御堂筋税理士法人創業者ブログ

近頃、中小企業の経営者の方々から
会計事務所との関わりについてお話しを伺う機会が増えてきている。

その中から聞こえてくることは
相も変わらず、以前と変わらない。
会計事務所に対する不満ばかりといってよいからだ。

もちろん会計事務所に満足しておられる経営者もたくさんおられよう。
その場合には話題に出ないのかもしれない。
あるネット上のサイトでの調査によれば、会計事務所になんらかの不満をもっている
経営者の割合は80%にも及ぶという。

不満の内容を思いつくまま羅列すると
・顧客への態度、姿勢が自己本位である。
・仕事が戦略的でなく、単なる処理に堕している。
・経営的なアドバイスがない、リクエストしても逃げる、できるといいながらできていない。
等々である。

このようなお話しをお聴きすると
まず自分はどうかほんとうに反省しきりとなる。
わたしたちも、たくさんの厳しいフィードバックをいただく身だからだ。
その上で、業界としてこれでよいのかと考える。

しかし、このような不満や叱咤をいただくということは
まさに会計事務所への期待の裏返しではないだろうか。

日ごろ、経営者の皆さんと接していて思うことは
経営についての専門知識の欠如と相談相手のなさである。
その中で、企業を存続させていかねばならない経営者の心の叫びが
会計事務所への不満というかたちであらわれていると私は感じている。

税理士という仕事は、税理士法では
「中正な立場で納税義務の適切な履行が図れるように
 他人の求めに応じて税務について計算・代理すること」
だと謳われている。

それによれば、確かに税理士のしごとは税金の計算である。
だが、顧客の立場からはそれだけには捉えられていない。
会社の数字を知っている数字のプロなのだから
経営のアドバイザーであってほしいと願われているのだ。

会計事務所は、中小企業の90%以上で
唯一、毎月顧問料を支払っている専門家なのである。

それゆえ、経営者の方々が
会計事務所に、経営についての適確なアドバイスを期待するのは
当然のことだと私は思っている。

だから、そうした期待に
会計事務所は応えていかなければならない。

そのためには何が必要か?
私は次の三つが必要だと考えている。

・単に数字を数字として捉えるのではなく
 数字を経営的に捉え、経営を改善するためのスキルを身につける。
・そのために、全霊を込めて、経営の実践的な知識・スキルを生涯学び続ける。
・サービス業としての当り前の仕事に対する姿勢を身につける。

会計人をめざす人たちのキャラクターは
当然のことながら、内向的・分析的である。
P・ドラッカーがいみじくも語っているとおり
コミュニケーション能力が決定的に不足していても
大企業の税務専門家として組織内で
海外税務、組織再編税務などのスペシャリストとして
貢献することは可能である。
しかし、独立して中小企業の経営に関わるとすれば
経営者の相談相手としてコミュニケーション能力を磨かなければ
とても仕事の成功はおぼつかない。

それゆえ、とりわけ若き会計人諸君には
税務と会計の専門知識は当然のこと、
経営の専門知識、コミュニケーション能力の向上には
研鑽を続けていっていただきたいものだ。

私も齢60歳に近づいた。
柄にもないが、人を育てるのが残りの職業生活での本務となってきた。
見識、能力とも不足しているが
そうした若き会計人の自己開発の一助になれればと
真剣に思いだしている。

コンサルティングに強い 経営エンジン研究所 税理士法人小笠原事務所
大阪 小笠原 でした。


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