわぶき一つとして聞こえてきません。

言葉も出ません、

ただ涙だけがほほを伝います。

 

アリストテレスが

いみじくも洞察したように

私たちは、

目前に見る人の悲劇をみて

他人事とは思えずに

あわれみの情を発し、

そして魂が浄化されるわけです。

 

異例の三度のカーテンコール

総立ちの観客の拍手は

いつまでもなりやみませんでした。

 

家内とよかったねえと語り合いながら

ほんの近い家路についたしだいです。

劇の余韻はまだ続いています。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

税理士コンサルタント

小笠原 でした。

 


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