御堂筋税理士法人創業者ブログ

昨日に続いて、

ファィヨールの管理理論の紹介である。

 

昨日お約束したとおり、

彼が経営的会議の意義をどう捉えていたかの

興味ある記述をご紹介しておきたい。

 

なぜなら、それは

まったくそのとおりだと

思わせるからである。

 

□ 従業員にやる気を起こさせ、

    その義務の達成を容易にさせる

    最良の方法の一つは部長会議である。

 

(ファィヨールは、経営的会議を

  部長会議と称している。)

□ 部長会議の目的とするところは、

    企業の運営についての

    指導方針を周知させ、

    各部がそれぞれの部門でなすべき

    協力関係を明確にし、

    部長の出席の機会を利用して

    利害の共通する諸問題を

    解決することである。

 

(会議の目的を

  方針の徹底と問題解決

  だとしている。)
 

□ 各会議の議事録が作成されて、

    次の会議の冒頭に読みあげられる。

    この議事録は、通常は部長のほか
  に出席せる書記役によって作成される。

 

(ここはうれしい。

  小職が実践していることと

  まったく同じだからだ。)

□ これらの能力の結合のおかげで、

    社長は各種の問題の検討に、

    ほかの方法では得られないほどの

    広範さと正確さと迅速さを

    与えうるのである。

 

    比較的短い時間 - 一時間そこそこで-

    社長は事業の一般的進行状況について

    情報を得るのである。

 

(組織論でいう

  コミュニケーションの

  効果性である。)

 

    また、社長は、種々の部が

    ともに利害関係をもつ決定をして、
    それぞれ異なる部が

    互いに助け合う協力関係を

    明確にすることができる。
 

□ 各部長たちは、

    自分のなすべきことを知り、

    一週間後には

    その間に行なったことを

    報告に来ることを考えながら

    別れるのである。
 

(小職の理解では、

  ドラッカーは、

  会議を必要悪として

  捉えている節があるが、

  ファィヨールは

  積極的意義を見出している。)

 

□ 社長もまた一般に

    この貴重な手段について

    大きな注意を払っている。

 

    社長は会議で取り扱われる
   諸問題をあらかじめ注意しながら

    会議の準備をし、

    そして会議録の作成にも注意を払う。

 

(アジェンダの作成への

 トップの意図の盛り込みと

 議事録記載という公式記録の

 重要性の十分なる認識である。)

 

    社長はつねに
    議論が礼儀正しく行われ、

    また全員にとって

    興味あるものであるように、

    必要な努力をするのである。
 

□ 運営のうまい会議は常に有用である。

     それには多少の才能が必要であり、

     その才能がなければ、

     会議は活気なく、退屈そのものとなり、

     成果を生まないものとなる。

 

     なお、他の事情が等しければ、

     会議を有利に利用することを

     知っている社長は、

     これを知らない社長よりは

     はるかに優れたものである。
 

(アンリ・ファィヨール著

 『産業ならびに一般の管理』より)

 

いかがだろうか。

至極当然な意見だと思うのである。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。


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