御堂筋税理士法人創業者ブログ

ご存じかもしれないが、
私は、今メルマガで
ドラッカーの代表作
『マネジメント』の内容について、
解説をしている。

その原稿のまとめも
終盤にかかっている。

ちょうど
マネジメントの中の
ハイライトである
小企業の経営のところである。

わたしたち中小企業に
大いに関係のあるところだ。

ここでは、ドラッカーは
小企業は大企業以上に
一流のマネジメントを
しなければならないと
言っている。

それは、次の3つをすることだという。

①限界的存在にならないための
 ニッチ戦略をもつこと。
②トップチームの仕事を組織化すること
③必要とされる情報を収集する
 しくみを作ること

さて、その中で
②のトップチームの役割組織化
のところを
メルマガに先駆けて
公開したいと思う。

なぜなら、経営チームの編成
というテーマは
業績のアップのために
重要なテーマであり、
私が取り組んでいきたい分野で
そのためのノウハウを
確立させようとしているからだ。

トップチームの役割組織化
~ポイントはチーム化 
専任1名+パート数名

ここは、とてもだいじなので
じっくりと考えたいと思います。

「小企業とは、専任のトップマネジメント(経営者)が
一人で十分だという規模の企業である。
事実、小企業の多くは、
トップ自身がいくつかの
職能別の分野を担当している。」

つまり、小規模なので経営者は
ひとりでよいのですが、
その経営者も実は、
営業であったり技術であったり、
何かの業務を担当しているというのです。
 
「しかし、そのようなことが行われうるからこそ、
小企業は事業目的の実現に必要な
主な活動が何であるかを明らかにし、
それを誰かに担当させることが必要となる。
さもなければ、
基幹活動のいくつかが
力をいれられることなく
放置されたままとなる。」

なにかの業務をしなければならない、
してしまっているからこそ、
中小企業では、
マーケティングや顧客のニーズ聞き取りや、
マーケットの動きや技術革新の動向調査、
将来の方向性の検討など、
事業にとってとても重要な仕事なしごとが
何であるかをはっきりさせておいて、
それを誰かにさせる、
つまり誰もそのことをしないということは
ぜったいにさけなければならない
といっているのです。
 
「小企業の多くは、
何が基幹活動かは明らかであるという。
それらの活動はしているという。
だが、ごく簡単な分析でも、
それがなされていないことが
明らかになる。」

「必要とされているのは、
若干の思考、若干の組織、
若干の報告、若干のチェックリストである。」

少しの手間をとって、
なにが大事な経営活動かを考え、
それは誰がやるのかということを
考えてくださいということです。

このような検討は、
半日から一日あればできるでしょう。
それは一度きちんとすれば
しばらくは機能するわけですから、
ぜひずぼらせずにやりましょう
というわけです。

さて、その結論は?なんでしょうか?

「つまるところ、
小企業にもトップマネジメント・チームが
必要だということである。
トップマネジメント・チームの
メンバーのほとんどは、
トップマネジメントとしての仕事は
パート的に行ってよい。
主とする仕事は
職能別のものであってよい。
しかし、そのメンバーたる者は、
何が基幹活動であり、
何がそれぞれの目標であり、
誰が担当しているか
知らなければならない。」

要は、経営のしごとを
分担したらということです。
社長以外の経営チームのメンバーは、
ふだんは営業部長、製造部長、
技術部長なのですが、
役割分担して経営機能を果たしなさい
ということです。

「小企業では、
トップマネジメント・チームの長たる
トップ本人に成果を上げさせなければならない。
職能別の仕事を何も担当せずに、
すべての時間を
トップマネジメントの仕事に投入できたとしても、
仕事の負荷は十分に重いはずである。
顧客からの要求がある。
従業員、取引先、銀行からの要求がある。
トップとしての責任を自覚しないかぎり、
彼のエネルギーは放散されるしかない。」

まず、社長自身が成果をあげることが
もっとも大切なのです。
それはそうですよね。
経営のしごとに専念したとしても、
やることはいっぱいあるというわけです。
そこのところを
ほんとうに経営者は自覚しているのでしょうか?
もしそうなら時間の使い方も含め、
もっとものを考えなければならない
のではないでしょうか。

「そこで最初に考えるべきことが、
『トップ本人が得意としているものは何か』
『社内のだれよりもよくできるものは何か』
『得意としているもののうち、
組織の存続と成長にとって
決定的に重要なものは何か』である。」

ですから、ただでさえ不足している時間を
経営者が効果的に使うようにするためには、
その社長が、たくさんある経営での仕事で、
得意なものを選びとるのがいいですね。

「トップマネジメント・チームの
だれが何を担当するかは、
各メンバーの得意とするものを反映させて
決めなければならない。

もちろん『トップ自身は基幹活動の
いずれを担当すべきか』を
最初に考えなければならない。
基幹活動の分析は
客観的に行わなければならないとしても、
トップ自身が何を担当するかは、
その得意とするものを中心に
決めなければならない。」

ところで、経営機能を分担するとしても
だれがどの担当をするかは、
その人のパーソナリティの強みを
活かすようにすればいいですね。
分析家タイプは経理とか、
人にやさしい人は人事とかです。
その際、もちろん社長は
自分がもっともよくできる役割を選んでください。

「多くの小企業で、
肝心のトップの時間の使い方がまちがっている
という批判が聞かれる。
もしその批判が、そのために
基幹活動がないがしろにされている
ということであれば、
批判にも価値があるというべきである。

しかしよくあるように、
トップが自分の得意なことばかり行い、
他の基幹活動を放っているとの批判であれば、
答えは、財務の得意な者に
人事をやらせるのはまちがいだ
としかいいようがない。

財務の得意なトップをもつことをありがたいと
思わなければならない。
人事は、誰かトップマネジメントのメンバーで、<
br>それを得意とする者が担当すればよい。」

そういうことですよね。
社長の仕事をしていない
というのならば問題ですが、
得手不得手があって
不得手なことはむりしてせずに、
他の幹部ができれば
その人にしてもらうのがよい
というわけです。
これは助かりますね。

「しかし小企業のトップには、
他の者には任せられない仕事が二つある。

第一に、社内の重要な人間と接触することである。
第二に、社外、つまり市場と顧客、
そして技術と接触することである。
机に縛られていてはならない。」

つまり、経営者は、
社内のキーマンの話を聞くこと
現場を知ることと、
顧客に会うこと、
世の中の動向を察知しておくことは
自分の目と耳で確認しなければならない
ということですね。

市倉先生は、
机に縛られている社長を
『穴熊社長』と呼んでいました。
穴熊社長になってはいけません。

「小企業の最大の強みは、
トップの人間が
社内の重要な人間全員の望み、
考え、仕事のしかた、強みと弱み、
実績と可能性を知りうるところにある。

もちろんそのためには
時間が必要である。
自由な時間、予定の入っていない時間、
問題解決のためのものではない時間
が必要である。

社外との関係についても同じことがいえる。
小企業といえども、
リーダー的な地位を得るための戦略を必要とする。
そのためには社外の人間を知らなければならない。」

つまり、経営者としてのしごとに専念し、
オペレーションの仕事をセーブして
時間を創りだし、
その時間で社内の意見を聞き、
顧客の意見を聞き、
戦略の基本である
どんな顧客にナンバー1で選んでもらえる企業
=リーダー的な地位を
獲得できるかを考えなければならない
というわけです。

「もちろん小企業のトップのほとんどは、
すでに外で十分な時間を使っているという。
これからも外へ出てばかりいるだろう。
事実、大切な顧客には自分で会っている。
借り入れには自分で銀行に出かけている。」

「しかし彼らが必要としているのは、
それら以外のものに使う時間である。
市場、機会、変化を知るための時間である。
『われわれの事業は何でなければならないか』
を考えるための時間である。

必要とする時間はそれほど長くはない。
しかし、日常の現業の仕事のための時間とは
違った意味で、まとまった時間が必要である。」

最終的には、世の中の動きをよくみて、
わが社のあり方をじっくり考える時間を
もたなければならないと
教えてくださっているわけです。

コンサルティングに強い
御堂筋税理士法人&
経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。


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