御堂筋税理士法人創業者ブログ

最近、経営計画について
お話をしたり、ものを考えたり
することが多くなっている。

りそな総研さん、やSMBCコンサルティングさん
大阪産業創造館の「なにわあきんど塾」さん
それに京都銀行、中国銀行さん
ロータスさん(自動車整備業の全国組織)など
さらには、S社、M社など
講演やグループでの実際活動や個別支援が続く。

少しでも、皆さんが経営計画に
スムーズに入れ、取り組めるように、
さらには、具体化でき
実行管理できる実のあるものにできるように
考え方やまとめ方を改良していっている。
これ自身、私にとってよい勉強である。

さて、経営計画の中心は
戦略の構築の局面だろう。

私にとって戦略とは
あるべき姿と現状をつなげるはしごであるが、
そのポイントは
わが社がリーダーシップのある存在
となることだと考えている。
これは、ドラッカーからいただいたヒントである。

そしてそのために
お客様からナンバー1で選ばれる存在
となることをめざし、

「選んだ池で、いちばん魅力的な魚になる」
つまり、ターゲット顧客群において
(生存領域=ドメインという)
ナンバー1となることだ。

では、実際どうやって
戦略を考えるのか?

そのためには
1.お客様の研究
2.ライバルの研究
3.自社の点検
をして、何をしたらナンバー1で
選んでもらえるかを考えることだ。

まずお客様の研究だ。
広い意味では世の中全体がお客様だが
わが社の商売に関係ある人を中心に考える。
使用者のニーズと便利だ。

世の中は変わる、変化が常態。
社会、世の中、人々、
嗜好、ライフスタイル、ライフサイクル
政治、法制、経済、国際、技術、環境など
われわれの商売に影響を及ぼすことどもを
ひととおりなめて考えてみる。
そして、影響を与えそうなことをピックアップして
世の中どう変わりそうだということを
ストーリーとして考えてみる。

次にライバルの研究だ。
広く言うと業界構造という。
そこにひしめくプレーヤーは
実際のライバル、ライバルの可能性
のある者、新規算入と代替品だ。
さらにサプライヤーと顧客さえ
われわれをないがしろにしかねない。
ここは周到にこの5者について考えておく。
ライバルがもっとも問題のことが多いから
ライバルについては、
やっこさんがどういう状況で
世界をどのように見ていて
何をしようとしているのかの
分析をしておけばばっちりだ。
(あとで述べるSWOT分析をする)
これも仮説ストーリーを考えておこう。

最後はわが社の点検だ。
点検にはいくつかある。
まずは、現在提供している製品だ。
どんな構成になっているのか?
製品としてのライフサイクル
(人間と同じで寿命がある)
のどこにあるのか?
どんな構成になっているのか?
(これは投資の分散と同じなので
ポートフォリオ分析という)

次に、わが社の価値創造と提供の流れ
(これをバリューチェーンという
簡単にいうと仕事の流れと
どんな機能が会社にあるかだ)
を分析して、それがどんな人の
どんな問題解決となっているか
そこから、機能の強み、弱み
連携、バランスなどを考えてみる。

そして組織としての風土の強み、弱みを
分析しておく。
この分析の視点とは、
しくみ、規範、報酬、組織構造・・・
いくつもの切り口があるのでそれを使う。
こうしてわが社の特徴や課題がわかる。

さて、世の中の変化、業界の変化の方向性
自社の特徴や課題など
戦略を考えるための材料はそろった。

では、それをどう料理するかだ。
まず世の中と業界という
経営環境について考えよう。
これはチャンスかピンチか
チャンスになるとすればどういう想定か?
ピンチになるとすればどういう想定か?
そこで機会要因(O)と脅威要因(T)にわけて
主要なものを挙げる。

次にわが社について考えよう。
これは強みか弱みか
強みになるとすればどういう想定か?
弱みになるとすればどういう想定か?
そこで強み要因(S)と弱み要因(W)にわけて
主要なものを挙げる。

諸賢にはお気づきだと思うが
ものは考えようである。
チャンスだと思えばチャンス
ピンチだと思えばピンチ
ならチャンスと考える方がハッピー
というわけだが、
それはそれでよいが
それなら裏も取っておきたいところだ。

この4つの要素、O、T、S、W
を模造紙に一枚ずつまとめる。
一要素につき5~7つぐらいの
要素を大事だと思う順にならべる。
そして下記のように
それぞれの要素を組み合わせて
なにをしていくべきか
戦略を考えるのである。

       O          T
S   S-O戦略   S-T戦略
W  W-O戦略   W-T戦略  

基本はS-O戦略である。
人生、得意技、好きなことを活かして
暮らしを立て、成功するのがコツだからだ。

しかしそれだけでは甘っちょろい
やはり補強が必要だ。
それがS-T戦略であり、W-O戦略である。
W-T戦略は基本取らない。
さっさと撤退である。
三十六計逃げるにしかずだ。

では肝心の戦略ネタのヒントは?
実はここが創造力の求められるところだ。
自分で考えてくださいでは
読者としてはあまりにもさみしい。
はしごをはずされた感じだろう。

そこで、つたない脳みそを使ってではなるが
少しは気の利いたヒントを考えてみよう。

まず競争を基本におくかどうかである。
シェアを高める、ライバルに勝つなど
立場としては、トヨタ?ニッサン?マツダ?いすず?
つまりリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー?
それによって基本戦略がある。

次にライバルに勝つ。
方法は、コストで勝つ、差別化で勝つ、集中で勝つの3つだ。

だが悲しいかなわれわれは中小企業だ。
基本差別化と集中となる。
そこで、マーケティング思考の登場となるのだ。
つまりいかにして
「小さな池で、もっとも強いお魚になるか」
の戦略だ。

その場合
ブルーオーシャン戦略の考え方が
わりあい考えやすい
興味のある方はどうぞ。

結局リーダーシップ企業になることでも
経営者が注意すべきことは
「持続的競争優位」である。
つまり、ずっと鍛えて一番であり続けることだ。

そのためには、
VRIO分析といって
わが社のビジョン、希少価値、
模倣可能性、組織のあり方を考えて、
物心両面でエクセレントカンパニーをめざす。

その際は
学び続ける組織
ノウハウのマネジメント
のしくみ化がポイントだ。

そこで
マネジメントのしくみ
風土の変革
人事のしくみ
などが戦略テーマとなってくる。

あまり競争うんぬんよりも
よい製品やサービスを提供できればよい
という会社の場合
いかに商品を作り、増販するかというテーマとなる。
これこそまさにマーケティングの領域であり、
具体的には、製品、価格、売り方を考えるのである。

しかしもっと特殊なことを
考えなければならない場合もある。
どういうケースか?
事業の再構築が必要だ。
生き残りをかけて戦うなどだろう。

そのためにはイノベーションをしなければならない。
残念ながらこれは相当な洞察力と思考力が求められる。

ドラッカーはこう述べている。
理想とする企業の絵を書きなさい。
次に機会を最大化する方法を案出しなさい。
最後に優秀な人材を戦略分野にあたらせなさい。

いうは簡単だがどうするのか?
まず機会とはどう発見するのか?

①弱みとなっていて
 制約条件になっているものを探しなさい。
 生産工程、産業、市場の・・・????
 柔軟な生産設備
 材料のフル活用
 住宅の中古流通などである。

②アンバランスを考えなさい。
 生産、流通、補助機能、規模
 突出したものを切り分けて
 独立事業化するなりなんなり
 これはまだわかりやすい
 GEがリース屋をするようなもんやな。

③脅威をチャンスに変えなさい。
 事業の定義を見直す。
 ライバルと手を組む。
 つまり環境変化を受け入れるということだ。

お金があるがアイデアがない場合は?
これは廃業と不動産業への転身
M&Aでの買収戦略などがよいだろう。
M&Aはすごく良い方法だ。
地域進出、ノウハウのしらない事業進出などで
使える方法だ。

それ以外にも
会社会社によってユニークな問題があるかもしれない。
そういうものがあればまた教えてもらいたい。
このリストに付け加えるつもりだ。

しかし、
なんぼ戦略仮説を立てても
そのとおり世の中が動くとは限らない。

ダーウィンはいう。
「強いものが生き残るのではない。
変化に対応したものが生き残るのだ。」

だから創発組織という考え方が絶対に必要だ。
創発組織とは
上で書いた「学び続ける組織」だ。
オープンなコミュニケーション
外部・現場との接触と情報収集
そのためには
経営者のすなおな姿勢がもっとも大切だ。

いかがだろうか?
経営者の方々のご参考になっただろうか。

コンサルティングに強い
御堂筋税理士法人&
経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。

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